新学期が始まり約1か月。学校や幼稚園など外ではいい子なのに、家では暴れる・暴言が出る…友達を悪く言う…そんな様子のお子さんがいたら要注意!それはSOSのサインかもしれません。子どものエネルギーが切れてしまう前に、対応する方法をお伝えします。 |
「外ではいい子なら、家でもできる」の考えは危険
新学期が始まり、少し子どもたちは慣れてきた様子がみられますか?
新1年生なら、最初はみんな緊張して過ごしていた期間も少し落ち着き、お友達同士の交流が増えたりしているのではないでしょうか。
そんな中、学校生活が問題なくできているのに、家に帰ると、文句ばかりでお母さんや兄弟に暴言や暴力がでる。学校のお友達のことを悪く言うなどの様子はみられませんか?
そんなとき、「そんなこと言わない」「やめなさい」など怒って声をかけてしまいやすいですが、癇癪を起こして家で暴れる子には、特に注意して欲しいんです。
外でできるなら家でもできるはずの考えは危険です。
その理由をお伝えします。
家で暴れて癇癪を起こすお子さんへの対応法は、
こちらの電子書籍でもご紹介しています。
小学生の癇癪にも応用できる内容です。
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新学期、家で暴れる息子にどうしたらいいかわからなかった私
私には、不安がつよくアスペルガー傾向の息子がいます。
息子は小さい頃から家では、気に入らないことがあるとよく癇癪を起す子どもでした。家の中では自分が常に優位じゃないと気に入らないタイプ。
弟にも譲ってあげるということが全然できず、自分の言い分ばかり通そうという姿にお兄ちゃんなのにと、よくイライラしていました。
しかし、保育園では自己主張はあまりせずに、どちらかというと空気を読んで行動しているようでした。
困っているお友達に声をかけたりしていますよと聞くこともあり、保育園ではできているからまあ大丈夫かなと思っていました。
そして小学校に入学。1年生になると、学校の生活は問題なくできていたんですが、学校のお友達に対しての不満・暴言が家の中で出てきたのです。
家に帰ってくると、「みんなバカ」「死ね」などの言葉を発することがありました。
なにか意地悪されているのかなとも思ったのですが、話す内容からは、小学校低学年ではありそうなちょっとふざけているような友達同士のやりとり。
家の中でのわがままな態度を見ていた私は、
それくらい男の子どうしのふざけたやりとりでしょ。
あなたがわがままだからちょっとしたことも我慢ができないのよ。
もっと相手のことを理解したり、譲ってあげることを覚えさせなければ…
そんな風に考えていました。
しかし、助言したり注意する私にも暴言で返す、兄弟にもすぐにケンカを吹っ掛けて暴れる。止めに入る私にも殴り掛かる。
そんな態度に私はだんだん叱ることも嫌になり、もうあまり関わりたくない…、ネガティブな会話ばかりの息子と話をしたくない…とさえ思うようになってしまったんです。
そして、私が話したがらないことを察したのか息子は学校の不満を家で言うことは減りました。
しかし今度は行きしぶりが増え、小学校3年生からは不登校になってしまったのです。
なぜ家だけで暴れるのか
家で暴れるタイプの子は、いい子だと思われたいという気持ちが強い場合があります。
そしてルールや決まりなどはきちんと守りたいというこだわりも持っていることがある。
発達にでこぼこがある子では、他の子よりも感じ方が敏感であったり、物事のとらえ方が少し違っていたりすることもあります。
ですが、きちんとしたいという気持ちが強いだけに、外では頑張ってアンテナをはって、しっかり行動しようとしているんです。
だからこそ、とても疲れてしまう。家に帰るともうエネルギー切れの状態です。
そして、よく周りを見ているからこそ外での不満も感じやすいということがあります。
例えば、
何かをして先生に注意されたときに、その前に同じようなことをしていたけどたまたま注意されていなかった子がいるのに気付いていると、自分だけ注意されたと不満に思う。
鬼ごっこをして、自分はきちんとやっているが、ずるをして休憩をとったりしている子がいると許せないと感じてしまう。
その中で自分は我慢しているという不満と、でも納得できないという葛藤が自分の中で膨らんでしまいます。それが家に帰ると、安心できる相手に爆発させてしまう。
そしてもう一つの理由としてコミュニケーションが苦手ということがあります。
不満を感じても、その場でそれをしっかり伝えて発散することができればいいのですが、もともとコミュニケーションに苦手がある場合は、上手に伝えることができません。
そして自分の感情を言葉にして表現することも苦手なので、家ではバカ死ねなどの暴言や暴力となってでてしまうのです。
私は、息子のそのような特性や頑張っていることに気づいてあげることができず、行きしぶりがでてきているときもわがままだと思い、受け入れてあげることができませんでした。
ですから新学期、もし家で暴れている子がいたら、ぜひ早くに対応してほしいんです。
次の章では、家だけで暴れる子へどう対応したらよいのか、私の考えをお伝えします。
エネルギーが切れる前にすぐに対応!その方法は?
◆しっかり気持ちを吐き出させる
家に帰ってきて、学校のことや友達のことを悪く言うことがあったら、まずはしっかり聞いてあげることです。
私もそうでしたが、どうしても「そんなこと言わないよ」「こういう風にしたらいいんじゃない?」などと言いたいと思います。
ですが、それはグッとこらえてください。
外できちんと行動できるということは、いけないことは理解できているんです。
ですのでお母さんは気持ちを吐き出させることだけに集中して大丈夫です。
そうだったんだね。
それは悲しかったね。
他にも嫌なことはある?
そっかそれは嫌だったね。
とお子さんの気持ちを、そのままお母さんが言葉にして共感してあげてください。
お子さん自信が自分の感情に気づくことが大切です。それにより、お子さんもだんだん感情の整理をすることができるようになってきます。
◆自信をつける
癇癪や暴言は、自信のなさの裏返しということもあります。
今できていることを、しっかり伝えてあげましょう。家の中で認められているという環境を作ってあげてください。
今日も学校頑張ったね
自分で準備ができたね
ご飯もたくさん食べたね
新学期になって自分でできることがこんなに増えたね!など、この1か月を振り返りながら伝えることもいいと思います。
子どもは新しい環境で、とっても頑張っています。
自分が、新しい職場に入社したときの緊張などを思い出してみて下さい。
あぁ最初は大変だよなー疲れるよなーと思い出せると、ちょっと子どもに対するイライラも落ち着いてくると思います。
そして、大切なのはお母さん自身も気持ちを発散する場所を持つことです。
毎日毎日のネガティブな感情を一人で受けとめ続けるのは、いくらお母さんだって無理です。
もし周りになかなか理解してもらえないときは、個別相談会へお越しくださいね。
執筆者:岡村由美
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