初めての幼稚園の入園。いつもママにべったりなのにちゃんと登園できる?なかなか言うことを聞いてくれないけど、先生のお話はちゃんと聞ける?など入園前の不安は尽きないですよね。そんな不安をお子さんと楽しみながら解消していく方法をお伝えします。 |
幼稚園の入園がもうすぐなのにママにべったり。言うこともあまり聞いてくれない…。
入園前に感じていた不安
我が家の息子は、いつもママの私にべったりで、家の中でも外でも少しでも離れると「ママー!!」と大きな声で呼び、
幼稚園の入園がもうすぐという時期になっても、公園でお友達とだけでは遊ばず、いつも私の手を引いて滑り台やお砂場で遊んでいました。
また、「おうちに帰ろう」と言ってもなかなか帰らなかったり、「おやつはおうちに帰ってからね」と言うと泣いてぐずるなどして、私の指示はなかなか聞いてもらえませんでした。
そんな状態の中、ママから離れてお友達とだけで遊んでいる同学年のお子さんを見たり、約束の時間になったら家に帰るお友達を見ては、
どうしてうちはこうなんだろう?と悩み、もうすぐ幼稚園の入園なのに、こんな状態で幼稚園に本当に行けるのかしら?と不安が尽きませんでした。
入園後の様子
そしていよいよ入園を迎えました。
何となく予想はしていましたが、激しい行きしぶりになり、何とか登園しても幼稚園で毎日不安になり泣いていました。
泣いていたことは帰宅した息子の涙や鼻水の跡ですぐに分かりました。
初めての先生との面談で、とてもあたたかく対応してくださっていることはわかりましたが「次に何をやるのかが分からなくなって、不安になって泣いてしまうことがあります」と教えて頂きました。
ママにべったりになってしまう理由
もともと幼児期の子どもは、初めてのことや慣れないことの想像、人の話を聞く能力はまだまだ成長段階ですので、言うことを聞いてくれないということはあることですが、
発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合は初めてのことや慣れないことを想像することに関係する脳の発達が少しゆっくりなことが原因で、より目立って行動に出てしまうことがあります。
人より敏感に空気を察して不安になってしまう
不安などを感じるのは、脳のいくつかのエリアのネットワークが関係していますが、初めてのことや慣れないことなどに強く不安を感じるのは、ネットワークがまだあまり使われていないせいで細いことに原因があります。
逆に、ネットワークが使われると「自分の予定が分かってくる」「見通しがあると安心できる」「新しいものが好き」などの様子が見られてきます。
聞く耳が育っていない
人間の脳はたくさんの情報を処理しているので、自分にとって必要ではない情報や、難しい情報などは遮断することがあります。
聞いていたのに「今何て言ってたかしら?」と聞いていなかった状態になることってありますよね。
けれど、難しい情報をかみくだいて説明してもらうと「あ、そういうことなのね」と理解できます。
このように分かりやすい言葉で話されるだけで、脳のネットワークが使われ、使えば使うだけ発達が進んでいきます。
幼児期の子どもも大人と同じように、早口で言われたり長い説明で言われると何と言っているのか分からなくなったり、聞いていなかったりします。
また、子どもは言葉よりも話している人の「表情」「声色」「語調」などの「非言語の情報」を先に感じ取りますので、
ママがイライラした表情や、強い口調で話してしまうと、伝えた言葉よりも「ママ、なんか怒ってる…」という情報しか残らなくなってしまいます。
入園前の不安を解消する!コミュニケーションの取り方とおすすめの遊び
入園後に激しい登園しぶりにならないために、また、幼稚園で先生のお話を聞けるようにするためにも、今からママが楽しくコミュニケーションをとり、聞く耳を育ててあげる必要があります。
早ければ1か月でも変化が見られますので、今対応すれば入園までにママの不安も解消できますよ。
私は家では息子とのコミュニケションを見直し幼稚園では引き続きあたたかくフォローしていただくようにしました。
では私がどのようなコミュニケーションをとっていたのか、お伝えします。
楽しいコミュニケーションで、聞く耳を育てよう
まず私が取り組んだのは、息子の行動を褒める(肯定する)ことです。
好ましい行動に「肯定的な注目」を増やし、「否定的な注目」はしないようにします。
例えば、朝洋服に着替えるとき今までは「早く着替えようよ」「早く着替えないと公園行けないよ」など言っていました。
コミュニケーションを学んでからはなかなか着替えないことには注目せず、着替え始めたら「パジャマぬげたね」「ズボンぬげたね」「Tシャツ着れたね」など、笑顔でやさしく、ゆっくりと行動を具体的に褒めてあげました。
すると息子は喜んで着替えをするようになり、「自分でやる!!」と言って簡単なものなら自分で着替えるようになりました。
この状況は、褒められる=心地よいことに耳を傾けている状態で私の話の「内容」を聞けるようになっている状態です。
そして、着替えのことだけでなく、公園から家に帰る約束の時間を守れるようになったりと、他のことでも私の話を聞いてくれやすくなりました。
そして、幼稚園の行きしぶりも 肯定の注目を増やしたことで、少しずつ笑顔でバスに乗れるようになりました。
また、幼稚園の2回目の参観日で目にした息子は、先生の指示を聞いて絵を書いたり、クレヨンを棚にしまったり、先生に「ここに集まってください」と言われたらみんなと一緒にちゃんと座っている姿でした。
楽しい遊びで、さらに自立をうながそう
まずは、肯定の声かけで子どもの自信を育て、聞く耳を育てることが大切ですが、
お子さんとのコミュニケーションが取れるようになり、楽しく遊ぶことが出来るようになったら、ぜひ遊びながら自立をうながす力も育ててみてください。
これらの遊びは、見えない部分を想像しながら進めていく遊びなので、想像する力をつけて見通す力を育てます。
・トランプ
相手が何のカードを持っているか想像する(ババ抜きなど)
・パズル
完成を想像しながらピースを配置していく
・クイズ
問題から答えを想像する
・シャドーイング
同時通訳のイメージで読み手が読んだ1,2秒遅れで追いかけて言うもの。
少し前に発せられた言葉を記憶してから自分の口でいうので、記憶と理解が発達する
息子は3歳でしたので、できない遊びもありましたが、歌を歌うことが大好きでしたので私は「シャドーイング」を活用しました。
Eテレで流れてくる歌をテレビを見ながら一緒に歌詞をおいかけて歌ったり、
幼稚園の先生が歌っていたよ、とおぼろげに教えてくれる歌を、私が少しずつ先に歌い、息子があとからおいかけて歌うという遊び方です。
息子は私の口を見ながら楽しそうに歌詞を覚え、自然に自立をうながすトレーニングができました。
また、絵本の読み聞かせをするときに「ママのまねしてみてね」と伝え、ママが先に読みながらお子さんに続いて読んでもらうというというのも良いですね。
「むかしむかし」などの1言や1行ずつなど少しずつ楽しく進めることがコツですよ。
入園前は何かと不安になってしまうこともあると思いますが、お子さんの自信を失わせないことがこれからの幼稚園生活を楽しく過ごすために何よりも大事なことだと思います。
ぜひ、楽しいコミュニケーションと遊びでお子さんと楽しく入園を迎えてください。
今日もお子さんとの楽しい時間が過ごせますように。
執筆者:宮代さちこ
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