私が後悔している経験から、「魔の2歳」でぶつかる親子の壁を、脳を伸ばすコミュニケーションの力で乗り越えてほしい!という思いがあります。「イヤ」を褒めるチャンスへ変換して、子どもを怒ることなく褒めて伸ばす子育てへつなげていく方法をお伝えします。 |
私のような経験を、もう一人もしてほしくないのです
突然ですが、私にはとても後悔している過去の経験があります。それは、娘が2歳のころ、娘を感情的に怒り続けたことです。
娘は、生まれたときからとても活発なタイプで、やってみたい!と思ったことには衝動的に飛びついてしまう、いわゆる注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のある子どもです。
当時は下の子が生まれたばかり。
娘は、赤ちゃん返りではなく、弟の世話をしたくてたまらない、どちらかというと世話好きを発揮して張り切っていました。
けれど、まだまだ2歳の幼児ですから、首の据わっていない新生児のお世話をするにも危なっかしい。
どんなに止めても「わたしがやるの!」と怒ってしまうし、行動のコントロールも苦手なため、いきなり走ってきては弟を踏みそうになる…なんてこともよくありました。
そんな状況に耐えかねた私は、「やめなさい!何度言ったらわかるの!危ないでしょう!」と怒鳴ってしまったのです。
一度「怒鳴る」という方法を覚えてしまうと、私も歯止めが効かなくなり、娘が何か問題行動をすると怒鳴る、けれど娘は何も変わらない、だからまた怒鳴る…負のサイクルをたどるようになりました。
そんなどん底にいたとき、私は脳を伸ばすコミュニケーションに出会います。
その学びのおかげで、私は娘を感情的に怒り続ける生活を抜け出すことができました。
詳しい体験談はこちらから▼
長所だけに注目すると、3歳のADHD傾向の子どもの困りごとが4ヶ月でなくなりました
私は娘を怒り続けたあのときを心底後悔していますし、やり直せるならやり直したい。と心から思っています。
私のような後悔をするママをもう一人も出したくない。
そして、ママに怒られてしまい自信をなくし、「自分なんて…」と思ってしまう子どもを、この世の中から一人もいなくしたい。
だからこそ、お子さんの年齢がより小さいうちに、お母さんは子育てについて学ぶ機会と出会って、子どもを一度も怒らないでほしい。
そんな思いで、この記事を書いています。
我が子を怒り始めたきっかけ…「魔の2歳」ではないですか?
では、お母さんが我が子を「怒る」ことをし始めるのは、いつ頃でしょうか?
(ここでは、感情的に大きな声で怒ることに言及したいため、「怒る」と表現します。「叱る」ことは、子どもの発達のために戦略的に伝える方法として、ときに必要なものとして捉えています)
「叱り方」についてはこちらでご紹介しています
2歳児の脳に届く叱り方とは?ADHD傾向の子どもの危険な行動は、3つのポイントで声かけしましょう
0〜1歳の赤ちゃんのときは、子どもも反発しませんし、「かわいいかわいい」で、「怒る」ことはほとんどないのではないかと思います。
だいたい2歳前後に起こる「イヤイヤ期」はどうでしょうか?
自分でしっかり歩くことができて、興味のあることへまっしぐら。
どんなに危なくても、やってはいけないことでもやってしまうこの頃。
そして、なんでも「イヤ!」と言ってお母さんのやることなすことに反発し、「自分で!」と主張するこの時期。
お母さんとしても、発達段階だから仕方ないとはわかっていても、
拒絶された気がして悲しい気持ちになったり、
せっかく一生懸命やったことを「イヤ!」の一言でやり直しさせられて腹が立ったり、
自分でやりたがって時間がかかり何も進まない…とイライラしたり。
ただただ可愛くて仕方なかった我が子が、反抗してきた…ショックを感じて、お母さんの感情もかき乱されてしまい、ついカッとなって、初めて我が子に大きな声を出してしまった。
赤ちゃんのうちは、泣いたってひょいっと抱っこしてしまえばなんとかなって基本は「お母さんのペース」で進められていたのに、
イヤイヤ!と暴れてしまうと抱っこするのだって大変で、家事や自分のやりたいことが思うように進められなくなってイライラして、
自分のペースを守れないことがストレスで、つい怒鳴ってしまった。
このように、初めて我が子を「怒る」きっかけとなったのがイヤイヤ期という方も多いのではないでしょうか。
その傍若無人ぶりに、「魔の2歳児」なんて言われたりしますよね。
私は、多くの親子がぶち当たってしまう、「魔の2歳児」とのコミュニケーションの壁を、なんとか乗り越えて、親子が一度も、怒り怒られる経験をしないでほしいと思っています。
会話の成り立たない2歳児にも効くの?
