意志が弱い、打たれ弱い、メンタル弱いと思われがちな発達でこぼこっ子はこうやって育てたい!~意志が強い脳を育てる声掛けとおでかけ活用術

意志が弱いわが子、将来大丈夫なのかな…と漠然とした不安に駆られること、ありませんか?実は、発達特性などにより、意気地がなさそうで打たれ弱く見えることがあります。今回は「おでかけ」を通じて意志の強い脳を育てる方法とオススメのおでかけ事例をご紹介します!

うちの子、なぜこんなに意志が弱いの?

口では色々言うけれど実際やるとなるとおじけづいたり、ちょっと嫌なことがあるともうやらない!となったり、自分で決めたことを頑張り抜けず周りに流される子どもに困っていませんか?

意志が弱いんだから!意気地がないんだから!なんて思うことがあるかもしれません。

色々と要因になりそうなことは考えられますが、今回は脳の特性の観点から考えてみましょう。

感覚の特性

視覚・聴覚・嗅覚 ・味覚・触覚の五感の刺激に対する感覚を、脳がうまく処理できないという特性です。

この感覚が敏感過ぎてしまうと、行動に制限が出ることがあります。

例えば、

泥だんごの作り方は知っているし説明もできるのに、実際にはやりたがらない…
動物が好きで詳しいのに、動物園へは行きたがらない…など、

泥の触り心地が本当に苦手!や、動物園のにおいや人混みで体調が悪くなってしまう!という感覚過敏の一面が隠れているかもしれません。

何も知らなければ、「口ばっかり達者なのに、やらないんだね!」と意気地がないから行動にうつせないように見えてしまいますよね。

分かっているけれど、できない」ということが、意志弱いのではなく感覚過敏が原因につながっているのかもしれません。

ネガティブな記憶をためやすい特性

これは、脳の扁桃体という器官が関連しています。

扁桃体は、感情を作り出したり、自分や相手の気持ちを感じ取る脳の器官です。

この部分の発達が未熟だと、快よりも不快の感情を感じやすく、不安や恐怖の刺激に敏感になります。

脳は危険から身を守るために、この不快な感情をよく覚えておくようにセットされているので、扁桃体の発達が未熟なほどネガティブな記憶を良く覚えていることがあります。

つまり、前に体験した嫌な記憶を脳が覚えていて、「もうやらない!」と防衛反応のように行動をストップしてしまうことがあるのです。

そのせいで、打たれ弱い子のレッテルを貼られてしまうこともあります。

扁桃体は感情の脳と呼ばれ、実はスキンシップで育ちます!スキンシップの詳しいやり方はこちら▼

感情の脳が未熟でかんしゃくが激しい子に困っていたら、こちらが参考になりますよ!▼

「思考」の脳エリアがまだ育っていない

自分で決めたことなのに、周りに流されてしまい、できない…ということは、脳の「考える力=思考」のエリアと関りがあります。

ここが未熟だと、意志が弱いと感じることがあるかもしれません。

自分で考えて行動する、意志決定に関わる「思考」の脳の発達は、だいたい中学生くらいから発達の旬を迎え、大人になってからも伸びる部分です。

ですので、幼児期はまだ発達段階なので、意志が弱く指示待ちの傾向が見られます。

意志の強い脳になって欲しい!幼児期の今からできることは?

幼児期は思考の脳エリアの発達がまだ育っていないので、意志が弱い(そう見える)子の現状に焦る必要はありません。

ですが、幼児期の今からでも「思考」の脳エリアが伸びる素地を作っておくことはできるんです!

それは…

「苦しいときのあと1回」の習慣です。

限界から「あと1回!」と力を振り絞るとき、脳には、それまでよりもさらに大きな負荷がかかります。だからキツいし苦しいのですが、脳の枝ぶりが大きく伸びるのはまさにその瞬間です。

ー『脳が喜ぶ子育て』加藤俊徳ら著 より引用ー

脳は、普段、省エネモードで活動しているので実はまだまだ余力があるらしいのです。そこで、ときどきキャパを超えるようなことをやると、その瞬間に脳の中で”発達が進むボタン”を押せるとのことです。

この理論を学んでから、わが家では、この「苦しいときのあと一回」が実践できそうなおでかけをしてみようと挑戦してきました。

そこで気づいたことが、「苦しいときのあと一回」のあとの「達成感」の重要さです。

苦しかったあとの「達成感」を味わうことにより、それが自信につながり、物事を頑張り抜く力が少しずつついていきます。

次項では、わが家で試した「達成感」を感じられるおでかけをご紹介しますね。

打たれ弱くメンタルも弱い子に授けたい、立ち直る力(レジリエンス)。幼児期は、「新しい○○」を意識して、この力の土台を築きませんか?▼

楽しみながら脳を育てる!「達成感」が味わえるオススメおでかけ例

誰かと競争するわけでもなく、自分の力で達成感を得る体験をしたいときに。わが家で試してみたおでかけ例をご紹介します!

感覚過敏があったり、過去のネガティブな記憶に悩まされている子に、苦手なことや本人が嫌がることを「頑張らせる!」は禁物(経験済み、後悔済みのわが家です汗)ですので、子どもに合わせてアレンジしながら挑戦してみてくださいね。

ハイキング

自然の中のハイキングは気候が良いと気持ちがいいですよね。

わが家では地図を持参しました。

歩いた道のりを地図で確認すると視覚的にわかりやすく、達成感を感じることができます。

タワーに登る

東京におでかけなら、東京タワーがオススメです。実は、外階段で展望台までのぼれるんです。

挑戦した証として、⾮売品の「昇り階段認定証」がもらえます。頑張った証が目に見える形になっていると、自分でやりきった実感と達成感がわきやすいと思います!

うちの息子(当時6歳)は体力はあまりない方ですが、途中で休憩をしつつ20分くらいかけて階段を上がりました。

カヌー/カヤック/ボート

少し難易度は上がりますが、パドルを自分で持って漕ぐカヌーやカヤックは、自分の力で進むという体験ができます。

わが家は公園池の手漕ぎボートからスタートし、小学生になってからカヌーやカヤックに挑戦しました。

水の抵抗を感じながらも前に進む、ちょっと難しいからこそ達成感を感じやすいです。

山登り

こちらも難易度は上がりますが、あと一歩の踏ん張りがしやすく、登ったあとの達成感は大きいです。

うちは超初心者だったので、ファミリー向けの登山コースで途中までケーブルカーで行きましたが、

てっぺんから見る自分の足で歩いた道や景色を見ることで、大きな達成感を感じられましたよ。

初めての場所や経験が苦手な子に、こんなひと工夫をして不安を楽しく乗り越えませんか?▼

どの遊びでも、「あと1歩、あと1回、あと1段、あと1踏ん張り」と声を掛け、「頑張ったね!」一緒に達成感に浸り、喜んでみてくださいね!

発達でこぼこっ子の子育ては子育て上級コースです。

登山に例えると上級コースはめちゃくちゃ大変な道ですよね…ですが、頂上に登ったとき大きな大きな達成感をきっと得られるはずです。

そう信じて…前を向いてでこぼこ道を「あと一歩!」と、一緒に登っていきましょう(^^)

執筆者:ひきのなつき

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