こんにちは!ななほし広場編集部です。
2022年7月、【発達でこぼこキッズとおでかけについての座談会】を開催しました。
その様子をご紹介しますね!
【発達でこぼこキッズとおでかけ】に関する座談会を開催しました
もうすぐ夏休み!子どもとおでかけや旅行を楽しみたい!と思っても、
いつ癇癪が起きるか分からないし
衝動性が強くて迷子になっちゃいそう
こだわりに振り回されそうで
不安が強くて初めての場所も楽しめないかも…
と発達に特性(発達でこぼこ)がある子を外に連れ出すのに勇気やエネルギーがいりますよね。
そこで今回は、子連れおでかけの悩みや困りごとを工夫して乗り越えた経験をお持ちのママたちにお話をうかがいました!
なんと、実際におでかけを楽しみながら、それが発達でこぼこっ子の発達支援になっていると感じているママも!
もし今、子連れ外出が億劫…出かけたいけれどできない…そんなジレンマを抱えていたら、
その悩みを持っているのは「一人じゃない」と知って孤独な気持ちを安心に変えるとともに、苦しい局面を乗り切ったママたちの経験を参考にしてチャレンジしてみてくださいね^^
座談会に参加した、ななほし広場のメンバー紹介
ななほし広場編集部(以下、編集部):まずは、ご参加くださったメンバーを紹介します!
(Tさん)
・小4女の子のお子さんのママ
・お子さんは、小さい頃は衝動性が強めだったが、現在はこだわりが強い感じ
・小学校入学を機に先生より集団生活の中で指示が通りにくいなど指摘を受け、「発達障害」という言葉を調べるようになった
「おでかけは大好きだったけれど、娘が出先でトラブルを起こすので謝ってばかりでヘトヘトになることもあり、公園に行くのでさえも気が重い時代もありました。今は、娘自身も成長し、私は娘の特性を理解できうまく対応できるようになったので、おでかけを楽しめています!お話できるのを楽しみにしています!」
(Yさん)
・中1女の子のお子さんのママ
・お子さんは、小さいときからこだわりと不安感が強い
・心配なことはあったが、ネットで対応法を見つけながらなんとなくしのいできた
・小6の終わり頃から学校に行きしぶりがちになり、ネットで見つけたななほし広場の記事や石澤さんのメルマガを見ながら対処していた
「今日は娘が小さい頃を思い出しながら、おでかけのときのお話ができたらいいなと思います!
学び始めてまだ日は浅いですが、皆さんのお話を参考にしながらお話をできるのを楽しみにしていました!」
編集部より
今回は、2名のママが参加してくださいました!
編集部からもおでかけ好きが参加し、和気あいあいとした雰囲気でお話しましたよ^^
発達でこぼこっ子とのおでかけ、悩んだことや大変だったことは?
編集部:子どもとのおでかけで、悩んだこと、大変だったこと、うまくいかなかったという経験があれば教えてください!
衝動性の高さで困っていました
ーー(Tさん)ーー
娘が保育園の頃の話です。ホテルやレストランなどのバイキングでは、
お皿を並べ替える、好物だけを山盛りにする、トングを使わずに手でつかむ、そもそも、バイキングエリアに行かせられない!でも席でも待っていられない!
やってほしくないことしかしないので、それはもう、必死でした。
また、動物園や水族館などで興味があるところだと、列があるのを気づかないで突っ込んでいくことがありました。
私が事前に教えると分かるのですが、そもそも列に気が付いていないので、周りに嫌な顔をされたり、注意されたりということがありました。娘に悪気はないのですが、それを防止するために私が先回りをして制止して…という感じでずっと気を張っていました。
ーー(編集部ママR)ーー
当時3歳の娘が迷子になって冷や汗をかきました。
多動・衝動性が高く、約束事をしても守れない時期でしたし、子どもが多いところで急にいなくなったのでなかなか見つけられずものすごく怖い思いをしました。
その後、楽しそうに一人で遊んでいる姿をみつけたので事なきを得ましたが、迷子の心配が常に付きまとっていて、人の多いところにはなかなか出かける気になれません。
不安が強くなり、公共交通機関での移動ができない
ーー(Yさん)ーー
一番大変だったのは、娘が小3のとき電車に乗れなくなったことです。本人いわく、「電車に乗っているときにトイレに行きたくなったら困るから」と。
元々きれい好きなところもあり、外出先でも好きなトイレと嫌いなトイレがありました。
それが直接の原因かどうか分からないのですが、原因や対処法がわかりませんでした。
切り替えが難しく、対応が大変
ーー(Tさん)ーー
大きな公園などに遊びに行っても、トイレ、休憩、お昼、帰る、などいちいちの場面切り替えが大変で、帰りには親がヘトヘトになっているので、そもそも出かける気力が出ませんでした。
こだわりや公共の場での癇癪で冷や汗
ーー(編集部ママH)ーー
こだわりに付き合ったり、公共での癇癪への対応が大変でした。自分の思い通りにならないとすごい勢いで泣くので、周囲の目が怖い時期もありました。
そもそも出かけられない
ーー(編集部ママS)ーー
ベビーカーなどに座れないので、2~3歳くらいまでおでかけできませんでした。お出かけ先もマイナーなところに行っていました。
ーー(編集部ママH)ーー
外に行くのも刺激になり癇癪や夜泣きにつながるので、おでかけするのも消極的になっていました。
編集部より
発達の過程や特性によって、子どもに悪気はなくてもトラブルを起こしてしまったり、不安が強くて行動に制限が出たりなど、おでかけがスムーズにいかないことがありますよね。リアルな体験をお話してくださり、ありがとうございます!
