うつ病とはどんな状態なの?もし自分がうつかも…と思ったときに受診するかどうかをためらったりしませんか?悩むなら迷わず受診してほしい理由や受診の目安などをお伝えします!発達障害児の子育てに悩みうつになった私の体験をもとに、シリーズでお伝えします。 |
そもそも、うつ病とはどんな状態?
シリーズでお伝えしています。あわせて読みたい第1話・第2話はこちら▼▼
うつ病になる前の私は、発達でこぼこ兄弟の子育て、家事、仕事、など多くのことを一人で抱え込み、私がやらなきゃいけない!とがむしゃらに突っ走っていました。
いつしか私の前にきた物事は、全部私が背負っているような状態になりました。
そのときは多くの荷物を持ちすぎてつぶれることに気づかず、ブレーキのない車にアクセルを踏み続けて走っていたのです。
自分のキャパを限界以上に超えて走り続けてしまった結果うつ病になりました。
うつ病になる前の体調の変化
うつ病になる前に必ず前兆がありますそれを「うつ状態」と呼びます。いきなりうつ病になるわけではなく、うつ状態という段階を経てうつ病になります。
下記に体調の変化をあげますので、参考にしてください。
心の不調▼
何をするにもめんどうでおっくうになる
情緒不安定(泣いたり、怒ったりする)
子どもがかわいいと思えない
悪いことや不安なことばかり考える
ちょっとしたきっかけで怒る
1日中憂うつな気分
体の不調▼
疲れやだるさがずっとある
寝つきが悪く、途中で目が覚める、朝方に目が覚める
首や肩こりがひどい
頭が重く、頭痛がひどい
頻繁に腹痛、下痢をする
何を食べてもおいしくない
自分の考えがまとめられない
寝たきりで何もできなくなる
うつ病は心と体の悪い状態が2週間以上続くこと
うつ病は心と体に上記のような症状がでて、2週間以上ほぼ毎日1日中続くことです。
ふだん生活していると落ち込むことがあれば、うつっぽいときがあると思います。
それは一時的なもので数日すると落ち着きます。この場合はうつではありません。
私のように長期間にわたって続くとうつ病になります。入院前の状態は心と体も苦しすぎて、自力で運転できずかわりに運転している主人に向かって病院につくまで暴言をはき続けていました。
診察に当たった医師に対しては、診察室から声が漏れるほど大きな声で「先生苦しい助けて」と叫んでいました。
うつ病かも…と思っても精神科受診をためらってしまう理由
どうして精神科の受診をみなさんためらうのでしょうか。その背景にはさまざまな要因が隠れています。
私がすぐに受診できず長期間そのままだった理由は…
①忙しすぎて余裕がなかった
②自覚がなかった
③会社近所の人などの目が気になった
④自分で子育てできなくなることが怖かった
⑤精神科に行くことが不安で怖かった
子育て、家事、仕事など忙しさ
令和に入り男性が育児や家事に参加することに違和感がなくなってきましたが、まだまだ育児、家事は女性がするという考えも根強くあります。
”ワンオペ育児”という言葉があるくらい、日本のママはすでに働きすぎです。私はもっとママファーストでいいと思います!
家族が異変に気づいても本人に自覚がない
すぐに受診できなかった一番の理由は、私に自覚がなかったことです。自分のことは眼中にありませんでした。
それよりも子ども、家族、仕事を優先していて自分のことはほったらかし状態。
家族が心配して声をかけても「私はそんなことないない、大丈夫」と心のどこかで思っていました。
身近な人たちの目が気になる
「○○さん家、奥さんうつだって」まさに私の近所や会社の人たちが噂をしているんじゃないだろうか?!と当時は思っていました。
今でも根強くうつ病に対する偏見もあるのは確かです。
私も治療当初は、心も体も小さく小さくなって「こんな自分はダメだ。みじめで恥ずかしい」と思っていましたが、元気になってくるとそんな周りの目は気にならなくなりました。
2015年に義務化された「ストレスチェック制度」
事業所で50人以上の労働者がいる場合に年一回義務付けられている制度です。
この制度の意味は、労働者が自分のストレスを把握し自覚して、メンタルの不調を未然に防ぐために実施されているものです。
精神疾患は自覚しにくい病気です。会社にお勤めされている方はこちらの「ストレスチェック制度」をご自身のために活用してくださいね。
悩むなら迷わず受診をしてほしい理由
どんな病気でも長期間悪くなったままにしておくとさらに、悪くなり治りにくくなりますよね。
精神疾患も同じです。長期間放置すればするほど、状態が悪くなっていきます。
目安は1年以上そのままだと症状が固定されてしまい治療しても非常に治りにくい状態になります。
なぜなら、体にはホメオスタシスという体を一定の状態に保とうとする働きがあるからです。
悪い状態が長く続くと体はその状態が正常だと思い込み、悪い状態を維持しようとします。
症状固定してから治療をしても回復はしますが、非常に困難な道のりになります。早期発見・早期治療が私の合言葉です!
精神疾患は完治しにくい
精神疾患になると100%元気な状態に戻ることは難しいです。
一度壊れたものは全く同じ状態に戻りません。なぜなら再発率がとても高いからです。
初めてうつ病になってから1度目の再発率は50~60%、2回目の再発率は70%、3回目の再発率は90%。再発を繰り返していくたびに悪化し治りにくくなります。
私は治療の中で早く治したいという焦りから「以前のように早く元に戻りたい」と思っていました。
けれども精神疾患の場合、元の状態に戻ることはまた精神疾患になることを意味します。
病気になる前の状態に何かしらの問題があったから精神疾患になってしまったので、元に戻れば回復できません。
薬の力を借りながら、周りの環境調整をしつつ本人の思考のクセ、行動、生活習慣を変えていく努力をすることで症状がほとんどなくなった状態に回復できます。
精神科受診の目安はこれ!
私がおススメするのは「私もしかしたらうつかも?」と感じたとき。もしくは、家族から心配の声があがったとき。そのときには「大げさかな?」なんて思わずに受診しましょう!たったこれだけです。
受診に対しての不安や怖さ、自覚がないなどたくさんの受診しにくい理由はあります。
けれども、自分の健康、命に代えられるものは他にありません。その先にはあなたのお子さんがいます。
次の記事で、心療内科・精神科・メンタルクリニックそれぞれの違いとどこに行ったらいいのかそのポイントをご紹介します!▼
執筆者:いのうえまゆみ
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