今までも問題なく通っていた習い事なのに突然行きたがらなくなった子どもに困っていませんか?行きたがらない理由は、環境変化の苦手さや独特な感じ方が関係しているかもしれません。子どもの苦手さを理解しながら、習い事に行けるように後押ししていく方法をお伝えします。 |
突然の「行きたくない!」理由がわからず途方にくれた私
今まで問題なく通っていたのに…。突然習い事に行きたがらなくなって驚き、理由もわからずどう対応していいかわからない…というママはいらっしゃいませんか?
私の娘は、年中の頃から幼稚園の課外教室のダンスに通っています。小学校への進学を機にやめる予定でしたが、本人が「1年生になっても通いたい!」と熱望したため、続けることにしました。
けれど、1年生になって初めてのレッスンに行き、教室に着いたら…同じ場所、同じお友達、同じ先生なのに「行きたくない!こわい!」と突然言い出して、教室に入ることを頑なに嫌がったのです。
娘は不安が強く初めての場所や人が苦手で、何か新しいことを始めるときや環境が変わるときは母子分離ができなくなりますが、
今回は、今まで通っていた場所だし、知っている子だっていっぱいいるし、環境変化が大きな小学校入学でさえ問題なく乗り越えたし、何より本人がやりたいと言っていたことなのに…と、がっかりすると同時に行きたがらない理由が全くわかりませんでした。
教室の前で「いやだ!」「ダンスはもうやめる!」「行きたくない!帰りたい!」と周りの目も気にせず泣き叫ぶ娘に、心底困り果ててしまいましたし、どう対応していいのか…と途方に暮れてしまいました。
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突然習い事に行きたがらなくなった理由
なぜ娘は習い事に突然行きたがらなくなったのか、理由を探ってみると…娘の独特な感じ方が関係していたことがわかってきました。
娘が落ち着いてから「行きたくないのはどうしてかな?」と聞いてみると、「お姉さんたちがこわい」。
幼児クラスのあいだは同学年のお友達だけのレッスンでしたが、小学生クラスに上がると小学1〜3年生が合同でレッスンを受けるようになりました。
自分より年上の、小学2・3年生のお姉さんたちのことを「こわい」と言っていたのです。
お姉さんたちは何もこわいことをしていないし、むしろ「こっちにおいでよ」と優しく誘ってくれるし…、客観的に見ても、全然「こわい」ことなんかありません(むしろとても優しくしてくれていました)。
ですから、どうして「こわい」のだろうか…と、娘の言うことが最初は全く理解できませんでした。
けれど、高所恐怖症の人に「どうして高いところが怖いの?怖くないよ!」とどんなに言ったとしても、こわいものはこわいように、感じ方はみんなそれぞれ違いますよね。
思い返してみると、娘は昔から知らない人が一人でもいるとその場を「こわい」と言うことがあり、知らない人の中でも、歳が少し上の子どもが苦手な傾向があるようでした。
また、傾向としてだいたいの予測はできても、「こわい」の感じ方が独特で境目が周りには理解されにくかったり、
ここではできるけどここではできない…といった、できるときもあるけどできないときもある…というムラがあったりするのも、発達にでこぼこのある子ならではなのかなと思います。
こうして、「自分よりちょっと年上の子どもが苦手」という独特の感じ方を持っている娘にとっては、
自分にとって苦手な子がいるというたった一つの変化への不安が大きく、
今までと同じ場所・同じ先生・仲の良いお友達もいる…という、たくさんの変わらないことへの安心を上回ってしまい、行きたがらなくなったようでした。
このように、周りには考えつかないことが引き金となって行きたがらない場合もあります。理由がわからないときの一つの例として、娘のような「感じ方の独特さ」が原因となることもある、と知っておいていただけると嬉しいです。
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人は変化の中で生きていくから…変化に対応できると、親子ともに楽になる
では、独特の感じ方や環境の変化に苦手さがある子を育てる親としては、環境の変化をできるだけ避けさせればいいのではないか?と思うものですが、少し考えてみてほしいのです。
大きなスパンで考えると、入園、進級、入学、卒業、結婚、出産…
小さなスパンで考えると、習い事がある日・ない日、学校の時間割は毎日変わる、などなど…
そもそも人は、変化の中で生きています。
生きている限り、どうしても変化は起こってくるのです。
あわせて、先ほどの娘の例のように、周りから見ると些細な変化が、でこぼこキッズにとっては大きな壁となることもあります。
毎日・毎時間・毎瞬…が「変化の連続」と考えると、全ての変化を避けようとするのは無理がありますし、
変化が起こる度に対応に迷ったり、叱ってなんとかさせようとしたりすると、親子共々苦しくなります。
ですからもし、お子さんが環境の変化に苦手さがあるのなら、困りごとに対応できるような術を身につけてほしいと思います。
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「大丈夫だよ」は封印!感じ方は変えようとせず、安心できる環境づくりに徹しよう
では、もし行きたがらない理由が独特な感じ方にある場合、どのような対応をすれば良いかというと、
感じ方は変えようとせずに、本人にとって安心できる環境を作っていくことをおすすめします。
娘を例に出して考えてみます。
まず、娘にとって「年上のお姉さんたちのいる場所でダンスすること」は、「高所恐怖症の人に、足場が不安定な高いところで踊れ!と言っていること」と同じことだと理解するようにしました。
私は高所恐怖症なので、そんな危ないところでダンスをする気になんてとてもなれませんし、「こわくないから!大丈夫!」と言われたって絶対にしたくありません。(笑)
ですからまず、「こわくないよ!」という感じ方を変えようとする声かけは封印し、その分「こわいんだね、教えてくれてありがとう」と、感じ方をそのまま受け止めました。
そして、どうしたら「安心できる場所になるか」を娘と話しながら探り、「本人にとって」安心できる環境づくりをしました。
例えば、娘は「あとから教室に入って注目されるのも嫌だけど、教室の後ろのほうで、ママとくっついていればできる」と言っていました。
正直「1年生にもなって親とくっついて参加なんて、周りからどう思われるかな…」とか、「別の場所でやっているほうが、よっぽど注目を集めるんじゃない…?」など、いろいろなことと思いましたが、
一番大切なのは娘が安心と感じられることですから、先生方と相談しながらできる限り娘の希望に沿った環境を作らせていただきました。
すると、1ヶ月ほど、教室の後ろのみんなと離れた場所、なおかつ母子同室でレッスンを受けたところ、娘にとっては安心が積み重なった(お姉さんたちはこわくないとわかったのかもしれません)ようで、その後はみんなと同じようにレッスンを受けられるようになりました。
習い事に突然行きたがらないときは、本人以外にはわかりにくい理由が隠されているかもしれません。
そんなときは、感じ方を否定せず受け止めながら、安心できる環境をできる限り作ってあげてくださいね。
執筆者:永崎りん
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