こんにちは!ななほし広場編集部です。
2021年6月に開催した、【ななほし広場第1回座談会】の様子を全3話でお届けしています。
いよいよ最終話。「小学校入学後にママができること」をお伝えします。
小学校入学後、発達障害・グレーゾーンの子どものためにママができることは?
前回お届けした第2話では、「発達障害・グレーゾーンの子どもの就学準備、どんなことをしている?」をテーマに、小学校入学前の就学準備についてお伝えしました。
「何から始めていいかわからない」という状態から、まずは、先輩ママの経験談を参考に一歩を踏み出してほしい!それが私たちななほし広場の思いですが、
・小学校に入学したあとに、私たちママができることってあるの?
を知りたいのがママたちの本音ではないでしょうか。
そんな、小学校入学後の姿がイメージできない…うちの子大丈夫かな…と心配しているママへ朗報!座談会では、小学生ママがお子さんの入学後の様子をお話しくださいました^^
最終話の本記事では、発達障害・グレーゾーンの子どもの小学校入学後にママができることをご紹介します。
記事を読んで、就学後も大丈夫!と思ってもらえたら嬉しいです。
<未就園児ママ>
・Aさん 幼稚園年中
・Bさん 幼稚園年長、小学校4年生
<小学生ママ>
・Cさん 小学校1年生
・Dさん 小学校3年生
・Eさん 幼稚園年少、小学校1年生、小学校3年生
<スタッフ>
・ななほし広場編集部より2名
でこぼこキッズのママがやっている、学校での支援
ななほし広場編集部(以下、編集部):小学校入学後に行われている学校との連携や、入学後のお子さんの様子を教えてください。
担任の先生へ、配慮をお願いするお手紙をお渡ししました
ーーEさん:今年小学校に入学した次男の場合ですが、集団行動で動く中ではそんなに困りごとがない子なので、就学前に何か特別な準備はしませんでした。ちょっと応援してフォローしてあげればできると思ったので、給食や関わり方についてお願いするお手紙を書いて、入学式の日に担任の先生へお渡ししました。
入学式のあとにクラスごとに説明会があって、そのあとに「先生とお話したい人は列になってください」とのことで、担任の先生とお話しできる機会があったので、
「わかりました〜よろしくお願いします!」という感じで受け取ってもらえましたよ。
編集部:お手紙でまとめておくと、あとで読み返してもらえるし、お忙しい先生にもお伝えしやすくて良いですね。
今、ご入学から2・3ヶ月ほど経ったところですが、入学後のお子さんのご様子はいかがですか?
ーーEさん:給食は意外と大丈夫なようです。食べるのを強いることは今はほとんどないみたいで、減らしたりもできるし、通っていた幼稚園の給食が、野菜とかお魚とか分づき米とかヘルシーなメニューでこだわりを持って作ってくださっているものだったんです。そこはすごくいいなと思っていたのだけれど、実は次男にとっては厳しかったのかもしれません。小学校に行ったら、フランクフルトとかスパゲッティとか麺とかもいっぱい出て、かえって大丈夫だった(笑)みたいです。
先生も給食の配慮してくださったんだと思いますし、1年生相手だし丁寧に対応してくださっているんじゃないかと感じています。
ーーCさん:私も、小学校入学後に先生へお手紙をお渡ししました。先生と連携を取ることがすごく大事だと思っていたんです。
書いた内容としては、『お忙しいと思うので、お手紙で失礼します。息子の特性をかいつまんで書いて、こんな感じの子なんですけど、先生お忙しいと思うのでサポートブックをお渡しします、お時間あるときに読んでください』という感じでした。
新任の女の先生で、すごくやる気のある先生だったことも結果的にすごくよかったと思います。幼稚園のときには行きしぶりがちだったのですが、今は給食と担任の先生の優しさがモチベーションになって(笑)学校に行っています。
付き添い登校をしていました
編集部:担任の先生と人間関係を作って、連携していくこともとても大切なんですね。
Dさんは、息子さんに付き添い登校をされていたとのことでしたが、詳しく教えていただけますか?
