ゲームに負けると泣いて癇癪を起こす子どもへの対応とは?

発達障害や発達パステルの子どもたちは、勝つことにこだわりがあったり、ゲームに負けるとすぐ泣いたりぐずったりしやすいですよね。せっかく楽しく遊んでいたのにその場の雰囲気が悪くなってしまうことも。ゲームに負けると泣いて癇癪を起こすお子さんの対応は、おうちでのコミュニケーションがポイントですよ。

負けるとすぐ泣く息子

我が家の息子は当時3歳。幼稚園に入園したばかりでした。

息子は簡単なゲームやじゃんけんが好きで「やろう!やろう!」と言うのですが、1回でも負けるとすごく不機嫌になり泣いてしまいます。そしてなだめればなだめるほどよけいにひどくなり、癇癪を起していました。

いったいどうしてこんなに泣くんだろう?

息子を見ていると泣いてしまうシチュエーションは3つありました。

◆予測ができずに泣く

息子は朝の登園準備をしながら、Eテレの「ピタゴラスイッチ」を観るのが好きでした。

その中にじゃんけんのコーナーがあり、ボールが転がって、グーチョキパーの何処かに当たり、そのじゃんけんに勝てるかな?というものなのですが、

まだ予測が出来ない息子は当てずっぽうで出すので、よく負けていました。

すると、登園準備中「なんでー!!」「僕が勝ちたかったのにー!!」とぐずりだし、機嫌が悪い日は大泣きに。

せっかく気持ちよく登園準備をしていたのに、こんなに泣いて無事出発できるかしら…と私は毎朝、胃がキリキリしていました。

◆勝負を教えようとすると泣く

二人でカルタ遊びをしていたときのこと。

私が読み札を読みながら、息子と二人で対決。

負けたら泣くことは分かっていましたが「あまりにも取らないのもつまらないかな?勝ち負けも少しは教えないと」と思い、私も「はーい」と取りました。

すると「なんでママがとるの!!僕がとろうと思ったのに!!」と大泣き。

「そうだね、取りたかったね」と言っても後の祭りで、カルタを最後までやることはできませんでした。

◆負けそうになると放棄する

近所のお友達とストライダーの競争をすることになったとき、負けそうになると途中でレースを放棄

戻ってきても「もうやらない」「僕が勝ちたかった!!」とぐずりだしました。

年上のお友達だったので「じゃあいいよ。ハンディつけてあげる!」とフォローしてくれましたが、このまま年中さんになったときに、息子はお友達とうまくやっていけるだろうか?と不安になってきました。

このように、ゲームに負けるとすぐ泣く息子に、どう接したら良いのか悩む日々でした。

どうしてそんなに泣いちゃうの?

「ゲームに負けることもあるんだよ」と教えてあげることは必要ですが、まだ理解が難しい子どもに口で説明をしてもなかなか伝わりません

まずはお子さんに寄り添い、発達に合わせた対応をすることで、子どももママも楽しく、気持ちよく過ごすことができます。

では、どうしてそんなに泣いてしまうのか、くわしくお伝えします。

◆脳が成長途中

負けるとすぐ泣いてしまうのは、お子さんの脳がまだまだ成長途中だからです。

特に幼児期は「負ける」「間違える」という刺激を嫌います

気持ちを言葉にする脳のエリアも成長途中でうまく言葉にできず、泣くことで自分の気持ちを伝えます

発達障害や発達パステルの子どもたちは、脳の得意と苦手の差が大きいこともあり、少し先の未来を想像するような予測が苦手という特性もあります。

予測ができずに突然負けてしまった!という感覚になることで激しい癇癪になったり、

負けそうになると分かったとしても「負けてしまうかも」という不安がすごく大きくなり、負けたくない、負けを認められないという気持ちから、自ら途中でゲームを放棄してしまうんですね。

◆負けることの理解が未発達

脳の発達が進み考えるネットワークが育ってくると負けを認めることができます。

しかし、まだうまく使えていない段階では快(勝つこと)、不快(負けること)に反応しやすく、どちらになっても大きなリアクションが出てきます。

特に発達障害やグレーゾーンのお子さんは「勝ちにこだわる」ことがありますので、負けることもあるということを理解できないことがあります

では、まだ脳の発達が未熟で、負けるとすぐ泣く子どもが、気持ちよく負けを認めるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?

実はとっても意外な方法でできるようになるんですよ。この2つのポイントを試してみてくださいね。

おススメの対応2選!

◆満足するまで勝たせてあげる

じゃんけんでも、カルタでも、レースでも、とにかくお子さんを勝たせてあげます

本人が満足するまで勝たせて続けてあげると、そのうち勝つことに飽きてきます。その満たされる体験が大切なのです。

そして、本人が満足したタイミングでこちらが勝つことも少しずつしていきます。

最初は悔しい顔をすると思いますが、ぐずる、泣くということは減ってきますよ。

これは子どもにとって「勝ちをゆずる」という成功体験になり、それがお子さんの自信にもつながります。

勝たせてあげるという経験は、幼稚園の中やお友達が一緒のときは難しい経験です。
まずはおうちの中でお子さんと楽しくやれたらいいですね。

◆ゲームの過程を褒める

じゃんけんでもゲームでも、つい勝ったことに「すごーい!勝ったね」と言いがちですが、それまでの過程を実況中継のように褒めてあげると、勝ちへのこだわりが減ってきます。

例えば、「一生懸命考えてじゃんけん出したね!」「すごく考えてるね!」など、取り組んでいる過程を認めてあげるのです。

我が家の場合は、ピタゴラじゃんけんを観ているとき、ボールが転がってくる様子を息子が「ここからボールがきて…」と自分で考えているときがありました。

私は「ボールが転がるところを考えていたの?すごいね!!」と褒めました。

すると、次の日から同じように解説するようになり、その日からじゃんけんに負けても泣かなくなったのです。

カルタも同じように「一生懸命さがしてるね」「すごい集中してるね」など取る前の過程を褒めることで、私が取っても「あー悔しいー!!」と笑顔で言うようになりました。

すると、お友達とのレースでもぐずる回数が減ってきました。

子ども同士の遊びの中では、お友達からの刺激が他にもあるので泣くこともありますが、飽きるまで勝たせる勝つことではない部分を褒めるの積み重ねで、予測や「負けを認める力」がついてきて、友達同士でもぐずることが少なくなってきたのだと思います。

このように、勝ち負けをさとしたり、泣いてしまうことを叱ったりしなくても、

1、満足するまで勝たせてあげる。
2、ゲームの過程を褒める。

というコミュニケーションで、予測する力や感情のコントロールを発達させることができます。

脳は楽しいと感じていいるときに理解し成長しますから、ぜひ楽しみながらお子さんのサポートをしてあげてくださいね♪

今日もお子さんとの楽しい時間がすごせますように。

執筆者:宮代さちこ

3歳の癇癪やぐずりに悩んでいたらぜひ一度読んでみてください^^▼

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