卒園式の練習がイヤ…と言う発達障害・グレーゾーンの子どもへの対応〜おうちでのママのコミュニケーションがカギ

3月に入って「幼稚園行きたくない」と呟いた子どもに戸惑っていませんか?発達障害・グレーゾーンのお子さんにとって、卒園式の練習は想像以上に苦痛を伴うもの。笑顔で卒園式を迎えられるよう、お母さんのお家でのコミュニケーションを見直してみませんか。

卒園式の練習で、疲れていませんか?

3月に入り、いよいよ幼稚園生活の締めくくり「卒園式」が近づいてきましたね。
お子さんの成長をしみじみと感じる節目であると同時に、発達障害・グレーゾーンの子どもたちにとって最も辛いシーズンの一つなのではないかと思います。
園によっては普段、自由保育を大切にしていて、一日中遊んで過ごす!というところもありますよね。 お子さんのことを思って、そういったのびのびした園を選んだ、というお母さんも多いのではないでしょうか。
そして、そんなお子さん思いのお母さんほどこの時期はきっと辛いはず。なぜなら、どんなに自由保育をうたっていても「卒園」という大きな節目だけはけじめを付ける!そんな園がほとんどだからです。
いつも自由に遊んでいたのに、年長のこの時期になって、卒園式の練習が大詰めになります。
あなたのお子さんは連日の卒園式の練習で、「幼稚園行きたくない!」「幼稚園イヤだ!」と言ったりしていませんか?
もしかしたら、いつもの幼稚園の日課とは違う卒園式の練習という特殊な環境に、疲れているのかもしれませんね。

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発達障害・グレーゾーンの子どもはなぜ、卒園式の練習がイヤなの?

座っていなければいけない
聞いていなければいけない
動いてはいけない
返事をしなくてはいけない
決められた通りに動かなければならない
どの子にとってもこの「ねばならない」時間は楽しい時間ではありません。
特に、発達障害・グレーゾーンの子は、普段と違うことに強いストレスを感じる子です。
さらに、動きたくて動きたくて仕方のない子にとっては、卒園式の練習ばかりの時間が修行のようなものになります。
いったんはおさまっていた「幼稚園行きたくない…」が再発してしまうご家庭が急増するのがこの時期のあるあるなのです。
お母さんとしては、春や夏休み明けの行きしぶりに比べて、あと少しだから頑張らせなきゃ!という焦る気持ちが押し寄せてしまいます。
そうすると、お母さんのその不安な気持ちがお子さんに伝染して、余計に行きしぶりが強くなる…という負のスパイラルが起きてしまいます。
行きしぶりを脳科学的な視点で捉えると、脳の発達が未熟な場所で本人に対処不可能なことが起こったときに「もう無理〜頑張れない〜!」という反応として出てきます。
ということは、脳自体を発達させて、気持ちのコントロールができる脳を育ててあげれば、乗り越える力がつく!ということになります。

もうすぐ卒園のいま、お母さんにやってほしいお子さんとのコミュニケーションとは?

お子さんの脳自体を発達させる! その鍵を握るのは、じつは普段の生活の中でのお母さんとのコミュニケーションなのです。
お母さんがお子さんに対してたくさん「褒め」を行うことで、自ら行動できるお子さんの脳ができていきます。一番身近なお母さんに褒められることによって、お子さんは自信がつきます
するとお子さんは自主的に行動することができるようになります。行動できるようになると、さらに脳を発達させることができる!いいことの循環になります。

では、具体的な声かけを、場面別でお伝えしていきますね!

◆朝、「幼稚園いきたくない」と言ったら…

「そうだよね。行きたくないんだね」とイヤな気持ちをはき出させてあげましょう。

どうして行かないの?こうしたらいいよ!など、質問やアドバイスをしたくなりますが、ぐっとこらえて、お母さんはその気持ちをただただ受け止めてあげることがポイントです。

◆幼稚園から帰ってきたら…

卒園式の練習をがんばっていることを褒めてあげましょう!
「幼稚園、がんばって行ってきたね!」
「卒園式の練習やってきたんだね!」
など、幼稚園に行ってきたこと、卒園式の練習に参加したことを伝えるだけで大丈夫です。

そして、日常生活の行動をこまめに褒めて、肯定的な注目の量を増やしましょう。

「ごはんだよって言ったらテーブルに来れたね」
「自分でスプーン使えたね」
「一口食べれたんだね!」
「もうご飯は半分も食べられたんだね」
「コップでお水も飲めたね!」
「もうご飯は全部食べられたんだね~!」 パチパチパチ・・・
この「実況中継」は、子どもの様子を見たまま言葉にするだけで、7倍褒められちゃう魔法のテクニックです。
普段できている行動はスルーしがちですが、ここを褒めるとお子さんのやる気と自信、心の安定にもつながります。

◆夜、寝る前は…

「夜のスキンシップ」 は脳にダイレクトに安心感をインプットします。

・一緒にお風呂に入る
・絵本の読み聞かせをする
・ほっぺをスリスリする
・手を繋ぐ
・膝に乗せる
寝る前に、お母さんとスキンシップをとることで、安心して次の日の朝を迎えることができますね。
毎日のお母さんとのコミュニケーションで、発達障害・グレーゾーンの子どもに安心感を与えて、卒園式への不安を減らしていきましょう!

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執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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