妻が褒めたつもりで言っても、うまく伝わらないせいで夫からは文句で返され、喧嘩になりやすい…。そんなアスペルガー傾向の夫に悩まされ、もう無理!と思う事もあるけれど、本音は夫婦円満になりたい。そんな褒めが伝わらない夫に伝わりやすい褒め方には、ちょっとしたコツがいるんです。 |
夫婦円満に程遠い…アスペルガー傾向の夫の暴言に耐えるだけの妻でした
アスペルガー傾向の夫の暴言の悩みを解決するために、これまで<前編・後編>では「暴言の原因となる特性を知る」「暴言を責めずにうまくかわす対応法」をお伝えしてきました。
▼▼<前編・後編>はこちらから▼▼
この<続編>では、妻を悩ませる「会話が伝わらない」アスペルガー傾向の夫と、夫婦円満を目指す会話のコツをお伝えしますね。
我が家では、私がアスペルガー傾向を持つ夫の特性への理解を深め、対応を変えたことで、現在は怒りと暴言の頻度が劇的に減り、いろいろあるけれどでこぼこファミリーなりの幸せな日々を叶えられています。
けれども、ここまで一足飛びにいけたのでは決してありません!
夫にアスペルガー傾向があるかもしれない?と気づいたばかりの頃は、
“夫自身に自覚はないし、こういう話題には聞く耳を持ってくれない…”
“普通と違う感じ方なら何が怒りの火種になるのかわからない。極力話しかけないでおこう…”
“こう、と思ったら考えを曲げられない夫の偏った価値観を「常識」としてを子どもに植え付けられたらどうしよう…”
“病気じゃないから治るわけでもない。この先、私のストレスも変わらないなら離婚した方が幸せ…!?”
とばかり考え、「夫がアスペルガーかもしれない」こと自体に悩み過ぎて、追い込まれていた時期もありました。
離婚や別居以外には、自分が「耐える」しかない…?
そして「夫がアスペルガーかも」で調べて手に入る情報は、離婚や別居の体験談ばかり。
実際に、身近に離婚を決断した人もいました。
「うちの夫と似たタイプだね~」と同じような悩みを時々言い合うママ友がいました。そのママと久しぶりに会ったとき「実は、離婚することが決まった」と聞いたのです。
「離婚の相談のときにカウンセラーさんに旦那のことを話したら、アスペルガーなんじゃないか、と言われて。旦那の理解できない言動が多すぎて限界だったから、あぁやっぱり…と納得した」と聞き、「同じ悩みを持っていたSさんの旦那さんもアスペルガー!?そして、離婚するの…!?」と、二重のショックでした。
そんな経緯もあり、「みんな悩んでの末、仕方ないことなんだ…。けれどアスペルガータイプの夫は悪気があっての言動じゃないから、結婚生活を続けるには自分が我慢するしかない」
と、いかにして自分が耐えるかばかりを考えるだけ、夫婦関係を良くすることは諦めた日々を過ごしていました。
しかしそんな耐えてやり過ごすだけの日々が、脳を育てるコミュニケーションとの出会いをきっかけに「大人の脳もまだまだ変われる」と諦めない道の模索へと、私自身が少しずつ向かっていけたのです。
アスペルガータイプの夫への「褒め」が「喧嘩」になる理由
コミュニケーションを学んで自分の対応を変え、ひどい癇癪で困っていた子どもにすぐに良い変化が現れる中、夫にも試してみよう!と夫との会話にも「褒めを意識したポジティブな声掛け」を試しました。
ところが、夫へはなかなかうまくいきませんでした。
「〇〇してくれたんだね、ありがとう~」「〇〇したんだね~」などと言っても、
「そもそもお前がやるべきことだ。お前が役に立たないから、どうとかこうとか…」と始まり、うまく伝わらない会話のパターンになってしまう。せっかく褒めてみたのに、何だか残念な反応…。
むしろ夫から返ってくる言葉がひどくて私がイライラしてしまい、口喧嘩になってしまうことまでありました。
暴言が出ている夫との会話には「準備」が必要
なぜうまくいかなかったのか?
それは私が、夫とのコミュニケーションを整える順番を間違っていたからでした。
子どもの癇癪には、ポジティブな会話から入ってすぐにうまくいったのですが、夫は「大人」。
子どもと同じ対応でただマニュアル通り「褒めてみよう」としても、そう簡単にはいかず、褒める前に準備の段階が必要でした。
あなたも口喧嘩ばかりの夫婦関係を円満にしたくて色々と調べ、夫へ「今日から優しく話しかけよう」など試みたことが何度もあるのではないでしょうか?
