幼稚園の給食を嫌がるお子さんは意外といますよね。我が家の息子は行きしぶりにまでなり、その理由を探ると日常の不安が関係していました。給食が嫌で幼稚園に行きたくないという状態は、先生との連携とどんな環境になっても乗り越える力をつけるコミュニケーションで解決できますよ。 |
せっかく慣れてきた幼稚園なのに給食を嫌がり行きしぶりに
息子は幼稚園入園時、行きしぶりや帰宅後の激しい癇癪があり、私は毎日ヘトヘトでしたが、脳を伸ばすコミュニケーションと出会い、息子への対応を学んだことで息子の行きしぶりや癇癪はなくなっていきました。
しかし年少の11月頃から給食がある日だけ泣きながら「幼稚園に行きたくない!」と行きしぶるように…。
毎晩「明日はお弁当?給食?」と聞くようになり、「給食だよ」と答えると「明日は幼稚園行かない!給食、苦手!」と泣いてしまいます。
当日の朝もすごく不安そうな顔をして「給食なの?」と聞いてきます。
私の対応で息子を安心させながら登園準備をすすめ「給食は食べられなかったら残して大丈夫だよ」と伝えますが、
「給食は苦手なの!」の一点張りで納得しません。
そして、泣きそうな顔の息子を送り出していました。
もともと息子は、野菜の大きさや、量が多いことで完食出来ないので得意ではなかったのですが、なぜ泣いて行きしぶるまでになったのか、原因を考えました。
給食の献立や幼稚園のプリントを見ていたら「11月のカリキュラム」のプリントに「給食の苦手なものも挑戦してみよう!」とありました。
私は、きっとこれかもしれない…。幼稚園で何かしらの声かけが始まったのかな?と感じました。
息子の通う幼稚園は、ゆったりとした幼稚園で出来ないことがあったら、その子のペースに合わせて声をかけてくれるので、安心してお任せできる幼稚園です。
本人が出来ないことを無理にすすめることはないので、12月の面談で先生に相談してみることにしました。
給食を嫌がるのは、不安を感じやすいことが原因でした
面談で幼稚園での様子を伺っていると、息子は先生の言葉をとても敏感に聞いていることがわかりました。
例えば、先生が他のお友達が危ないことをしているので注意をしていると、近くにいる息子がピッと姿勢を正して聞いているそうで、息子のことじゃないからね、と声をかけてくださっていたそうです。
給食のときは、「苦手なものもチャレンジしてみようね」とクラス全体に伝えていて、食事中に遊んでしまうお友達や立ち歩いてしまうお友達に注意をすることはあっても、息子に何か言うことはなかったようです。
その話を聞いて、きっと息子はその「状況」に不安になっているんだなと感じました。
不安になりやすい原因は脳のいくつかのエリアと記憶に関するエリアが関係しています。
発達障害やグレーゾーンの子どもの場合、脳の発達がゆっくりな部分があるので、出来ないことや困りごとが目立ってしまい、どうしても成功体験を積むことが少なかったり、何か言われることが多くなってしまいます。
すると、やってもどうせ失敗してしまう、また何か言われてしまうかもしれない、と不安になり、自信をなくしてしまいます。
そのような不安に包まれると、自分が注意されているわけではないのに、先生が怒っている…自分も言われてしまうのではないか…となってしまうんですね。
大人でも社会にでると他人が注意されているのを隣で聞いて、自分も襟を正すことってありますよね!
さらに繊細な方だったらその状況を不快に感じ、テンションが下がるようなこともあると思います。
このように原因を探っていくと、息子の行きしぶりは給食の「野菜の大きさや固さ、量」の問題ではなく、先生の声かけや、他のお友達への注意に過剰に反応して、行きしぶりになっていたことが見えてきました。
行きしぶりの対応記事は、こちらでも読めます^^▼
子どもの不安を感じたら、早めの対応を!
