発達障害・グレーゾーンキッズのための睡眠習慣のススメ~困りごとスイッチをオンにしないために今できること

発達障害の特性なのか、環境のせいなのか…?子どもたちの発達でこぼこの影響が、困りごととして現れるには「環境」のスイッチがあります。でこぼこキッズに多い睡眠の問題に隠れたスイッチを見つけ、発達障害の特性からくる困りごとをなくしていきませんか?

この子は一体「何」なんだろう?

私の息子は現在小学校3年生。彼は、自分の気持ちと周りの状況にずれが生じてくると、学校へ足が向かなくなることがあります。

ですが、周りから見るとその理由がとても分かりにくいのです。

ちょっとぼーっとしていて、ちょっと不器用で、ちょっと繊細で不安が強い

しかし、すごく勉強が遅れているわけでも、たびたび先生に怒られるタイプでも、特にお友達トラブルが多いわけでもありません。

ですから、周りからは「なぜ?」と思われているだろうな…と感じています。

私も発達について学ぶまでは、息子のことがよく分かりませんでした。

発達障害の特性を指摘されながらも、特に診断名がつくこともありません。

だからこそ、この子は一体「何」なんだろう?

「男の子だから…?」「一人っ子だから…?」「母親である私が仕事をしているから…?」と自分との違いから原因を探して悶々としていました。

発見!睡眠不足と困りごとスイッチ

困りごとのモトは発達障害の特性か?環境か?

このように、発達障害の特性は、場合によってはすごく分かりにくいものです。

この困りごとは発達のでこぼこのせいなのか?それとも周りの環境のせいなのか?ただの個性なのか?やっぱり障害なのか?

…この答えは、見方によっては「全部正しい」かもしれません。

と言うのも、もともと、誰しも脳の成長具合にでこぼこがあります。それが困りごととしてスイッチが入りやすいかどうかは個人個人によって異なります。

そして、この困りごとのスイッチが入るかどうかは、環境にゆだねられると言っても過言ではありません。

お母さんの小学校で、子どもの発達障害は予防できる!▼▼

今回私がご紹介したいのは、発達障害と睡眠についてのお話です。まさかこんなところに困りごとスイッチがあったとは知らず…わが家では完全にノーマークだったのです。

でこぼこキッズに多い「特性」~睡眠の問題

発達障害の子どもたちは、そうでない子どもたちに比べて睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目覚めるなど)を合併していることが多いことをご存じでしょうか?

その割合は、なんと50~80%とも言われています。

発達でこぼこが気にならない子どもたちは、睡眠に問題を抱える場合が25%程度と言われていますので、やっぱり発達特性による差がある―

つまり、大なり小なり発達のでこぼこが原因で睡眠に問題を抱える場合があるのだろうと考えられます。

睡眠不足という「環境」は困りごとスイッチをオンにする

そして、発達障害があってもなくても、睡眠不足が子どもたちの脳に及ぼす影響はたくさんあります。

感情のコントロールが難しくなる、不安やうつうつとした気持ちが強くなる、記憶・注意力や集中力が低下する…このように、様々な脳の働きの低下が報告されているのです。

しっかりした睡眠をとることって本当に大切だと気づかされますよね。

さて、これらの睡眠不足による影響は、発達でこぼこキッズの困りごとにとても似ています

つまり、睡眠不足が発達でこぼこキッズの困りごとをさらに強めてしまう、ということが起ってしまうのです。

でこぼこキッズは睡眠の問題を抱えやすい
→睡眠の問題が発達でこぼこの特性を強めたように見える
→日常生活の困りごとが増える
→気持ちの落ち込みや生活リズムの乱れ
→睡眠の問題が悪化する
→スタートに戻る…

この悪循環はどんどん深みにはまる可能性があります。

もしかしたら、グレーゾーン程度の比較的弱い特性であれば、その不注意や癇癪はただの睡眠不足から始まったものかもしれないのに…。

これが、生まれ持った発達でこぼこに、睡眠不足という「環境」が困りごとスイッチを入れてしまった状態です。

子どもの睡眠不足は気づきにくい?

ですから、やっぱりしっかりと睡眠時間を確保しないといけないのですが…

問題は、子ども自身が「私、今睡眠不足だから今日は早く寝よう」などとはなかなか考えられないということです。

子どもの睡眠不足は、眠気を訴えるよりも、イライラ感、不機嫌、忍耐力の低下、集中力が続かなくなる、といった、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害の特性に似た行動の変化として現れます。

2~3歳のころだと、お母さんから見たら絶対眠たいでしょ…という状況でも「ぜんぜん眠くない!まだ遊ぶ!」と言って怒ったりしませんか?

4~5歳になるともう少し眠気を隠すのが上手になってきます。

小学生以上になると、自分の興味のあるテレビ・ゲームやSNS、スマホ画面のスクリーンの光で無理やり寝づらい状況を作り出すようになる子も少なくありません。

大人と違って、子ども自身は眠気を自覚できないことも多いので、上述したような変化を注意深く観察していくことが必要になります。

発達障害と睡眠問題はとても複雑に関係していることがありますので、ぜひお母さんが早めに気づいてあげましょう。

困りごとスイッチをオンにしない!睡眠のススメ

睡眠に問題が隠れている子どものサイン

乳幼児や就学前の子どもだと、話を集中して聞くことができない、乱暴になる、不安・癇癪などが挙げられます。

また、小学生以上になると、記憶・学習能力の低下、集中力が続かない、落ち着きがない、不安・うつうつとした態度などとして現れます。

成長にしたがってサインが分かりづらくなる可能性がありますので、できるだけ早めに対応しましょう。

理想的な睡眠時間は以下のようになっていますので参考にしてください。

◆1~2歳で11~14時間
◆幼児(3~5歳)で10~13時間
◆就学児童(6~13歳)で9~11時間
(米国睡眠財団による2015年の推奨)

もちろん個人差もありますが、日中の活動で疲れやすい発達でこぼこキッズの場合は、少しでも寝る時間を確保できることが望ましいと思います。

睡眠不足サインが見られる場合は、1時間早く寝ることを目標にしましょう。ぜひ、困りごとスイッチがオンにならないような環境を目指してくださいね。

理想的な睡眠のために家庭でできること

一般的に、睡眠習慣をつけるためには、

朝起きたときに日光を浴びる
日中に適度な運動をする
過度の昼寝を避ける
夕方から寝る前までの活動の見直し(スマホ、ゲームの使用)
寝る前に決まった習慣を作る(読み聞かせなど)等が勧められています。

…はい、だいたい知ってます!いや、でもそんなにうまくいかない…と思いますよね。

そうなんです。大人が思った通りに行動できないのがでこぼこキッズなんですよね。(笑)

そんな彼らのために、ななほし広場にはたくさんのうまくいった事例が集まっています!

どうやって寝室へ連れていく?サクサク子どもを行動させる声かけはこちら▼▼

ASDキッズのルーティーン力を生かすと好ましい行動の習慣が身に付きます▼▼

ときには戦略的にご褒美を活用する方法もいいですね▼▼

どうすれば適度な運動ができるのか?
どうすればスマホやゲームの使用が控えられるのか?
どうすれば朝起きてくれるようになるのか?

そのほかのページでも、たくさんのヒントをご紹介していますので、ぜひご自身の子育てに置き換えながら最善の方法を探してくださいね。

きっと、あなたの子育ての力になれるはずです!

執筆者:大塚 ひかり

▼発達障害・グレーゾーンは予防できる!でこぼこキッズの子育て情報発信中

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