名前を呼んでも振り向いてくれずイライラ。つい「ねぇ聞いてる!?」と怒ってしまうことはありませんか?それは、まだ子どもの脳に返事をするというネットワークができていないだけかもしれません。子どもが振り向くようなる声かけの仕方をお伝えします。 |
名前を呼んでも振り向かない日々にイライラ
お子さんの名前をいくら呼んでも振り向いてくれず、困っていませんか?
我が家の息子が幼児だったころ、いくら名前を読んでもなかなか反応してくれませんでした。
当時幼児だった息子は、発達障害があるかもしれない、グレーゾーンかもしれない、そのような認識でした。
もしかしたら聴力が弱いのかもしれない!と、わざと「救急車だ!」「蜂だ!」など、息子の好きな単語を遠くから言ってみることも試しました。
すると、「えっ?」とすぐに振り向くのです。
やっぱり聴力は大丈夫だった…と安心する一方で、『どうして私が呼んだときは返事をしてくれないんだとう』と余計にイライラしてしまいました。
名前を呼んだあとに、
・「おやつのゴミを捨ててね」って言いたいだけなのに…
・「お茶を用意したよ」って伝えたいだけなのに…
・ごはんの用意できたから来てほしいのに…
また、わざと急いでいる声の調子で話しかけても、やっぱり返事をしてくれない!
このような日々が当たり前。
名前を呼んだあとのたった一言を伝えたいだけなのに、どうしてこんなに大変なの?
イライラが募り「ねぇ聞いてるの!?」「さっきから呼んでるんだけど!」と、つい怒鳴ってしまい、子どもが驚いて泣いてしまう、という日もありました。
ですが、私の声かけの仕方を変えると、息子が1回目で「なぁに?」と振り向いてくれるようになったのです!
今回は、幼児の頃、いくら名前を呼んでも振り向いてくれなかった息子が、どのような声かけの仕方をしたら「なぁに?」と返事をしてくれるようになったのか、具体的な方法をお伝えします。
どうして名前を呼んでも振り向かないの?
過集中の状態
私が名前を呼んで返事をしないことが多かったのは、主に、テレビを見ているときと、おもちゃで遊んでいるときでした。
息子の場合、発達障害やグレーゾーンの子どもに多いと言われている過集中が、返事をしない理由の1つでした。
過集中とは、文字の通り、物事に過度に集中しすぎてしまうことを言います。
以前、幼稚園のお友達数名で、公園で遊んだことがありました。
はじめは一緒に砂場で遊んでいたお友達が、お腹をすかせて次々とお母さんのもとへ帰って行くにもかかわらず、息子はその後30分、1時間経っても、全く砂遊びをやめようとしなかったのです。
当時は過集中という言葉を知らなかったので、『息子はすごい集中力があるぞ…!』と思う反面、なかなか遊びが終わらない、という他の子どもとの違いに気付いてショックを受けていました。
長所もあれば短所としても表れてしまう過集中があった息子に、テレビを見ていたり、おもちゃで遊んでいるときに、遠くから名前を呼んでも振り向くはずがなかったのです。
脳のネットワーク
また、名前を呼んだら「なぁに?」と振り向かないということは、
・名前を呼ばれた
↓
・名前を呼ばれてことに気付く
↓
・返事をする
という脳のネットワークができていなかったのです。
子どもの脳はまだ未熟で発達途中です。
できない、ということは、まだ脳のネットワークができていないだけ。
ならば、ママの声かけを工夫して、子どもの脳に届きやすい方法で、同じことを何度も繰り返して脳のネットワークを強く太くしていけばいいのです。
子どもが振り向く声かけの仕方
近くで視線を合わせる(アイコンタクト)
まず、ママがお子さんの近くまで行きましょう。
私もよくやりがちだったのが、キッチンから声をかけてしまうことでした。
遠くから名前を呼ぶとどうしても声が大きくなり、怒っていないのに怒っているように聞こえてしまう可能性があるため、できるだけ手を止めて、ママがお子さんの視界に入ってアイコンタクトをとるようにしましょう。
笑顔と優しい声で名前を呼ぼう
大人もそうですが、イライラと忙しそうに説明する上司よりも、穏やかに笑顔で説明してくれる上司の方が、話しを聞きたいと思いますよね。
子どもも同じです。
笑顔で・優しく・ゆっくりと
これだけで、ママの声がスッとお子さんの脳に入りやすくなります。
振り向いてくれたら喜びましょう
アイコンタクトと3つのポイントを意識して、お子さんが返事をしてくれるようになったら、必ず笑顔で「お返事してくれて嬉しいよ〜」などと喜びましょう!
返事をしたらママが笑顔で見てくれるというのは、お子さんにとって嬉しいことですよね。
するとそれがご褒美になり、返事をするとママが喜んでくれる!と脳が覚えてくれます。
すると、ママの声がお子さんの脳に入りやすくなり、名前を呼んだらすぐに振り向く、という脳のネットワークが強くなっていきます。
そして数ヶ月後、不思議なことに、たまに少し離れたところから名前を呼んでも、一度で返事が返ってくるようになったのです。
これだけ手順があると難しく感じるかもしれませんが、
『近くに行って優しく名前を呼ぶ』これを意識するだけでも子どもの反応が違ってきます。
お子さんの可愛い「なぁに?」をぜひ引き出してあげてくださいね。
聞く耳が育っていくと、幼稚園の集団生活も、今よりももっとスムーズに過ごせるようになっていきますよ。
お子さんとの笑顔の時間が昨日よりも増えますように。
執筆者:佐藤なみ
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