不登校の兄弟がいる年長さん。小学校に入学をしても不登校の連鎖がお母さんは心配になりますよね。息子も小学校には行かない!と宣言していましたが、私が入学まで2つの対応を決めたことで楽しく入学を迎えることができました。その対応をお伝えします。 |
不登校の兄2人と「小学校行かない!」と宣言していた年長の息子
我が家は小学校5年、3年、1年の男の子の3兄弟がいます。そのうち5年生と3年生の兄が不登校です。
長男が行けなくなったのは、3年生の春。
あるときから長男が、激しく登校を拒否。あの手この手でなんとか行かそうとする私、それでも行かない息子に声を荒げる姿もありました。
そして次男も行きしぶる日々。
1人なら子どもの特性が原因だから仕方ないと受け入れられたとしても、兄弟も不登校になったら…
周りからもどんな目でみられるんだろう。
やっぱり次男はなんとか行かせなくては…
しかし必死になるほど、次男をどんどん追い詰めていたのかもしれません。次男も少しして完全に行けなくなってしまいました。
兄弟で不登校になるということは、母親としての自分をすべて否定された気持ちでした。
やっぱり私の育て方が悪かったんだ、私のせいだ…そう自分を責めました。
周りからもあそこの家はダメだと思われているんじゃないかと思い、私自身も外に出ることが怖くなった時期もありました。
そしてそんな姿をずっと見てきた三男。そのときの三男は年中さんでした。
だから三男にとって学校という場所は、怖い…、自分もきっと行けない…そんな風に思っていたと思います。
年長になり小学校入学の話が出てくるころには、「俺も小学校行かない!」と宣言をしていました。
不登校は兄弟の連鎖が起きやすい?
兄弟で不登校ということは決して珍しいことではありません。
まず、不登校になる原因としては、
発達にでこぼこがある場合、みんなと同じように、同じことをやらなければならない学校という場所での生活が苦痛になりやすい。
もしくは人一倍敏感なタイプの子であれば、たくさんの人の中で過ごすということ自体が、ものすごく疲れてしまうことがある。
そんなふうに、不登校はもともと持っている本人の特性にかなり影響されることだと思います。
しかし、普通であれば、学校に行くのが当たり前。
少し嫌なことがあっても、学校には行かなければならないという環境であると思うので頑張って行こうとするでしょう。
しかし、すでに行かないという選択をしている兄弟がいる。
そうなれば、学校に行かないという選択肢が身近にあるので、そちらを選ぶ可能性も高くなります。
ましてまだ低学年であれば、行かないことで将来どう影響するかなど、先のことを考えることも難しいですから、なおさらお兄ちゃんだけずるいとなってしまうでしょう。
こう考えると、不登校の子どもがいる場合に下の兄弟だけが学校に行くというのは、他の子よりもハードルが高いとわかります。
ですが、だからといって兄弟で不登校になることは簡単に受け入れられることではないと思います。
私自身も、次男も行きしぶっているときは、本人の気持ちを考える余裕がほとんどありませんでした。
しかし少し時間がたち、本人たちの気持ちを考えることができるようになったことで、三男にも、どう対応したらいいか考えられるようになりました。
もし結果不登校になるとしても、少しでも学校生活も楽しんで欲しい。
そういう気持ちで、入学まで私が半年かけてやった対応で、三男は入学を楽しみに迎えることができ、入学後も一度も学校に行きたくないということはありません。
不登校宣言をしていた息子に何をしたのか、お伝えしますね。
親子で前向きになるために今してほしい対応は2つ
楽しそうなイメージを持たせる
息子の小学校に対するイメージがよくないことはわかっていたので、そのネガティブなイメージを塗り替えることを意識していきました。
これは保育園の先生にも協力してもらいました。
あらかじめお願いしておくことで、お友達と一緒にいる中でみんなで小学校楽しみだね~という雰囲気をつくる声掛けを色々としてくれたようでした。
家でも「学校の図書館には本がたくさんあって好きなのを借りれるんだよ」と話したり、「学校ではパソコンも使うんだって、すごいね~」など。
あとは、息子は平仮名がまだ書けませんでしたが、数字の理解は得意だったので、簡単な足し算ができたときは、
「もう足し算できるんだね!足し算は1年生で習うんだよ。もう1年生になれちゃいそうだね」
そんな話もして、小学生って意外と簡単なんじゃないかとハードルを下げてあげる声掛けもしていました。
不安をやわらげ自信をつけさせる
そしてなにより大事なのは、子ども自身に自分って結構いけてるんじゃない?くらいの自信を持たせてあげることです。
不安は行動にも影響します。
もしかしたらできないかもしれない、小学生になれないかもしれない、そんな気持ちがあれば、子どもはますます行動することができなくなります。
私はこの頃には正直、不登校でも仕方ないと覚悟を決めていたので「小学校行かない」発言に対しては、
「そっか~」「そうだね~そう思うよね」と否定もせず、不安があるんだなとなるべく受け止めるようにしていました。
その代わりにとにかく自信をつけてあげることを意識しました。
今できていることをしっかり褒めてあげることです。たくさんの褒めポイントを探し日々声をかけ続けました。
そして大きく自信をつけたなと感じたのは、最後の運動会でした。
年長では、障害物競走で縄跳びと逆上がりの課題がありました。
練習前は縄跳びも逆上がりもできない息子。
ただ何とか、できたという体験をさせて自信をつけさせたいと思い、スモールステップで声をかけていきました。
逆上がりはハードルが高かったので、縄跳びに目標を絞り、
「上手に縄を回せるようになったね!」「1回飛べたね!」とできるようになっていることを伝えながら一緒に練習をしました。
逆上がりはできませんでしたが、縄跳びは課題の5回連続飛ぶというのをクリアし、そこですごく自信をもったことが私も伝わってきました。
それからは、小学校行かない発言はなくなり、学校の運動会も楽しみという発言もでてきました。
講座で学ぶ前だったら、縄跳び5回くらいできて当然だよ。逆上がりもできるようにならないと。という対応をしていたかもしれません。
苦手なことで小学校が嫌にならないように、今のうちにできることを増やそうと考える気持ちもわかります。
ですが、できないことばかりに目を向け自信を失わせてしまうよりは、できていることを肯定し、もっとやってみようかなと思う気持ちを引き出してあげることの方が今はずっと大事です。
君ならきっと大丈夫。そんな気持ちをもって、入学を親子で楽しみに待てるようにしてほしいなと思います。
息子は苦手なことも、たくさんありますが、それでも今のところ学校には楽しく通うことができています。
朝、ゲームやYouTubeを見ている兄たちを横目に、「わーこんな時間だー」と言いながら切り替えて学校に行く姿には私も感動してしまいます。
兄弟で不登校を心配されているお母さん。
もし学校が合わなかったとしても、根底に自信があれば、きっと自らの道を探していけると思います。
心配は尽きないと思いますが、入学までまだあと5か月あるこの時期にしっかりと自信を育てることをぜひやってみてほしいなと思います。
執筆者:岡村由美
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