不安が強くて学校に行けない。そんなとき対応に迷うことはありませんか?親子のコミュニケーションで子どもを癒し、成長のチャンスに変えましょう!実際にわが家で効果があった、子どもが不安を乗り越えるためのサポート方法をお伝えします。 |
学校に行けない子どもに「大丈夫」はNGワード!?
子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、お母さんは心配になりますよね。
そんなとき、どう対応していますか?
わが家の息子は自閉症スペクトラム(ASD)で不安が強いタイプです。
まわりからの刺激に敏感になりやすく、ネガティブな記憶から学校に行けない日が何日も続くことがありました。
「心配しなくても大丈夫!」
良かれと思ってこんな声かけをしていましたが、子どもの気持ちは少しも前向きになりませんでした。
それどころか、「ママはわかってくれない!」と息子の怒りや悲しみを生み出す逆効果の言葉になっていたのです。
なぜ不安で行動できないの?
発達でこぼこの子どもたちの中でも、特に不安を合併しているASDタイプはネガティブな記憶をため込み、その記憶に行動が左右されやすい特徴があります。
息子は「学校=嫌な感情が沸き起こるところ」という記憶から行動を起こしにくくなっていました。
この不安の正体は、脳の扁桃体の働きが関わっています。
扁桃体は怒り・不安・恐怖などを司る脳のエリアです。
人間も含めて動物が危険を察知し身を守るための器官で、脳や体に「逃げるか・闘うか」の指令を出す働きをしています。
学校に不安を感じていた息子にとって、学校へ行くことはまさに緊急事態!
今思えば、言葉でいくら「大丈夫だよ」と言っても届くはずはありませんでした。
そのような不安や緊張が高い状態では、目や耳から入った情報を処理したり感情をコントロールすることが難しくなり、学校でさらにネガティブ記憶をつくる可能性があります。
そこで、まずは学校に行かせることよりも子どもの脳のコンディションを整えることに集中しました。
実際に効果があった方法をお伝えします。
不安を乗り越えるチカラを引き出す3つのポイント
気持ちを受けとめて共感する
子どもが「学校へ行きたくない。」と言ったら、「行きたくないんだね。」と否定せずにそのまま受けとめました。
「わかってもらえた」という満足感・安心感は感情の高ぶりを鎮め、子ども自身が自分を見つめて不安な理由を話しやすくなります。
この対応は子どもの不安を落ち着かせると同時に、学校との連携に使える情報を引き出すことにつながりました。
不安への対処法を伝える
共感しながら話を聞いたところ、息子は過去にあった友だちとのトラブルの記憶が不安の引き金になっていることがわかりました。
・苦手な友達が近くに来て怖くなったら先生のそばに行く
・先生がいなかったら廊下や下駄箱に避難する
このような対処法を一緒に考え、どう行動すればよいのか見通しを持てるようにしました。
ASDタイプの子どもは、見通しが持てないことは不安につながりやすい傾向があります。
「どんな場面で」「何をする」など、具体的に決めておくとイメージしやすく安心感につながります。
そして最終的に登校するかどうかは自分で決めさせ、親子の信頼関係という安心の土台を崩さないようにしました。
「嬉しい・楽しい」活動をする
学校を休んだ日は「家で勉強させたい」という親の想いは封印!
学校に関することから距離をとり、ネガティブな記憶や感情から切り離すようにしました。
脳は使ったルートが強化されていきます。
不安な気持ちを繰り返さないようポジティブに感じることを第一に過ごすと優先順位を決めて、嬉しい・楽しいを感じやすい環境をつくるようにしました。
感情は一緒にいる人に伝染力があります。
自分自身も子どもと一緒に過ごす時間を楽しむように心がけました。
また、情報のインプットばかりではストレスがたまりやすいため、運動あそびや楽しい会話などの発散できる活動を取り入れることがオススメです。
このような3つのステップを踏んで脳のコンディションを整えていった結果、息子は不安を乗り越え楽しみを見つけて学校に通うようになりました。
発達でこぼこの子どもたちは、ときには戦略的に学校を休むことも必要だと感じています。
ぜひ家にいる時間は親子のコミュニケーションで子どもを癒し、不安を乗り越えるチャンスにしてみてくださいね!
執筆者:さくらい京子
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