ーーDさん:息子は1年生の音楽会の次の日から突然、小学校に行けなくなったのですが、しばらくして夕方登校したり、相談室へ別室登校をしたりもしました。コロナの影響もあって休校になって、その間に私が脳を伸ばすコミュニケーションで関わることで自信がついて、2年生からは普通級に戻って授業を受けられました。
ずっと入り浸っているような感じではありましたが、周りのお友達の学校での本音とかも聞けたりしたことはよかったなと思っています。他にも同じように付き添い登校されているお母さんもいらっしゃったので、そこでも仲間がいたのは心強かったですし、クラスの他のお友達にも息子と同じような対応をしていると、子どもたちも自然と私の存在を受け入れてくれたように思います。
付き添い登校をしながら普通級に通っていましたが、本人の特性としてASDで不安の強いっていうのと衝動性とか不注意も結構あって、「普通級に行くのは苦しい」ということで学校にいけない時期がありました。
ですから今度は、支援級にお試しに入ってみようということになって、最初は自閉症情緒学級へ行ってみたら、そこでも環境の変化に弱いから馴染めず、じゃあ次は知的障害の支援級へ一緒に過ごさせてもらおうとなって行ってみて…など。
「スタディサポート」として、私自身が学校に行く機会を持っています
編集部:付き添い登校や、在籍する学級を変わるという選択肢もあるんですね。子どもの特性や状態に合わせて環境を変えていくことができると知ると、とても安心します。
他にも、行事以外でお子さんの学校に行かれている方はいらっしゃいますか?
ーーCさん:私も頻繁に出没しています!(笑)
あとは息子が学校に忘れ物をして、一緒に取りに行ったときにお話したり、先生と話をする機会はたくさんあるほうだと思います。
ーーBさん:出没、いいですね!「〇〇ちゃんのママ!」みたいに顔を覚えてもらうのいいですよね。
ーーAさん:幼稚園は毎日のように行っても不自然じゃない気がするんですけど、小学校って行っちゃいけない雰囲気があると思っていました。そういうのに登録しているから行きやすいっていうのもありますよね。
ーーCさん:息子も、給食や野外活動のときとかは、私がいると安心感があるみたいで。そばにはいないけれど、「お母さんも同じことをやっている」って思えるみたいです。
編集部:不安の強い子にとっては力になりますね。そういう学校に私も通わせたいです!
【編集部コメント】
小学校入学後にも、付き添い登校やボランティアで子どものそばにいる機会をつくれることや、入学後に転籍して我が子に合った環境を探す選択肢もあることを知ると、とてもホッとしますね。
未就学児ママも、小学校入学後の子どもの様子をイメージできそうです!
お母さんの小学校で学んでいて、良かったと感じることは?
編集部:みなさんは、お母さんの小学校で学び、実践されていますが、お子さんの就学に関して、学んでいてよかったことはありますか?
子どもの特性の理解と、対応力がつき、先生へ伝えられました
ーーCさん:私は、就学前から学んでいました。
なんでかというと、発達のグレーゾーンの子は結局、お母さんが動くしかない。
学ぶことで、家庭の外であまり見えないけれど困っていることを整理したり、その対応策、それを事前に言語化できるまでの知識・観察力とか、子どもの困りごとがうまくいくための対応力が溜まっていきました。
それをサポートブックにも書くことで、「こういうことがあったら、こういう対応するとこの子がこんな感じになれます」ということを先生にも伝えられたので、よかったと思います。
軸を持てたことで、人に頼る子育てを卒業しました
ーーAさん:学びを始める前は、子どものことを理解ができないから「どうしてどうして」「こっちが正しいのか、どうなのか」と迷っていました。迷うから周りに頼って、幼稚園の先生、療育の先生、経験されている先輩ママとかに聞いて、聞いて、聞いて、、、。「幼稚園の先生お願いします」「療育の先生、我が子をどうにかできませんか?」っていう感じですごく、我が子なのに、他人に頼ってしまうという依存性があったように思います。実際周りのお母さんも、みんなそんな感じです。
誰かに頼らなくてもやっていけるという意味では、幼稚園から小学校中学校と、一生、親と子どもの関係は繋がっていくので、どんなに環境が変わったとしても、私ができるっていうのは強いなと思いました。