発達でこぼこっ子とのおでかけの悩みを解消!楽しむ工夫は?
編集部:では次に、悩んでいたことを乗り越えた経験とお子さんとのおでかけを楽しむ工夫を教えてくれませんか^^
「迷子」にしないための予防的準備
ーー(Tさん)ーー
娘は不安も強いので衝動しつつも私の動向を見ているので、実際迷子になったことはないのですが、どうしても衝動性の高さから、迷子になってしまう心配はありました。
そこで家族ででかけるときに工夫していたことは、主人と「どっちかが見ているだろう」と思って絶対にお互いに見ていると思い込むことはやめようね。と言っていました。
「私、今、子ども見てます」「トイレ行ってくるから見ててね」とお互い声を掛けるようにしていました。
また、服のつなぎ目に私の名前と電話番号を書いた札をつけていましたよ。
ーー(Yさん)ーー
実は娘が小2か小3の頃、迷子になったことが1回だけあるんです。場所は大型ショッピングモールでした。
まさにTさんがおっしゃっていたように夫がみているから大丈夫と思っていたけれど、夫と再会したとき、あれ?いない!となって…そっちが見てたんじゃないの?とお互いなりました。
そのとき娘を探すのがすごく大変でした。なぜかというと、うちの子は泣かないんです。困った、って言わない。
インフォメーションセンターで呼び出してもらったり、お店の人に聞いたりしたけど30分くらい見つからず、結局私たちが偶然娘がとぼとぼ歩いていたところを発見したんです。
娘は普通に歩いているので、周りから見ても迷子って気づかないだろうな、と思いました。
自分で迷子になったのも自覚していたけれど、店員さんに言うのも怖いし、どうしていいのか分からなかったみたいでした。
それからキッズ携帯をなるべく持たせるようにしていました。本人もこわかったみたいで、それからは迷子はないです。
ーー(編集部ママR)ーー
迷子を防ぐために、長女が小さい頃は意識して自分とお揃いの服を着させていました。もしくは、出かける前に写真を撮っておくようにしていました。
実際深刻な迷子になったことはないですが、いざというときは自分がパニックになってしまい、着ている服や特徴を思い出したり説明したりできる自信がなかったためです。
また、娘にリュックを持たせる際、その中には必ず連絡先(アレルギーも持っているためその情報も)などを書くようにしていました。
不安を安心に変える”もしも”グッズ
ーー(Tさん)ーー
娘のヒマ対策・切り替え対策・ご褒美などのグッズをリュックの中に詰め込んでいました。
ママリュックのドラ〇もんのポケット化です!
リュックの中には、旬のキャラクターグッズと絵本、目新しいちっちゃい持ち運べるおもちゃ、口にパッと入れられる飴やお菓子、小さいジュース、夏場はゼリーを凍らして、あるとあらゆる気を引いたりできるものを詰め込んでいました。もしものときに備えて着替えも一式。泊りがけ?と言われるくらいの荷物でした(笑)!
今は、こだわりに応じるグッズを持ち歩いています。不安で行動できなくなるより、安心して外では気持ちよく遊んでのびのびできるように、備えています。
実は、私にとっても”もしも”グッズがお守りになっていて。娘の切り替えがうまくいかないときでもこれを持っているから大丈夫!と、おでかけに対して前向きになれます。
スモールステップ作戦で「できない」を「できた!」に
ーー(Yさん)ーー
長期休みになるとお友達とおでかけが頻繁にあったのですが、小3のときの電車に乗れなくなってしまったときはお友達との約束を断念しないとだったんです。
ですが、そのお友達が協力してくれて、ひと駅乗ってみて、友達に会って、3駅先の公園に行って遊んでみようか、などステップを踏んでやってみたら再び電車に乗れるようになったんです!