…けれども恐らく、うまくいかなかったですよね。
アスペルガータイプの夫、とくに現在、暴言が日常的に出ているほどストレスを抱えている夫には、とくに準備が必要です。
では「褒める前の準備」とは何か?
それが、<前編・後編>で述べた「夫の特性を理解する」「責めない対応」です。
それをしてからでないと、夫婦円満につながる「褒め」の会話が夫へ伝わりません。その後に、次に述べる「褒める」ステップに進んでくださいね。
アスペルガーの夫と喧嘩を回避して夫婦円満になれる「伝わる褒め方」2つのコツ
暴言が落ち着いてきた夫と、もっと夫婦円満な関係になりたい。「なかなか伝わらない夫へ、どう伝えればいい?」と考え、我が家のアスペルガータイプの夫に効いた褒め方のコツをお伝えします。
【アスペルガー夫と夫婦円満になる会話のコツ1】「コト・モノ」で妻のポジティブな感想を伝えよう
1つ目の伝わる褒めのコツは、夫がした行動を直接褒めるのではなく、
夫がしてくれたことの「コト・モノ」に対して、
妻が「どんな風に良かったか」を言うことです。
△:妻「〇〇を買ってきてくれて、助かったよ~」
:夫「そもそも自分で買って来いよ。これぐらい買うことも覚えてられないのか?」
↓
〇:妻「パパがこの前買ってきた〇〇、使いやすかったよ~」
△:妻「もう洗濯ものを畳んでくれたんだ~」
:夫 「お前がのろいから俺が代わりにやってやった。家にいるくせに役に立たないやつだな」
↓
〇:妻「わぁ、ていねいに畳まれてる。この形の方が仕舞いやすいね~」
“△”の方で声掛けをすると、夫から余計なひと言が返ってきがちですが、“〇”の方で声掛けをすると、「だろ~?」と得意げな反応が来ます(笑)
アスペルガータイプの夫は「相手の気持ちは伝わりにくく、自分基準」なので、「~してくれて嬉しい」という妻の気持ちを伝えるよりも、「夫がやったことは良かった、ということを具体的に伝える」方が響くようです。
【アスペルガー夫と夫婦円満になる会話のコツ2】「ありがとう」はシンプルに伝えよう
そして、アスペルガータイプの夫に「ありがとう」を言うときは、シンプルなやり取りにしましょう。
夫「(何かやってくれた)終わったよ」「〇〇買ってきた」
妻「ありがとう~」
というように、ポイントは、ありがとう「だけ」を言うことです。
大人同士の会話なので、つい他の言葉も入れてしまいがちですが、妻が何気なく発したフレーズの中に「夫にとってひっかかる言葉」があった場合、思考がそこへ行ってしまい、肝心の「ありがとう」が伝わらないことがあるからです。
せっかくの「ありがとう」が伝わらないのはもったいないですよね。アスペルガータイプの夫へ伝わる「ありがとう」を発していきましょう。
夫のポジティブな言葉から「肯定」で会話を広げよう!
そして、このようなコツをおさえた対応を重ねていくと、夫から自然と「これ、いいじゃん」「〇〇してみようかな」などのポジティブな言葉が出るようになってきます。
そこがチャンス!夫の言葉を「そうだね。いいと思うよ~」とどんどん肯定して、夫婦円満な会話を増やしていきましょう。
すると、ちょっとイライラすることがあっても、<後編>のポイントででお伝えしたような「〇〇はこうなるから大丈夫だよ」と、妻が見通しを立てる声掛けをしてあげるだけで落ち着いて、文句や暴言を吐くことが自然と減っていきますよ。
現在のあなたの状況はどうですか?
もしかしたら、コロナ渦で夫と一緒にいる在宅の時間が増え、子どものことよりも夫とのストレスに悩んでいるかもしれませんね。
我が家も、夫との関係で悩んでいたときは休日…いえ、平日帰宅後の少しの時間に一緒にいるだけでも、苦痛で仕方がありませんでした。
それが今では、子どもと「パパが帰ってきたら、一緒に何して遊ぼうか?」と夫の帰りを笑顔で待てる家族になりました^^
我が家もまだまだ成長途中。あなたも「家にいる」ことが多いこの時期に、まずは家族に伝わるコミュニケーションを学ぶことから始めてみませんか?
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