発音が苦手で「か行」が言えない4歳児さん。専門家に相談したほうがいいか悩みますよね。言えない時期が長くなると、お友達との関りも心配になる…。そこで私の経験から、相談先と相談時期の目安、家での必要なコミュニケーションについてお伝えします。 |
「か行」が言えないなどの発音の苦手さ。放っておくと、コミュニケーションにも影響が!?
我が家には年長の男子がいます。
発音が苦手で、主に「か行」が言えず、「た行」になってしまいます。
息子は4歳の終わり頃に保育園の先生から、5歳児健診での相談を勧められました。
発音が苦手なことが原因かはわからないが、言葉によるコミュニケーションが少ないと言われたのです。
保育士の先生が質問しても、わからないで済ませたり返事をしないこともあるとのことでした。
もともと人見知りもある子だったのでそれが原因だろうと思っていましたが、先生のお話を聞きとても不安になり、健診で発達相談をうけることにしました。
息子は名前に「く」がつくのですが、名前を聞かれても「く」がうまく言えないことで伝わらないことが多く、私が代わりに言い直して伝えるということが多くありました。
私は発音の苦手さはそのうち改善されると思ってのんきにしていたのですが、本人のなかでは、そのような積み重ねがコミュニケーションに自信をなくす原因になっていたのかもしれません。
発達相談では全体的な発達としては、受診が必要な程ではないとのことだったので、言葉に関しては、教育支援センターで再度相談し、そこから、市のことばの教室を紹介してもらい通い始めました。
ただ、地域によっても違うかもしれませんが、ことばの教室では、幼児の時期は楽しくコミュニケーションをとることを主体としており、しっかりした発音の指導は入学後からということでした。
私としては、入学前に発音を直して自信をつけて入学を迎えたいと思っていたのですが、それはことばの教室では難しかったのです。
発音の発達と4歳での相談時期の目安
子どもの発音の発達には言えるようになる順番があり、通常、5歳・6歳ごろにはすべての発音が言えるようになると言われています。
1~2歳で、パパ・ママ・ブーブなどのパ・バ・マ行
2~3歳で、タ・ダ・ナ行
3~4歳で、カ・ガ行、ハ行、シャ・チャ行
4~5歳で、サ・ザ・ラ行、ツの音と発音できるようになってきます。
発音の間違えやすいものも決まっていて、「さ」→た、ちゃ、しゃ、つぁ、「つ」→ちゅ、「し」→ち、「ら」→だ、「か」→た、など。
我が子のように、「か行」が「た行」になってしまう間違いは起こりやすいものとなります。
ただ、「か行」は通常3~4歳で獲得する音ですが、4歳でもずっと同じ間違いをしている場合、その言い方がくせのようになってしまっていて、自然に治りにくい可能性があります。
相談の時期の目安としては、4歳の年中さんになったタイミングがいいと思います。
その時点で、同じ音が長く言えていない状況なのか、または、発音の苦手さを本人が気にしているかを基準で考えてみてください。
なぜなら、我が家は年中の秋ごろから、市の発達相談、教育支援センターでの相談、ことばの教室を紹介という流れで、実際にことばの教室に通い始めたのは年長の夏になってからでした。
どこに相談するにしても、予約をとる段階で時間がかかることが多いです。
また、通い始めてもコミュニケーションの苦手さがもともとある場合に、子どもが心を許すまでにも時間がかかりますので、なるべく早め早めに動くことがおすすめです。
相談先としては、全体的なことばの発達や、コミュニケーションにも心配があるような場合は市の教育相談へ。
発音の苦手さが原因でコミュニケーションに支障がでているような場合は、言語聴覚士の方がいて、発音について集中して指導してもらえる医療機関で相談をしたほうがいいでしょう。
全体的な言葉の発達が遅い子には、おうちでの運動遊びがおすすめです。こちらもあわせてご覧ください。
『言葉の発達が気になる子どもの運動不足は要注意!寒い時期だからこそ、おうちで運動遊びを取り入れましょう』
家でのおすすめの言葉遊びと、お母さんにとってほしいコミュニケーション
発音をするためには、音をしっかり聞き分け認識する力と、舌や唇など音をつくる器官の運動能力の両方の発達が必要と言われています。
発音の練習は専門の方にお願いしたほうがいいですが、家でも遊びのなかで発達を促す活動を取り入れてみましょう。
聞きわける力
発音が苦手な場合、もともとの「聞く」という力が弱いことも考えられますので、言葉を意識してよく聞く遊びがいいです。
・しりとり
4歳くらいになるとしりとりができるようになります。
しりとりは始めと終わりの文字を意識してよく聞かなければならないので、音をしっかり聞く練習になります。
・さかさことば
単語を逆さから言う遊びです。小さい子なら2文字くらいから。4歳以降なら人の名前でも楽しいです。
息子は家族の名前やお友達の名前を逆さから言うのを楽しんでやっていました。
・何回言ったでしょう?
お母さんの話す言葉から、特定の文字の数を数える遊びです。
例えば、「お母さんはこれからキと何回言うでしょう?」と問題を出し、何か適当に1文を言います。
「キツツキが木にトントンと穴をあけたよ」
「うーん3回」
「正解!」
といった感じです。
好きな絵本の一文でやってもいいですね。いつもよりも注意して聞こうとするので、聞く力をつける練習になります。
音をつくる力
発音のための運動能力をあげるためには、口を使う活動も積極的にやりましょう。
・シャボン玉を吹く、笛を吹く
・ソフトクリームを舌でなめる
・するめを噛む
・鏡をみて一緒に舌を出して変顔対決!
「か行」が言えない子は、うがいも効果的と言われています。出来ないときはまずはお風呂場などで水をこぼしてもいいところで遊びながら練習をするといいでしょう。
お母さんのコミュニケーション
きちんと言えていない音があると、聞き返すことが多くなったり、「~でしょ!言ってごらん」といい直させてしまったり…。
ですが、家庭でのコミュニケーションでは、「しっかり話が伝わったよ」という成功体験を作ってあげることが大切です。
外では、なかなか自分の言っていることが伝わらず、悲しい思いをして自信をなくしている場合があります。
一緒に長くいるお母さんであれば、はっきりと聞き取れなくても何を言いたいかわかることも多いですよね。
子どもが一生懸命話してきたら、わからない部分が少しあっても大丈夫。
聞こえた単語をいくつか汲み取って、これがこうだったんだね。きちんと伝わったよということを教えてあげてください。
全部を理解しようと聞き返さなくても大丈夫です。
お母さんは一緒にお話するのが楽しいよというのをしっかり伝えてあげてください。
発音はいずれできるようになりますが、それよりも大事なのは人とのコミュニケーションがしっかりとれることですよね。
そのためには、人に自分のことを伝えられた!わかってもらえた!という経験や、人と「嬉しい」「楽しい」などの感情を共有する経験。
そういった経験を、家庭でもしっかり積むことで子どもの今後のコミュニケーション力は伸びていきます。
発音の指摘にとらわれすぎず、家ではお子さんの伝えようという気持ちをたくさん伸ばしてあげましょう。
4歳の頃はお母さんとのおしゃべりが楽しい時期です。
お母さんは楽しく会話することを考えて、あとは年中になったタイミングで、本人がコミュニケーションを苦手に感じてしまう前に専門家への相談も考えてみて下さいね。
執筆者:岡村 由美
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