ADHDの子どもとの温泉旅行。ゆっくり子どもと温泉に入りたいのに、走る、飛び込む、泳ぐ…などとやらかして、周囲のお客さんからは冷たーい視線を浴びせられたこと、ありませんか?たった1つの声掛け対応を意識して、楽しい温泉旅行を実現させましょう! |
走り回るADHDの子どもと温泉旅行に行くと怒鳴ってばかり!ゆっくり温泉になんて入れない…
走り回る注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもと温泉旅行に行く家族企画。
楽しみの一つが温泉に入ることだけれど、温泉にはルールが多いため子どもへの対応に困っているお母さんも多いのではないでしょうか?
私もADHDの息子と温泉に入るのは一苦労でした。
温泉に行ったらテンションが上がり、
・いきなりダッシュしてお風呂にダイブ
・大きな声を出す(温泉なので響く)
・あっちこっちのお風呂に次々と入る
・泳き始める など
もう、落ち着いてゆっくり温泉に入ることなんてできませんでした。
「走っちゃだめよ」「静かにしなさい」「ウロウロしないで」「泳がない~」周りのお客さんからの冷た~い視線を感じ、子どもを叱ってばかりいました。
何度もダメと叱っても言うことを聞くどころか、さらにエスカレートする息子に「もう出るよ」と言ってさっさと切り上げるしかなかなかったんです。
結局、走り回る子どもとはゆっくり温泉に入ることなんてできないんだーと諦めていました。
どうしてADHDの子どもは温泉でテンションが上がり走り回るの?
ADHDの子どもが温泉に入るといつもよりテンションが上がってしまいますよね。
ADHDの子どもの行動の特徴として
・周囲の状況に合わせて行動することが苦手
・気になることがあると衝動的に行動する
などがあります。
ですから、温泉だからと言って「周りに迷惑をかけずに静かに入らなくてはいけない」「走ってはいけない」「泳いではいけない」などの状況に合わせることが苦手なんです。
そして、色々な種類の温泉があると、全てに入ってみたくて衝動的に次々とあっちのお風呂こっちのお風呂に入ってしまうんです。
さらに、お子さんとしては「いつもよりお母さんは怒っているな~、僕に構ってくれているな~」と感じています。
子どもを叱ることはお子さんからするとお母さんから注目をしてもらっていることなので子どもは喜んでいます。
嬉しいことなので、お母さんの言っている内容なんて全く耳に入っておらず、さらに注目してもらうために問題行動を続けてしまうのです。
楽しくゆったり温泉に入れるためのたった1つの声掛け対応
諦めるのはまだ早いですよ。お母さんがちょっと声掛けを変えるだけで落ち着いて温泉に入り、楽しい温泉旅行にすることができます。
たった1つの声掛け対応とは「やっていい行動」をことばで伝えることです。
お母さんはついつい否定形で「〇〇しない」とやってはいけないことば=「走る」「飛び込む」「泳ぐ」口に出していますよね。
やってはいけないことばが子どもの耳に入って来るので、その行動をやめるどころか続けてしまうのです。
ですので、何をすればいいのか=「〇〇してね」とやっていい行動をことばでを伝えてあげましょう。
肯定的な言い方で今どんな行動をすればいいのかを伝え、子どもの耳にストレートに入れば、言われたほうは行動しやすいんです。
たとえば、
「走らない」
↓
「ゆっくり歩こうね」
「飛び込まない」
↓
「ゆっくり入ろうね」
「泳がない」
↓
「座って浸かっていようね」
このようにやっていい行動=「歩く」「ゆっくり入る」「座る」のことばを使うことで、何をすればいいかが耳に入ってくるので、具体的にやるべき行動がわかります。
やっていい行動ができればすぐに「歩いてるね」「座っているね」「できたね」と褒めます。
褒められることで自分の行動は正しいんだと思い、やっていい行動を繰り返すようになります。
私はさらに「忍者みたいに静かに」をやっていいことばの前にプラスして使うと効果的でした。
できたら「忍者みたいでかっこいいね~」と繰り返し伝えると、温泉でも静かに行動ができるようになりました。
温泉に入る前はまた走り回るだろうな~と予想がつくと思います。
旅行に行く前にやっていい行動がすぐに言えるように「〇〇してね」と事前に口に出して練習しておくことをお勧めします。
子どもは褒められると自信がつき、自分からやっていい行動を取ることができるようになります。
ぜひ、お母さんが子どもへの声掛けを変えて楽しい温泉旅行にしてくださいね。
執筆者:石井 花保里
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