就学相談とは?就学相談を受ける親子へ伝えたい「支援級を勧められた」と辛いループに陥る前に今はじめてほしいこと

元カウンセラーとして、就学相談を勧められて利用する予定のお母さんへ伝えたいことがあります。支援級を勧められたとしても、小学校で人生が決まるわけではありません。辛いループに陥る前に、いまお母さんがお子さんのためにできることを始めませんか?

就学相談を勧められて、利用する予定の親子に伝えたいこと

発達障害の診断を受けていたり、グレーゾーンだったりするお子さんの就学を控えるご家庭では、各自治体で行なわれている就学相談を利用されたいと考えているかもしれません。
また、通っている園から「就学相談を受けてみてはどうですか?」と勧められた方もいらっしゃるかもしれませんね。
私は以前、都内の幼稚園でカウンセラーをしていて、発達の気になる子どものお母さんとたくさんお話をしてきました。
この記事では、その経験を元に、就学相談を受けようと考えている親子の皆さんに、ぜひ知っておいていただきたいことについてお話しします。

就学相談とは?

就学相談とは、就学する前年度に行う発達が気になる子どもの就学先を決定するまでの一連のプロセスを指します。

「相談」と言っても、これまでの成育歴や保護者の希望を面談するだけでなく、行動観察や発達検査、学校見学や学校体験などを必要に応じて行いながら、

発達の状態に応じて、その子に適した教育環境(通常学級・特別支援学級・特別支援学校など)を相談・決定していくことが目的です。

住んでいる自治体の教育委員会が実施し、教員や心理士、医師などの専門家から相談を受けていきます。

自治体によりますが、就学の前年度のはじめから申し込みが始まり、遅くとも12月までには受け終わるように案内されているところが多いようです。

決して、就学先が教育委員会から一方的に言い渡されるものではなく、判定を考慮した上で保護者の希望が最大限配慮されますが、

就学相談を受けた方のなかには、結果を受けて悩みを抱えることがあるんです。

就学相談を受けたママが抱える悩み

就学相談を受けたママの中には、例えば、
・就学相談で、望んでいた進学先と違う判定がでた
・お母さんの思いと、お父さんや周りの人の意見が異なり、お母さんが板挟みになってしまう
などの悩みを抱える方がいらっしゃいます。
実はこのご相談、幼稚園でカウンセラーをしていたときも、就学相談が実施される時期になると急増するお悩みでした。
ご相談にいらっしゃるお母さんは本当にお一人で悩んで、苦しんでおられる方が多くいらっしゃいました。
そして、一人で悩んでいるうちにある一つのループにはまっていかれる方が本当に多かった。
できれば私は、このループにはまる前に会いに来て欲しかった、といつも思っていました。

「ななほし広場」には、同じように悩み、それを乗り越えてきたママがたくさんいます!▼

支援級を勧められても普通級と言われても…陥ってしまう辛いループ

就学相談でお子さんの進学の選択を迫られたお母さんが陥る、辛いループ。
それは、小学校入学がまるで一生を決める大きな試練のように思えてきて、徐々に追い詰められていく、というループです。
普通級を希望していたのに、支援級を勧められた方は絶望して、なんとか普通級に入れる方法を考えます。
支援級を希望していたのに、支援学校を言い渡された方はまるで「普通のコース」からはじき出されたかのような強い孤独感と不安をお感じになります。
逆に、通級の支援を受けたいと思っていたのに、何も支援をしてもらえない、という結果を伝えられたグレーゾーンのお子さんのご家庭では、なんの助けもなく、我が子が小学校でやっていけるのだろうかと不安になる方もいます。
そうして不安を抱えながら、それを親身に聞いて、相談に乗ってくれる相手もいないまま、一人で抱え続けた結果、
小学校入学がうまくいかないと、まるで一生がダメになってしまう、そんな恐怖感のループにはまっていかれるのです。
ここまで陥ってしまってから、大抵はカウンセラーである私のところへいらっしゃいます。
そうなると、もう、いくらカウンセリングでお母さんのお気持ちをほぐそうとしても、いくら進学先よりももっと本質的で大切なことがあることを伝えても、お母さんの心にはなかなか届きません。

小学校で人生が決まるわけではない!お子さんを伸ばすために今できることとは

お子さんのために一生懸命になればなるほど、陥ってしまう辛いループ。けれど、一度冷静になって考えてみてほしいのです。
たとえ、望み通りの診断や判定の結果を得られても、入学した先で、どんな人が、どんな風にお子さんに関わるかは、お母さんではどうすることもできないですよね?
先生だっていろんな人がいます。期待して入学したら、思っていたのと違う!ということだって、起こりうるのです。
まず、お母さんに気づいてほしいこと。それは、お子さんの人生は、小学校が決めるのではありません!ということです。

お子さんを今まで6年間育てて来たのは誰ですか?
お子さんのことを一番知っているのは誰ですか?
お子さんのことを一生応援して、愛し続けることができるのは誰ですか?
診断があろうと、進学先がどうなろうと、お母さん以上に本人の応援団になれる方はいないと私は思っています。
だからこそ、小学校の進学先にエネルギーを注ぐことよりも、お家の中で、今、彼、彼女の成長を促す関わり=良質な親子のコミュニケーションお母さんにしてほしいのです。
学校に入ってからのことももちろんとても大切です。
だからこそ今、お子さんがどのような診断・判定を受けて、どの進学先になっても、発達障害・グレーゾーンの子も、その子らしく成長していける基礎の力を、親子のコミュニケーションでつけてほしいと願っています。

執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)

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