言葉で気持ちが表現できないために、つい乱暴な言葉や手が出る男の子に困っていませんか?ママが注意したり叱ったりしても、問題は解決しません。脳を育てる関わりをして言葉にする力を伸ばし、「乱暴な言葉や手が出る子」を卒業させてあげましょう! |
乱暴な言葉や手が出る男の子。叱っても変わらない…
乱暴な言葉や手が出る男の子。「男の子だし」「まだ小さいし」などと思いつつも、周りのお友達に手を出したり、ママも叩かれたりするとどうにかしたい!やめさせないと!と思いますよね。
そんなとき、どうしていますか?
きっと、「やめなさい!」「そんなことしちゃダメでしょう!」と「叱る」対応をされる方が多いのではないでしょうか?
けれども、叱っても何をしても、子どもは全然変わらないし…どうして良いのかわからない。
というのがママの本音ですよね。
乱暴な言葉や手が出ると、親も周りも困ってしまいますが、実は、一番困っているのは子ども本人かもしれません。
乱暴な言葉や手が出るのは言葉の発達がゆっくりなことが原因
乱暴な言葉や手が出てしまうことの背景に、言葉の発達がゆっくりであることが隠れている場合があります。
このようなタイプの幼児は思いがうまく伝えられずグズグズやかんしゃく、大声を出したり、すぐに手が出てしまいます。
バカ!キライ!など短く乱暴な言葉で自分の気持ちを伝えようとします。
そのために、本当に困っているのは子ども本人なのに「困った子」と思われたり、思いを伝えられないことで大人との意思疎通がうまくいかず、ストレスを大きくしたり自信をなくしてしまうこともあります。
とくに、男の子は、感情を担当する脳と言葉で伝える脳の情報交換の発達がゆっくりなので、よりこの傾向が強くなりやすいのです。
言葉が出にくくて、乱暴な言葉を言ったり、手が出てトラブルになりやすい子は、いくらそのことについて注意したり叱ったりしても解決しません。
子どもも、やってはいけないとわかってはいるけれど、自分の気持ちにぴったりの言葉が出なくて乱暴な言葉を言ったり、反射的に手が出てしまうことがあります。
子ども自身のSOSのサインなので、ダメでしょ!と怒られてもどうしようもないですし、なんでそうなってしまうのかを言葉で言いなさいと言われても言えるだけの言葉が育っていないので、
ママやパパに、わかってもらえないと感じてさらに辛い気持ちになってしまいます。
ですので、言葉の発達がゆっくりで、乱暴な言葉や手が出てしまう男の子には、ダメな行いをやめさせようとするより、発達がゆっくりになっている脳の発達を加速するかかわりをしてあげましょう。
言葉を伸ばすために必要な体験・行動を増やすポイント
まず、子どもの脳が発達するためには行動とコミュニケーションが必要です。
この2つを抜きにして、脳は発達していきません。
話せる言葉は少ないけれど声かけを聞いて行動できる子どもには、とくにおさえていただきたい発達のポイントが2つあります。
それは行動・体験することです。
どうしてかというと、行動・体験したことは、言葉に出しやすい特徴があるからです。
脳のなかで、言葉の表出を担当するところは、運動を担当する場所の近くにあるので、行動や体験をすることで、運動を担当する脳が発達すると、その発達に引っ張られて、言葉の表出の脳の発達もすすみます。
つまり、体験・行動すればするほど、それだけ語彙も増えますし、言葉として出やすくなります。
子どもの体験・行動を増やすには、環境の整え方がポイントになります。
子どもが自分からやりたい!もっとやってみたい!という環境をママが整えられたら、言葉の発達をぐんと加速させることができます。
ここでは、環境を整えるポイントを2つご紹介します。
ポイント①子ども目線の道具
1つ目のポイントは、子ども目線の道具です。
例えば、お手伝いのとき、途中でお子さんが飽きてしまったり、うまくできなくて、グズグズになることはありませんか?
せっかくの体験のチャンスをお互いイライラして終わるのはもったいないですよね。
うまくできないというとき、発達の面で難しい作業もありますが、道具の仕様やサイズが大人向きで扱いにくいということがあります。
ですので、わが家の場合、息子には少し小さめのお玉や菜ばしなどをお手伝い道具として準備しています。
道具の調達は、100均がオススメです。
種類も大きさも豊富なので、お気に入りを一緒に見つけても楽しいかもしれません。
お手伝いに限らず、ご飯を食べる時のおはしや食器、お片付けの箱や棚、そして置き場所、子どもの目線で使ってみたり動いてみたりすると、意外と使いにくかったり、わかりにくかったりするものです。
この少しのやりにくさがもっとやりたーい!の気持ちを半減させてしまったりするので使いやすいものかどうか、チェックしてみてくださいね。
ポイント②成功体験をつくるダンドリ
2つ目のポイントは、成功体験をつくるダンドリです。
何か体験・行動させるとき、最後までしっかりやらせようと思ってしまっていませんか?
もちろん、最後までできたら素晴らしいです!
ですが、そうじゃないでしょ!こうしなきゃ!と注意されながらする体験なら、残念ながら脳の発達は望めません。
もっとやりたい!のやる気のモトは、楽しい、嬉しい、面白い!のいい記憶とセットになった体験です。
だから、注意しなくてもいいダンドリ、自分でどんどん進められるダンドリでできたね!で終われることが大事です。
例えば、お料理なら途中までママが準備して、あとは混ぜるだけ、一口大に切るだけというように最後のフィニッシュを子どもにお任せしたり、
床や壁が汚れてしまうこと前提で、レジャーシートを敷いたり、ラップを貼っておいたりすると、存分に体験させてあげられますね。
いかがでしたでしょうか?
今日やったから明日できるようになる…というものでは決してありませんが、このような関わりを続けて体験や行動を増やしていくことで、お子さんの言葉の発達を促すことができます。
ぜひ、「言葉にできる力」を伸ばして、「乱暴な言葉や手が出る子」を卒業させてあげてくださいね。
執筆者:はしうえゆか
▼「お母さんの小学校★ななほし」主宰:石澤かずこのメルマガ登録はこちらから