入学までに知っておきたい、発達が気になる子どもを理解する「境界知能」という視点

発達が気になる子どもの苦手には、「境界知能」が関係しているかもしれません。知能を知ることで、その子に本当に必要なサポートが見えてきます。小学校入学までに知ってほしい「境界知能」について解説します!

「境界知能」という言葉を知っていますか?

小学校という場所は、1日のほとんどの時間を勉強をして過ごします。

だからこそ、学習面にダイレクトに苦手さが出る「学習障害」は、見逃してはいけない子どもの発達のでこぼこです。

そして、もう一つ、親として知っておかないといけないことがあります。

皆さんは、「境界知能」という言葉を聞いたことがありますか?

子どもを知能指数で判断するなんて! そんな雰囲気が教育業界でも、子育て支援の業界でも強い印象がありますが、 私は、知能指数も大事!という考え方を持っています。
(もちろん、それだけで子どもを判断したりはしません^^)

なぜなら、学校現場で臨床していた時、たくさんの「境界知能」の子どもたちに気づいてあげられなかった、救ってあげられなかった、そんな後悔が私の中にあるからです。

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学校の中で傷つきやすい「境界知能」の子どもたち

「境界知能」というのは、IQ 70〜85の水準にある子どもたちのことです。

便宜上、70以下は「知的障害」という診断がつき、社会的なサポートの対象になります。

IQの平均は100ですから、知的障害と平均的な知能の「境界」にいる、そんな意味合いで「境界知能」と呼びます。

このゾーンにいる子どもたちは、学校でとても苦労することが多いです

そして、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)など他の発達障害の傾向を持っていない場合、何の支援の対象にもなりません。

ただの「勉強が苦手な子」として、学校の中でサポートの網の目からこぼれてしまいます。

とても純粋で一生懸命な子が多いのに、何も手を差し伸べてあげられなかった。

そんな経験を嫌というほどしてきました。

知能で決めつけてはいけないけど、知能を知ってあげることで、その子の見えない努力を大人が想像してあげることはできるんです。

ただ、サボってるわけじゃない。 ただ、怠けてるわけじゃない。

一生懸命100%頑張っても、いつも平均以下の点数しかできない自分のことを彼らはどう思っているのでしょう。

そこに追い打ちをかけるように、
「一生懸命やりなさい」「勉強しなさい」「宿題やるまでおやつなし」と追い詰めることが

彼らの自尊心をボロボロにすることを大人は知っておかないといけません。

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私たち大人が、今からできることは?

知能が全てではない、けれど、大切な視点

実は、「境界知能」という言葉は、昭和の時代には国の施作の中にも登場していました (正確には「境界線児」) 。

1966年の学習指導要領までは、境界知能の子どもたちにはこんな配慮をしなさい、ということが明文化されていたのです。

それが、インクルーシブ教育などの波が教育現場に持ち込まれ、2018年の学習指導要領改定時には記載がなくなってしまいました。
(2018年が幼稚園、2020年が小学校、2021年が中学校の改定)

記載がなくなるとともに差別がなくなるなら良いけれど、「境界知能」という言葉があって、

実際にそのゾーンの子どもたちがいるんだという事実自体が、教育現場から忘れられてしまったように私は感じます。

知能が全てではないけれど、親として、知能も知っておかないといけない。

私はそう思います。

知っていたら、その子のペースでゆっくり一つずつ教えてあげればそれで済むんだから。

子どもの内側に眠る素敵な力に目を向ける

境界知能の子どもたちは、思春期以降に精神症状を起こしやすい事がわかっています。

成人後に薬物依存や神経症パーソナリティ障害への罹患率が有意に高いこともわかっています。

これは、理解してあげられなかった二次障害の結果だと思います。

自分の子どもが境界知能である。

この事実を受け入れることは親としても辛いです。 だけど、もっと辛い思いをするのは子ども本人だから。

知っておいてあげた上で、知能だけじゃない、その子の内側に眠っている素敵な力のほうにたくさん焦点を当ててあげる

これが親がやってあげられることなんじゃないか。私はそう思います。

ちょっとしんどい内容ですみません! だけど、やっぱり知らないで小学校生活に突入してほしくないから、心を鬼にして書きました。

この記事を読んで、どうお感じになったでしょうか?

今から、私たちが子どものためにやってあげられることは、どんなことがあるでしょうか? 考えるきっかけにしてくださったら嬉しいです^^

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執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)

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