2歳児の脳に届く叱り方とは?ADHD傾向の子どもの危険な行動は、3つのポイントで声かけしましょう

ADHD傾向の2歳児を大声で叱っているけれど、危険な行動をやめない…と悩んでいるお母さんも多いはず。その叱り方、実は脳に届いていないかもしれません。「子どもの脳に届く叱り方」を3つのポイントにまとめてお届けします。

ADHD傾向の子どもが危ないことをしたとき。どんな声かけをしていますか?

注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンで、やりたい!と思ったことは衝動的にやってしまうというお子さんはいらっしゃいませんか?

幼児は、いろいろなことに興味津々で、どうしてそんなことするの!?と思うような危ないことをするものです。

例えば、食卓などの高いところに登ったり、そこから飛び降りたり、触っちゃいけないものを触ったり。

そんなとき、あなたはどんな声をかけていますか?
つい、「危ない!」「やめなさい!」と大きな声を出して、叱ってしまうこともあるかもしれませんね。

自分や人が怪我をしてしまうような危ないことは、絶対にやめさせなければならない行動ですので、「やめさせなきゃ!」「しつけなきゃ!」と思い、叱るのは当然のことです。

けれど、大きな声で叱ったところで、お子さんは素直にその行動をやめますか?

2歳の我が子を叱り続けた過去

私には、5歳のADHDグレーゾーンの娘がいます。

2歳のころ、危ないことばかりするので、娘の問題行動を見つけては大きな声で叱っていました。

危ないことは大きな声で叱ることが、しつけの正解だと思っていたのです。

けれど、娘は叱られた瞬間こそシュンとするものの、1秒後には立ち直って同じことをする…そして、また私から怒られてしまう。

私だけでなく、おばあちゃんのお家に行けばおばあちゃんからも叱られるし、あの頃の娘は大人から「危ない!」「やめなさい!」しか言われてなかったのでは…と思うほどです。

この子は人の話を聞けない子なのだろうか。理解力が低い子なのだろうか。

そんな風に悩みましたが、実は、娘に問題があったのではなく、私の叱り方が「脳に届かない」叱り方だったのです。

大きな声で叱っても、2歳児には届いていない!?

幼児の脳は、言語の中身よりも先に、「表情・声色・語調」と言った非言語情報が先に処理されます。

特に、2歳児はまだまだ言葉の理解が未熟ですから、「言葉ではないコミュニケーション」が大事なのです。

お母さんが怖い顔で自分に向かってくると、それだけで子どもの脳はシャットダウンします。
「お母さんが怒っているから、これは良くない情報だ。聞かないでおこ〜っと」という感じ。

ただでさえ言葉の中身をすべて理解するところが難しい2歳児なのに、そもそも脳が言葉を聞く状態にならないわけです。

それに加えて大きな声を出されたら、子どもにとってはただただ恐怖を感じるだけ。

お母さんの伝えたい「危ないからやめようね」という、お子さんを守るためのとても素敵な言葉や気持ちは、何一つ届かないわけです。

もし、このようなコミュニケーションを続けてしまうと、「ママはいつも怒っているし、ママの言うことはよくわからないから聞かなくていいや」と子どもは育ちます。

そのときの危ない行動がなくならないどころか、その後の親子のコミュニケーションまで悪影響を与えてしまうのです。

日本はしつけの文化が根強いため、「間違った行動は大声で叱りつけて恐怖を感じさせて正さなければならない」という感覚をどうしても持ってしまいます。

今、ママである私もあなたも、そう育ってきましたから。

けれど、本当に子どもの危ない行動をやめさせたいのなら、「脳に届く叱り方」を身につけませんか?

この3つを合言葉に!「脳に届く叱り方」で我が子を発達させましょう

ここで前提としてお伝えしたいのですが、この「脳に届く叱り方」も、しなくていいならしないほうがいいです。

特に2歳の場合、まずは環境を整えることで、叱らなければならない行動はほぼなくせます。
「これはやめさせるべき行動なのか?」ということを冷静に考えるくせもつけてくださいね。

▼行動分類の方法はこちらの記事でご紹介しています。あわせてお読みくださいね!
ADHD傾向の2歳の子どもの危ない行動を「つい怒ってしまうママ」をやめられる!行動分類のススメ

この前置きを踏まえた上で、「脳に届く叱り方」をするときのポイントは3つ。

「静かに・低いトーンで・短く」です。合言葉のように覚えてくださいね!

危ないことをしている様子を見ると、「やめて!」「危ない!」など、お母さん自身が大きな声で反応してしまいがちですが、

びっくりさせてさらなる危ないことが起こったり、お母さんの反応が嬉しくて何度も同じことをしたりする可能性があります。

まずは、大きな声を出すのをぐっと堪えましょう。

例えば、食卓の上に立って遊んでいる場面なら、まず、何も言わずに抱き上げて床に降ろし、安全を確保します。

その上で、静かに、いつもよりは低いトーンの声で、短い言葉で伝えます。

「危ないよ。食卓には登りません。」

これだけでOKです。

もし、2歳児ならば、諭したり説明したりすることは必要ありません。
伝えたあとは、何ごともなかったかのように、気持ちを切り替えて楽しく過ごしましょう。

お母さんのいつもと違う真剣な顔や声のトーンで、「やってはいけない」ことは十分伝わります。

そして、この積み重ねで「ママの話を聞く」という「聞く耳」の脳のルートができていくのです。

感情を乗せて反応するのではなく、お母さんは冷静に、「静かに・低いトーンで・短く」、脳に届く叱り方をしてみてくださいね!

執筆者:永崎りん

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