様々な理由で「学校に行きたくない」と登校しぶりをすることがあると思います。その理由が授業や給食でもなく初めての「席替え」ということも。わが家の経験から、先の予測が立たない事柄に不安を強く感じるタイプの子を安心させる具体的な対応をお話します。 |
盲点!小1登校しぶりの原因は席替え!?
入学して間もなく、お子さんが「学校に行きたくない」とメソメソしてしまうことはありますよね。
新1年生は未知の経験がたくさんなので不安が大きいのも当然です。
初めての登下校、初めての授業、初めての給食…
わが家でも、息子がつまづきそうなところは全ておさえていた!と思っていたのですが、盲点があったのです。
そう、「席替え」です。
まさか、席替えが理由で学校に行きしぶるとは…
かなりマイナーな行きしぶりの理由ですが、息子本人にとってはメジャー級のお悩みだったのです。
席替えが不安…と感じる理由は、脳にある
大人にとっては些細なことも、子どもにとっては大問題なことがあるのは、”経験の差”もありますが、脳の仕組みの観点から考えると納得できる理由があります。
脳は「いつもと同じ」が好き
脳は変わらないことが好きです。逆にいうと、変化を嫌います。
なぜなら、新しいことをするときや変化をするときには脳に負担がかかるからです。
初めて何かをするとき脳が「嫌だな~億劫だな~」と感じるのは当たり前のことなんです。
すでに脳に負担がかかっている新生活。「はじめての席替え」は、幼児期の子どもの脳にとってストレスになってしまうものでもあります。
「いつもと同じ」にこだわる脳タイプもある
そもそも脳は「いつもと同じ」が好きですが、見通しが立たないことや予測不能なことに強い不安を感じて、「いつもと同じ」に執着することもあります。
この「いつもと同じが良い」と思う傾向が強いのが、自閉症スペクトラム(ASD)の発達特性を持つタイプの子です。
新しいことや初めてのことへのハードルがとても高く感じてしまうので、ものごとを始めるとき、全て理解して納得しないと行動に移れないところがある場合もあります。
ASDの脳タイプを持つ子どもにとって、席替えは予測がつかないことであり、変わることでもあるので、周りが思うよりもとても怖くて不快なものなのです。
「はじめて」が苦手な子どもには、初めての不安を和らげるひと工夫を!▼
うちはこうやって乗り越えた!席替えへの不安の攻略法
そんな先の予測が立たない事柄に不安を強く感じるASDタイプの息子に私がしたことは1つ。
それは、見通しがつく会話をしたことです。
具体的には次の3つのポイントがあります。
1.席替えが何か分かる会話
2.席替えが楽しみになる会話
3.席替えの予想外に備える会話
席替えが何か分かる会話
「席替え」とひと言で言っても、実際どんなことをするのか想像できない子もいます。
うちでは、先生やクラスのメンバーは変わらないけれど、今までの自分の席や周りの子の席が入れ替わるんだよ、と説明しました。
机といすは今までのを使うの?いつするの?どうやって決めるの?など、もしお子さんから質問や疑問があったらできるだけ詳しく答えてあげてください。
めんどくさく感じますが、不安な気持ちに丁寧に向き合うことで安心して行動できる子もいます。
席替えが楽しみになる会話
席替えがどんなものか分かったところで、「次はどの席になるかな?」と楽しい気持ちになる会話を心がけます。
うちの場合は、「今の席だとできないことはない?」と聞くと「端っこの席だから手を挙げても先生にあててもらえない」と言うので「じゃぁ席がかわったら、あててもらえるチャンスはあるかもね!」と話していました。
これで息子は席替えに対して前向きになっていました。
席替えの想定外に備える会話
自分がなりたい席になれない場合もあることを伝えておいた方が良い場合もあります。
思ったとおりの席じゃないこともあるけれど、また席替えができるから大丈夫と、他の可能性や逃げ道を事前に伝えることで、想定外=嫌な記憶になることを防げます。
想定する力をサポートしてあげたい!こちらの記事を参考にお子さんに関わってみてくださいね▼
実は、息子の初めての席替えは、本人が希望していた結果にはならなかったのです。ですが、また次も席替えがあるということを理解すると、気持ちを切り替えられました。
事前に想定外に備えることで、そのあとの気持ちや行動の切り替えもスムーズにいくことがありますよ。
子ども本人が理解できるように見通しをつけてあげる会話を工夫して、安心して学校生活が送れるようにサポートできるといいですよね。
子どもの学校生活は親にとっても予想外の連続のことだってあります。息抜きしながらボチボチやっていきましょうね(^^)
登校しぶりが不登校につながるんじゃないか…?と心配なあなたへ。こちらの記事を読んでみてくださいね▼
執筆者:ひきのなつき
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