そのときは「このまま一生電車に乗れないんじゃないか」と、ちょっとおおげさに思いましたが、中1になった今はお友達と電車に乗って遊びに行っていますよ。
長距離の移動中も飽きさせない工夫
ーー(Tさん)ーー
娘が小さいときの車移動の際は、サービスエリア間をどうやり過ごすか?という感じで娘が飽きないように色々準備をしていました。
すごろく、小さい指人形、100均のマグネットのお絵描きできるやつ、お菓子などを仕込んでいました。
今はそのようなグッズがなくても、しりとり遊びやクイズ遊びなど(ワーキングメモリが鍛えられると期待して^^)楽しんで車中を過ごしています。
また、「次のサービスエリアでは〇〇しようね。○○食べようね」のように見通しがつくような声掛けもしていますよ。
ーー(Kさん)ーー
娘は移動中にすぐ退屈になってしまい、出発して5分後に「まだ?」と言うほどでした。
そこで、娘は音楽が好きだったので、車移動のときは好きなCDをかけて家族みんなでひたすら歌うってことをしていました。
お菓子も試してみたのですがあまり好きではなく、お菓子作戦が効きませんでした。本はそんなに読みたがらないし、おもちゃもわりとすぐに飽きちゃうので、音楽で熱唱するのが一番効きましたね。
サービスエリアをこまめに利用し休憩しつつ、車では熱唱!という感じで乗り切っていました。
ーー(編集部ママS)ーー
音楽いいですよね!
電車に乗るときに動画ばかり見せるのもどうかなと思い、せっかく電車乗ってるから風景も楽しみたい。そこで、子どもにイヤホンをつけて、好きな音楽を聴かせていました。
外部からの刺激も和らぐし、座ってられるし、歌に合わせて気分が乗ってくる感じで。電車の中で歌えませんけどね(笑)!
こだわりや癇癪への対応
こだわりとうまく付き合い、おでかけがスムーズにいく工夫はこちらの記事を参考に!▼
癇癪が起きない脳に整えるコミュニケーションのコツはこちら▼
他にも発達でこぼこっ子とのおでかけを楽しむ工夫がたくさん載っている記事はこちら▼
編集部より
みなさん、準備や工夫をすることでおでかけがスムーズにいったり、楽しくなったりという経験をありがとうございます。おでかけ時のアイディアや新たな気づきがたくさんでしたね。わが家も参考にしておでかけを楽しみたいです^^
発達を学んで、子連れおでかけに活かされていること
編集部:ママが学んだことで、子連れおでかけに活かされていることってありますか?
おでかけが発達支援になっている!
ーー(Tさん)ーー
「おでかけを発達支援に」という視点があったと気づきがありました。
発達の階段をどこか踏み外し抜けているところは、後から取り戻せるという考えも教えてもらったことで、小さい頃に発達させられなかった部分を今、「おでかけ」を活用して補っている感覚があります。
わが家の場合は”運動”の発達が十分じゃなかったと感じるので、衝動性が落ち着いてきた頃、そこを発達させるために外の活動を積極的にしていました。
最近は娘本人がおでかけを通じて自ら成長しているように思います。
初めての場所や人が苦手なタイプですが、親子でおでかけを楽しむことで、初めてのことにも積極的に挑戦するようになりました。この夏は、発表会や宿泊合宿に参加する事を自分で決めました!
他の子に比べて上手じゃなくても、挑戦して体験できたことがスゴイこと。それが成功体験!また、そこから興味を持って違うことにも挑戦して。行動するから脳が伸びる、脳が伸びてまた新たなことにもチャレンジして…この好循環が彼女の成長につながっていると思います!
おでかけを発達支援にという視点、こちらの記事もチェックしてみてくださいね^^▼
あの時の対応は間違ってなかった!…と答え合わせができる
ーー(Yさん)ーー
最近学び始めたので「あのときのあの場面にああすればよかったんだな。」って昔のことを思い出して、今さらですが分かることがありました。
電車に乗れなくなったときに、1駅~3駅ごとにちょっとずつ伸ばしていったのは、スモールステップで細かく分解して行動につなげていくという考え方に沿っていて、あのときの対応は間違ってなかったんだなって。
間違ってたこともあったけど、うまくいったことを学んで答え合せをしている感じ。あの対応は合ってたな~と。勉強してよかったな、と思いました!
編集部より
お二人とも、感動的なお話をありがとうございました!ぜひまたお話を聞かせてください!
仲間と会話できる環境はここにあります!
発達でこぼこっ子とのおでかけ、苦労や大変なことが多いですよね。
そんなときに同じような悩みや困りごとを抱えているママたちと会話でき、それだけでなく「こうしたらうまくいった!」という経験をお互いにシェアすることで、新たな気づきや参考になることが手に入る。
そんな環境はココ、ななほし広場にあります!
こんな困りごとうちだけなのかしら…とうまくいかない子育てに孤独を感じてしまったら、ぜひ今日ここに登場したママたちの体験談を思い出して、「一人じゃないんだ…!」と感じていただけたらうれしいです^^
こちらの記事もあわせてお読みください^^▼
編集者:ななほし広場編集部
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