何度言っても聞いていないうちの子、人の話を聞くのが苦手なのかな…と感じていませんか?実は発達障害の子どもは集中力やこだわり、記憶などの脳の偏りから「聞く力」が弱い場合があります。学校生活では必須の「聞く力」を伸ばすためには、お母さんと遊びながら鍛えていくことがおすすめです。 |
人の話を聞くのが苦手な発達障害・グレーゾーンの子ども
入園・入学、進学のスタートを切ったお子さんも、少しずつに生活に慣れてきた頃ではないでしょうか。
慣れてくると、だんだんと目立ってくるのが「聞く力」の差です。
「うちの子、『聞く力』が弱いと思います」と相談に来る方のほとんどが、集団の中でうまく指示が聞けないことを心配されています。
先生の指示が一度じゃ聞けないんじゃないか。
聞き漏らしてしまって、学校生活がうまく進まないんじゃないか。
さらによーく聞いていくと、これらの子どもは、
お家で何度言っても聞いていない
何度言ってもできるようにならない
など、
お母さんの声、届いてますか!?と尋ねたくなる状況が見られます。
お家で何度言っても聞いていない
何度言ってもできるようにならない
など、
お母さんの声、届いてますか!?と尋ねたくなる状況が見られます。
発達でこぼこのある子どもは、「聞く力」が弱いために、お母さんとの会話も苦手な場合も多いのです。
そもそも「聞く力が弱い」とはどういう状態?
聞く力が弱い、と言っても、耳の機能に問題があるわけではないケースがほとんどだと思います。
ではそもそも、発達障害の子どもの「聞く力が弱い」とはどういう状態が考えられるのでしょうか。
やっていることに夢中で自分に声をかけられたと気づかず、聞いていない。
注意が集中しにくく、話を最後まで聞くことに集中していられない。
耳からの情報を処理するのが苦手で、言われただけでは理解できていない。
短期記憶が弱くて、言われたことをすぐに忘れてしまう。
このような状態が、発達でこぼこの子どもには脳の特性が原因で起こりやすく、「聞けていない」状態になってしまうのですね。
子どもに聞く態勢ができていないと聞こえていない
かくいう、我が子も、聞く力の弱いタイプです。
例えば、「宿題やりなさいね。」といっても、返事が出てきません。見てみると、本にのめりこんだまま。こちらに目をやることすらありません。
この状態で何度も話しかけたところで、生返事しか返ってこない上、トンチンカンな行動をして、ますます親のイライラゲージをアップさせてしまいます。
つまり、子ども側に聞く態勢ができていないときに、話しかけても聞こえていない、ということなのです。
これがもし、学校でもこうだとしたら…きっと先生のお話は耳に入っていないに違いありません。
集団で聞く力を育てる基礎力は、家庭のコミュニケーションから
では、どのようにしたら、「聞く力」を育てることができるのでしょうか。聞く力の前に、まずは子どもの発達の仕方についてお話ししましょう。
人の発達は順番が決まっています。初めは近しい大人との、1対1の関係性の中で色々な力を身につけていきます。
聞く力も例に漏れず、お母さんとの1対1の丁寧なやり取りの中で、まずは基礎になる力をつけていきます。
聞く力が弱い子が、いきなり集団の中で揉まれて聞けるようになるということはまずありません。何より、聞く力は家庭で育つのです。
だから、子どもの「聞く力」を伸ばすには、お母さんが1対1で「この子の聞く脳を今から刺激するぞ〜」いう時間を毎日少しずつ丁寧に積み重ねることが必要です。
面と向き合ってトレーニングのように行う必要はありません。
お母さん自身がどんな風に働きかけた時に、子どもの聞く力の脳の場所がスイッチオンになるのかを知った上で、オンになる状態を会話の中で作ることができればそれでOKです。
聞く力の弱さは「遊び」で楽しく解消していきましょう!
おうちで聞く力が弱い子の脳を伸ばすコミュニケーションなら、「遊び」を通して成長を促す方法のが一番の近道です。
一番簡単な方法は、本などから内容について話したり、なぞなぞを出す方法です。
低学年なら、『ざんねんないきもの事典』を読んで、内容について話すのもよいと思います。
『ざんねんないきもの事典』
著者:今泉忠明
高橋書店
著者:今泉忠明
高橋書店
また、小学校3年生以上でオススメのなぞなぞは、これです。
『みみなぞ』
著者:高濱正伸
草思社
著者:高濱正伸
草思社
『ざんねんないきもの事典』は、動物のお話が短くいくつも入っていて、大変人気のある本です。NHKでも、アニメが放送されるようになりましたね。
本のほうも、短時間でも読みやすく、興味を惹かれる内容になっています。これを親子で読んで、「ねえ、知ってる?」なんて話すと会話が盛り上がること間違いなしです。
また、『みみなぞ』については、CDもついているので、親子で聞いて答えることができます。大人でも「え?」っと思うような難しい問題もあるので、楽しみながらお子さんとコミュニケーションをとるきっかけになります。
どちらもゲーム感覚で、コミュニケーションを増やし、会話を楽しくすることで「聞く力」を伸ばしていくことができます。
発達障害の子どもの「苦手」は楽しく伸ばしてあげよう
「聞く力」は人とのコミュニケーションや学びなど、人として成長するための機会の多くを支えている力です。
もし我が子が苦手なら、伸ばしてあげたいと思いますよね。ですが、子どもが苦手な力を伸ばすというのは、ものすごく苦痛が伴うものです。
とくに発達障害の子どもの「苦手さ」は本人の努力ではどうにも難しいことも多く、大人で言うなら100万円積まれても絶対やりたくないことと言うのがよく使う例えです。
大人なら、「自分の苦手を克服しよう!」と言うモチベーションで、なんとかクリアできることもあるでしょう。しかし、子どもはそんなモチベーション持ち合わせていません。
子どもたちは今を生きていますから、「聞く力が弱いと大きくなってから困るから、将来のために!」なんていう親の思いは通用しません。
だからこそ、楽しくお母さんと遊んでいるうちに「聞く力」が伸びちゃった!と言う状況を作るのが一番成長が早いです。
子どもの「聞く力が弱い」ことで悩んでいるなら、お母さんが、「聞く力」ってどんな風になっていて、どんな順番で発達していって、どんな関わりをしたら伸びるのかの知識を学び、お子さんにどんどん実践してあげるのが一番!
▼遊びながら聞くチカラを伸ばすヒントは、こちらの記事でも紹介しています。
小学校入学までに勉強を習慣化するために、必要なこととは?おすすめは、ドリル学習ではなく「聞くチカラ」を鍛える遊びです!
ぜひ、親子で楽しみながら、聞く力を伸ばしていきましょう!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
(お母さんの小学校★ななほし代表)
▼発達障害の子どものコミュニケーションが苦手な原因「聞く力」を楽しく育てる技、伝えます!