息子のように苦手と感じる状況に過剰に反応してしまうのは、気持ちの問題ではなく、脳の働きがそうしていることなので、本人はとてもストレスがかかり、疲れやすくなります。
それに対し「大丈夫だから頑張りなさい」と伝えてしまうと、本人は今の状況で十分頑張っているので、分かってもらえる人がいないと感じてしまいます。
幼児期の子どもでしたら、それは行きしぶりや癇癪となって現れるでしょう。
そのような子どものSOSに応えてあげないと、二次障害と言われる精神的な問題にもつながってしまいますので、早めに対応してあげることが必要です。
あわせて読みたい!▼
給食が嫌で幼稚園に行きたくない…を解決するポイント
先生との連携
息子は、幼稚園では不安がないときは活発に過ごしているので、先生からの印象は
・元気な男の子
・真面目(他のお友達の注意を自分ごとと捉えるところ)
・少し甘えん坊
・入園当時はよく泣いていたけれど、今は毎日ニコニコで過ごしている
です。
家でのぐずりや行きしぶりは先生はご存じなかったので、息子の様子や私の対応を伝えました。
・給食の日は行きしぶりがある
・先生に怒られたと話すときがあるが、よく聞くと違うような気がする
・給食の量や味、固さはどうか?
・給食に慣れるよう、家でも食事の固さを変えていっている
・給食を食べきれないと言っているので、私は無理に食べないで大丈夫と伝えている
・不安になりやすいところがあるので、共感し、出来たことを褒めるようにしている
と話しました。
先生はその状況をご理解いただき、一緒にいた息子に
「そうだったんだね、注意をしていたのは〇〇くんじゃないから大丈夫だよ」
「給食も無理しないで大丈夫だからね」
と声をかけ、これからも様子を見ながら声掛けをしていきますのでご安心くださいねと話してくださいました。
面談終了後、息子は安心したようで笑顔で「良かった~」と言っていました。
その後すぐに冬休みになり、休み明けの給食が始まりました。
息子は面談のことはもう忘れているので、また給食がいやだと言い出しましたが、
「ママと〇〇くんで幼稚園にお話に行ったとき、先生は残して大丈夫って言っていたの覚えてる?
あと、先生は〇〇くんのことを怒っていたんじゃないって言ってたね!」
と、息子の不安ポイントを何回か伝え続けました。
すると、1月の終わりごろには行きしぶることはなくなり、今では給食を前より食べられるようになったとちょっぴり自慢げに話してくれるようになりました。
家と外で様子が変わるお子さんの記事はコチラから▼
どんな環境でも乗り越えられる力をつける
どんな環境でも乗り越えられる力をつけるのに、何か特別なトレーニングをするわけではありません。
お母さんとお子さんのコミュニケーションをちょっと意識して変えることで、お子さんの気持ちに変化が出てくるのです。
それはお子さんの出来ないことは注目せずに出来ることやお子さんの存在自体をいつも認めてあげることです。
「テレビみてるの?」
「本読んでるんだ!」
「とっても楽しそうだね」
「すごい!お母さんびっくり!」
など、日常の些細な行動を肯定的に認めてあげます。
その時、優しく笑顔で声をかけることでお子さんの聞く力が育ち、褒められた言葉がしっかり脳にも届き、ポジティブな記憶が増えていきます。
すると不安に傾きがちな記憶をポジティブな記憶に塗り替えることができますので、
「自分でやってみる!」「大丈夫!」「失敗しちゃったね!」
と前向きな発言が多くなってきます。
私も給食のことを聞くときは「美味しかった物は何?」と聞くようにし、食べられた成功体験だけを聞くようにしています。
すると以前の息子は苦手なことを半べその状態で「嫌だった…」と話すことが多かったのですが、
「今日の給食はね~、ほうれん草が嫌だったんだよね~」と自らネガティブな記憶を笑顔で話してくれるようになりました。
給食は大切な食育だと思いますが、お子さんによっては苦手な子もいると思います。
しかも小学校に入学すると、毎日6年間も続きます。
万が一お子さんが給食で悩んでしまうことがあっても、お母さんがお子さんに合った対応策を知っていれば、お母さんも不安にならずに過ごせますよね。
ぜひ、先生との連携とお子さんに合わせたコミュニケーションを大切にしていただければと思います。
執筆者:宮代さちこ
▼お子さんとのコミュニケーションをもっと知りたい方は、ぜひメルマガを登録してください^^