YouTubeがやめられない発達障害・ADHDタイプの子どもが自分で切り替えてやめる力を育てるママの声かけとは?

YouTubeがやめられなくなってしまう子どもにイライラしていませんか?ADHDグレーゾーンの子どもが動画に依存的になってしまうのには理由があります。動画と上手に付き合い自分で切り替えてやめる力を、お母さんの「声かけ」で育てていきましょう。

発達障害・ADHDタイプの子どもは、動画を異常に見たがる!?

発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どものお母さんからよく聞く話は、
「動画を見始めたら、止めることができません。何を言っても聞いてくれません。どうしたらいいでしょうか?」という内容です。

Youtubeばかりでやめられない子どもたち

動画とは、動く画像なので静止画よりも子どもは目が離せなくなってしまいますね。
「動画」と言っても、テレビ、DVD、YouTubeなど、種類はいくつかありますが、特にお母さんたちが「困っています」「なんとかしたいです」とおっしゃることはやはり、
「YouTubeがやめられない」
ということです。
私の息子も、ADHDグレーゾーンですが、一度見始めたら全然止められません。
「もうたくさん見たから終わりにしようね」なんていう私の声は全く届かないどころか、呼び掛けても全く聞こえていない様子で、返事もしてくれません。
時間を決めて「30分だけ見ていいよ!」と言うと、「うん!わかった!」とニコニコ笑顔で言ってくれますが、30分後に声をかけると「やだー!」「まだ見たい!」「もっと見る!!」大騒ぎです。

時間感覚が希薄なために、やめられなくなってしまう!?

発達が未熟な子どもたちは、時間感覚が希薄なこともあり、30分という時間がどれくらいなのかが理解してづらいのです。また、集中しているときの30分はあっという間に感じます。
ですので、時間になって「はい!終わり」と言われても「早すぎる」とか、「まだ途中なのに」となってしまいます。
日曜日や長期休みになると、ゲームをやりたい!よりも、 「YouTubeを見たい!」という思いが強すぎるADHDグレーゾーンの息子は30分見ただけで満足できることがありませんでした。
無理やり見ることを止めさせることもできますが、その後のぐずりや癇癪、私のことを叩いたり蹴ったりすることを考えると、どうしても放っておいて、静かに動画を見続けてくれる方が、楽だなと感じてしまうことが多くありました。

動画がやめられない理由

そもそも、YouTubeはたくさん見てもらえるように工夫がされていて、興味を引くような広告が流れたり、横に次の再生動画が勝手に表示されたりしますね。
あんなに誘惑されたら、誰でもついつい次の動画へ手が伸びてしまいます。 そして、動画には中毒性があります。
なぜかというと、「脳内のドーパミン」による影響があるからです。
ドーパミンとは、脳が活性化したとき・興奮したときに分泌される神経伝達物質のことです。
動画を見て、欲求が満たされることで活性化して快感をもたらす中毒性があるので、止められなくなってしまいます。
ドーパミン自体は、やる気を高める物質なので、悪いものではありません。
ですが、発達障害・ADHDタイプの子どもたちは、気持ちの切り替えやコントロールが苦手なので、他の人たちよりもハマりやすくなってしまうのです。
心理学から見ても「シロクマ効果」が起こる現象もあり、「YouTubeを見てはダメ」と言われると、YouTubeのことが頭から離れなくなってしまい、禁止するとやりたくなる心理も働いてしまうので、やめられない…という状態になってしまいます。

やめられないなら、脳の発達を促す道具として活用しよう

実は、動画も活用次第で脳の発達を促すことができるのです。

情報量を増やすツールになる

YouTubeは絶対に見せない!と、制限しているご家庭もあるかと思います。
確かに見せっぱなしは良くないのですが、たくさんの情報を受け取れるツールとしては悪い面ばかりではないのです。
今は、時代の変化とともに、動画の学習教材がとっても増えていますね。
また、動画では普段行くことができない素敵な場所や、異文化にも触れることができます。
そこで得られる情報を自らの目で見たり、周りの人から受け取ったりすることができるのであればいいのですが、それができない場合は、動画を見せないことで、子どもの脳に届く情報が少なくなってしまいます。
だから、あえて動画を活用して情報量を増やすことも、脳の発達にはプラスになります。

情報を受け取ったらアウトプットする

YouTubeの情報を効果的に活用するためには、ただ漠然と情報を受け取るだけでなく、お母さん、お父さんとその情報を共有するために会話をするなど「アウトプット」を行うことで脳を活性化するのに役立ちます。
ずっと一緒に見ることが難しくても、見終わったあとに、お子さんが見ていたものに興味を向け、会話をして、子どもからアウトプットさせることがおすすめです!
活字からは得られないインパクトのある情報に触れたり、親子で見たものをテーマに会話したりすることで、知識や興味が広がりますね!
全面禁止して情報遮断してしまうより、上手に活用することで、子どもの脳を発達させるチャンスにもなるのです。
また、お母さんとしても、「YouTubeをやめられない…」とイライラするより、今我が子は発達しているんだ!思うと少し気持ちが楽になりますね。

自分で切り替えて「やめる力」がつく声かけ!2つのポイント

活用次第で子どもを伸ばすツールにも変わりますが、とはいえ、あまりに長い時間だらだら見続けて他のことに手がつかなくなる状態は避けたいですよね。
そこで、自分で切り替えてやめられる力をつけるために今回お伝えしたいのは、 動画を見る前の声かけです!

◆①「見る時間」と「見るもの」を事前に決める

声かけのポイントの一つ目は、「何を見たいのか」「どれだけ見たいのか」を子どもに「自分で選ばせる」ことです。
誰かに言われてやらされているときと、自ら決めて行動しているときでは、圧倒的に後者の方が「やる気」になれるからですね。
もし、子どもが選んだ時間が長すぎる!と思ったら、いくつか選択肢を提示して、お子さんに選んでもらえばOKです。
「15分にする?」「20分にする?」といった感じで、選択肢を提案するときは、お子さんがどれを選んでもいいよ!と言えるものにしてくださいね。
我が家の息子にも動画を見る前には「今日は何を見るの?」「どれだけ見るの?」と必ず聞くようにしています。
例えば、YouTubeが見たい!と言った場合は、「どれを見るか、決めようね!」と声をかけ、希望を聞きます。 そして、動画を見終わった後にすることも決めておきます。
脳の発達がまだ未熟で、見通しを立てることが苦手な発達障害・ADHDグレーゾーンの子どもですが、次に何をするのか分かっていると、ダラダラしにくくなります。

◆②「作戦」を聞いてみる

また、少し年齢の大きいお子さんだと、自分が見始めたら止められないことを理解できるので、
「〇〇くん、いつも見始めたら止めるの嫌になっちゃうよね。」
「どうしたら、いいかな、◯◯くんの作戦は?
と聞いてあげると、自分で考えてルールを作ってくれます! 自分で考えたことですから、とっても動きやすくなります。
これらの声かけを続けていくことで、ADHDグレーゾーンの子どもたちも、お母さんがガミガミ言わなくても、自分から時間を見て動画を選び、時間でやめることができるようになりますよ。
執筆者:広瀬 裕子
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