発達障害・グレーゾーンの子どもに薬が必要なのか?と悩んでいるママへ。お薬での治療は、発達障害・グレーゾーンの子育ての脇役です。お薬を使う目的は一体何だろうという視点とともに、子どもの未来を明るくする、こんな薬との付き合い方を提案します。 |
薬剤師ママも悩んだ…我が子に薬を飲ませるかどうか?
小学校3年生になった私の息子は、注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンで不注意の傾向がとても強いタイプです。
困りごとがないか?と聞かれれば、「えぇ、ありますとも!」と答えざるを得ません。
過去に“今の息子の状態を知りたい”という目的で医療機関を受診したとき、お医者さんから「薬物治療を考えていますか?」と尋ねられた経験があります。
「え…お薬?」
このときの私の心情は、とても複雑でした。
もちろん気づいていたものの、やっぱり息子の状態はお薬を使っての治療を視野に入れても不思議ではない状態なんだな…と現実を突きつけられたように感じました。
お薬って…どうなんだろう…
息子のようにグレーゾーンであり、お医者さんからお薬での治療を提案された場合、どうすればいいんだろうと悩んでしまうお母さんは多いのではないかなと思います。
私は、薬剤師としてたくさんのお薬や患者さんと関わるお仕事をしています。
こちらの記事では、発達でこぼこキッズのママとして、そして薬剤師としての経験をふまえ、上手なお薬との付き合い方を提案したいと思います。
発達障害の薬物治療の心得
発達障害で使う薬ってどんなものがあるの?
まず、お薬の紹介をします。今一般的に使われているお薬には以下のようなものがあります。
・癇癪スイッチが入りづらくするお薬
・睡眠を助けてあげるお薬 など
少し解説します。どれも、発達障害を「治す」といった薬ではないですよね。
では何のために使われるかと言うと、あくまでも一時的な症状の改善ということを目的としています。
多動や不注意があったり癇癪を頻繁に起こしていたりすると、落ち着いて人の話を聞いたり、じっくり考えて状況を判断したり…ということが難しくなりがちです。
その点を改善していくことで、学習に取り組みやすくなったり、日常生活の困り感も減っていくということは想像しやすいですよね。
また、発達障害をもつ子どもたちは、そうでない子どもに比べて睡眠時間が短くなったり質が悪くなることが多いと言われています。
このように睡眠時間が短い子どもは、不安や攻撃性が強くなる、注意力が低くなってしまうなどの傾向があるそうです。
それを防ぐことを目的に、しっかり睡眠時間を確保するための睡眠改善薬も活躍しています。
睡眠についての情報はこちらの記事を参考にしてくださいね▼▼
薬物治療には「診断」を受け入れることがマスト
お薬での治療は、希望すれば誰でも簡単に受けられる!というわけではありません。
例えば、コンサータ®という薬は、ADHDの治療薬だということを国が決めているので、コンサータ®が飲めるのはお医者さんがADHDだと診断した人だけです。
診断なしにADHDのお薬は使えません。
つまり、私の息子がお薬による治療を選択した場合、それはもうグレーゾーンではなく「ADHD」だと診断してもらわなければならないということです。
お母さんは、診断を受け入れることが必須となります。診断の有無で悩まれている方はぜひこの点を押さえておきたいですね。
二次障害の心配が膨らんできたときに…
発達障害は、認知症のように進行性の病気ではないのですが、放っておくと二次障害(うつ症状やひきこもり、過度に反抗的な態度をとるなど)につながっていく可能性があります。
二次障害を起こしてしまうと、一般的にはまずそちらのケアから始めます。本来の生きづらさに対するケアはどうしても後回しになってしまうんですね。
「病気」や「障害」と表現するには違和感も多い、ただ少数派なだけである発達のでこぼこ。それが原因で、二次障害を起こしてこじらせてしまう大人はとてもたくさんいます。
予備軍かな…と感じている場合は、お医者さんに相談の上、こじらせてしまう前に早めにお薬の力を借りることを検討してくださいね。
あわせて読みたい!お薬になるかもしれない“幸せホルモン”をママの手で分泌させませんか?▼▼
大切なのは、お薬を飲んだその後!
お薬による効果は、体に合ってさえいればある程度期待できると思います。
ただ「この薬を飲めば、我が子の困りごとは解決するんだ…」とお薬の力を過信することはおすすめしません。
なぜなら、お薬が、発達障害キッズの持って生まれた特性を矯正するわけではないからです。
発達障害の治療において、お薬は脇役です。お薬による治療は、不注意な子どもに対し気が散るようなものを机の上に置かない!といった環境調整と同じくらい補助的なことです。
ですから、不注意が改善してよかった、癇癪が減ってよかった、夜ぐっすり寝られるようになってよかった…めでたしめでたし!にしないでほしいのです。
何よりも大切なことは、お薬を飲んで新しいことを吸収しやすくなった脳で、どれだけのことを学ぶかです。
学んだ結果、日常生活での困りごとが気にならなくなってきたら、お薬を飲むのをやめる時期を迎えます。
つまり、薬物治療には意外と近いところにゴールがあると考えてもいいと思います。
そして、子どもの未来は、薬物治療のゴールのもっと先にあるということを知っていただけたら嬉しいです。
子どもの脳を発達させるのは親子のコミュニケーション
お薬で発達障害を「治す」ことはできませんが、お母さんの言葉は子どもの脳を発達させることができます。
それでは、お母さんがどんなコミュニケーションをとればいいのでしょうか?
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ななほし広場にはママたちが困りごとを解決してきた記録がたくさんあります。
親子のコミュニケーションの力を、お薬に負けないママの言葉がけの効果を、ぜひあなたにも感じてほしいと思います。
よかったら、他のページものぞいていってくださいね。
新しいことを吸収できるようになった子どもの脳に、あなたはどんな言葉を届けたいですか?▼▼
執筆者:大塚 ひかり
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