イヤイヤ期は、言語を習得する前の1〜3歳頃の子どもに多いですから、「会話」がベースのやり方って、本当に効くの?と思うかもしれませんが、私は、何歳でも使えるコミュニケーションだと考えています。
その証拠に、私が子どもとのコミュニケーションを学び始めたときに生まれた息子はもうすぐ3歳、現在進行系でイヤイヤ期と向き合っていますが、息子を怒ったことはほぼありません。
この3年間、0〜2歳児にどうやったら効くかな!?と実践研究してきましたので、息子に効いた方法は次の章でご紹介していきますね。
一番大切なことは、肯定すること。つまり、褒めたり認めたりすることです。
子どもの脳は、自分のことを褒めてくれた!という経験を重ねて伸びていきます。
幼児は特に、非言語情報(表情や語気など)を先に処理しますので、お母さんがにこやかに優しい声で褒めてくれるとしっかり脳に届きます。
反対に、お母さんが怒って話しても子どもには全く届かないどころか、むしろ、脳にとって悪い発達を進めさせてしまうこともあります。
ママが子どもに「怒る」ことは、子どもの発達に良いことはありませんし、怒っているお母さんだって苦しいですよね。
なんとか「褒める」という肯定的な関わりにシフトしていってほしいのですが、いやいや、「イヤ!」と反抗してばかりの魔の2歳の、一体どこを褒めろって言うんですか!?と思いますよね。
実は、イヤイヤ期の子どもでも、褒めるところ、たくさんあるのですよ!
イヤイヤ期こそ褒めるチャンス!褒めポイント、教えます
「イヤ」→「褒め」への変換方法を2つ紹介しますね。「魔の2歳」が「うちの子天才!」に変わりますよ。
「自己主張」できたことを褒める!
私は、息子が「イヤ!」と主張したときに、言葉の中身には反応せずに「イヤって言えたんだね〜!」と褒めます。
ゆくゆくは、「イヤ!」という乱暴な表現方法ではなく、「〇〇がイヤだよ。だからこうしたいよ。」と穏やかに説明できるようにはなってほしいですが、
2歳・3歳の発達段階では、感情のコントロールを行うことだって難しいですし、言語習得もまだ途中。
「イヤ!」と言えること、自分の不快な気持ちを伝えることができているだけで花マルなのです。
対応するお母さんは確かに大変ですが、今は「イヤ!」としか表現できないんだと理解して、「イヤ」と発信できたことを大いに褒めましょう。
「イヤ!って言えたんだね〜!すごいじゃん!ママ、あなたが何か困ってるんだなってわかったよ。どうしてほしかったのかな?」
こんな風に対応すると、子どもも拍子抜けしたように泣くのをやめるものです。
何より、「イヤ」と主張することは良いことなんだと思えると、お母さんのイライラが溜まらず、ドッカーン!と怒ってしまわないで済みます。
イヤイヤのひどい子の場合、手を焼いてお母さんも疲れ果てていらっしゃることと思います。けれど、自己主張できる力が強い!と思うと、これからが楽しみですよね。
意志の強い、しっかりと意見の主張できる子に成長するかもしれませんよ!
自分で「挑戦」していることを褒める!
2歳児のイヤイヤは、「好きなようにやりたい!」「自分でやってみたい!」という自立心の表れです。
お母さん目線だと、「こっちのやり方のほうが早く済むのに」とか、「まだ上手にできないのに手を出されて、余計な仕事が増えた…」などと感じてしまうこともあると思います。
しかし、子どもは、大人を困らせるためにやっているわけではなく、自分でできるようになるために一生懸命取り組んでいるのです。
自分だけではまだできないことへも果敢に挑戦するなんて、大人の自分に置き換えて考えてみると…すごく大変なことだと思いませんか?
イヤイヤ期の子どもにとっては、その瞬間瞬間が大きな挑戦。
もし、「イヤ!自分でやるの!」と主張したときには、「自分でやろうって挑戦しているんだね!すごいね!」と褒めて、気が済むまで見守ってあげてください。
目の前の我が子は、失敗してもうまくいかなくても一生懸命取り組んでいる、ものすごくチャレンジ精神旺盛なガッツのある子だ!と思えませんか?
この褒めの積み重ねが、「自分ならできる!」と思える自己効力感をはぐくむ第一歩。
ぜひ、魔の2歳こそ成長のチャンス!褒めの宝庫!と捉えて、お子さんを褒め褒めしてくださいね。
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執筆者:永崎りん
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