一般的なお母さんだと、「これいいな」「これさえやってればいいかな」と外側を見ているのだけれども、例えば、「スマホは子どもに与えたらダメじゃないか」と周りからは思われることも、軸があると「どううまく活用するか?」と思えるようになりました。
家庭で子どもの成長の土台があることが、大きな支えとなっています
ーーDさん:私もAさんと共通するところを思っていて、子どもの成長を、学校とか他のところに頼っていました。それが、100%依存しなくて良くなったというのが、一番大きな変化でした。
学校が違うのも大きな環境の違いではあるのですが、同じ学校内でも、担任の先生が違うだけでものすごく、クラスの雰囲気って違って。毎日学校の中にいると、それがひしひしと伝わってきていました。
また、先生によっても、発達の知識や理解にものすごく差があるというのを感じます。だからと言って「先生どうにかしてください」というわけにもいかないので、家庭で、子どもの成長の土台があるっていうのは、それが一番ありがたいところだなと思っています。
私自身の「学校の当たり前」が変わり、子どもをおおらかに見守れるようになりました
ーーEさん:長男は、入学式のあと全身に蕁麻疹が出て、花粉症がひどくなって…学校生活が始まって環境が変わり、すごくストレスがあるんだろうなって、すごく心配していました。
そこに次男の癇癪と登園しぶりが重なって、個別相談に行って、悩んで悩んでやっと受講した感じだったのですが、もしあのままだったらどうかな?と考えたら…。
毎日困ってたし、怒ってたし、毎日泣いてたかもしれない。いつも正解を探してどうしようどうしようって思っていたと思います。それに、もしあのままだったら、息子に二次障害が出ていてもおかしくなかったと思います。
「発達障害」というすごいマイナスのイメージとは真逆の、一人一人のよさというか、この子はこれで素晴らしいんだというようなことに気づけました。
あとは、学校についての「学校なんて行って当たり前だし、できて当たり前だし、学校へ普通に通えなかったら人生終わり!」みたいな当たり前が、ずっと私の中にはあったんですけど、それもかなり崩してもらえて。
長男は今でも、「う〜ん、我が道行ってるな!」って思うけれど、多分最後には大丈夫だろう、っておおらかに見守れるようになったかなって思います。
相談できる仲間の存在と、自分でもなんとかできる!と思えるようになりました
ーーBさん:私も皆さんと同様にいくつかあるのですが、いざとなったら石澤さん(お母さんの小学校主宰)や仲間に相談できるという安心感、心強さはとても大きいです。
あとは、知的障害っていうことを受け止められるようになりました。発達障害や自閉のことも受容できるようになってきた自分がいるかなと思うと、自分自身も成長しているんじゃないかなって思います。
編集部:発達障害・グレーゾーンの子どもにとって、就学は大きな出来事だと思いますが、「我が子の専門家ママ」でいらっしゃるみなさんは、どんなことがあっても、家庭でママがなんとかできる!という強い軸を持っていらっしゃいますね。とてもかっこいいです!
本日は、貴重なご経験をお話くださり、本当にありがとうございました。
小学校入学後も、子どもの困りごとを自分で解決できる「我が子の専門家ママ」
発達障害・グレーゾーンの子どもの就学は、親がどう動くか?にかかっていることが、ななほし広場のママたちのお話からわかりました。
そんなとき、「私はこんな風にしたよ!」と教えてくれる先輩ママの経験が、とても力になります。今回の座談会でも、今まで周りに相談できなかったお悩みを「わかるわかる!」と共感しあえる仲間の存在に、大きな勇気をもらいました。
ななほし広場には、様々な特性の発達障害・グレーゾーンの子どもを育てる先輩ママたちがたくさんいます。相談できる人がおらず孤独感を抱えているママ、ぜひななほし広場を訪れてみてください。
また、どんな学校・学級に通い、就学後にどんな困りごとが起ころうとも、ママが我が子の特性を理解し支援していくことが、発達でこぼこキッズを伸ばすために何よりも大切なことなのかもしれません。
あなたも、我が子の困りごとは、ママである自分が解決できる!というブレない軸を手に入れませんか?
編集者:ななほし広場編集部
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