気持ちのコントロールができない未就園児。特性なのか性格なのか悩んだときに、最初に知っておくこと

未就園児だと一緒に過ごす時間も多いので、子どもが気持ちのコントロールができないとき、どう相手をしていいのか手を焼くことはありませんか?性格なのか特性なのか、どちらを信じていいのか分からなくなったとき、知っておいていただきたいポイントをご紹介します。

気持ちのコントロールができない未就園児の息子との苦悩

みなさんのお子さんは、気持ちのコントロールができますか?

小学1年生になった私の息子は、今では自分で気持ちをコントロールできる部分も多くなってきましたが、特に3歳までは、感情的に振舞うことが多く、どう相手をしていいか手を焼いていました。

・こだわりが強い
・マイルールがある
・待つことができない
・思い通りにしたい
・気持ちを表現することが難しい

このようなタイプだった息子は、思い通りにならないときの気持ちのコントロールが苦手でした。

顕著に表れたのは、食事のときです。
・息子のリクエストに応えたのに、「これじゃない!」と大声で泣きわめく。
・ちょうどいいサイズ、温度でないと騒ぎ、足をバタバタして椅子が倒れそうになる。

そして、遊び場では
・自分が使おうと思っていたオモチャを持って行った子の手を掴んで噛む
・滑り台を滑らない、前にいる子を押す
などなど。

どんなに小さい子でも、知らない相手でも同じ態度なので、「あの子は怖いから、他で遊ぼう」と、見知らぬ親御さんに言われたこともあります。

どんな子どもだったとしても、子育ての苦労は人それぞれで、親なら誰にでもあるものだと思っていましたし、私は不妊治療で息子を授かり子育てに対する想いも強く、子育てを楽しめていない自分に後ろめたさも感じていました。

また、どちらかというと、問題は自分で解決しようとするタイプで、話下手でもありましたから、人に相談することはなく、周りに子どもの性格を理解していただけないなら、自分が子どもの一番の味方でなければ!と、いつも気負って過ごしていました。

どこにも解決方法を相談することもなかったため、息子が泣きわめいたり、暴れたりしたときには、慰めたり、静かに落ち着くのを待つしか手段はなく、毎度同じことの繰り返しで、最終的には感情的に息子に当たったり、グチグチ攻め立て、親子ともに気持ちがグッタリ。

チカラいっぱい泣きわめき暴れる息子に、子育てを投げ出したい日もありました。

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性格なのか、特性なのか?

子どものことを、個性だ、性格だと分かろうとしていても、発達障害の特性でないか?と周りから指摘されたり、自分で気づいたときには、性格なのか、特性なのか、どちらを信じていいのか分からなくなることもあると思います。

幼稚園、小学校と、人と関わる生活をする場所が増えることで、気持ちのコントロールができない性格が、一層強くなるのではないかと不安に思うことは、決して、おかしなことではありません。

性格と特性、どちらを重要視すればいい?

実際、私は息子が4歳のとき、ASD(自閉症スペクトラム)のグレーゾーンだと分かり、発達が関係していたのだと気付けたときには、これまでの悩みがスーッと引いていくような感覚がありました。

一方で、社会に出たら特性だと思われず、性格だと思われることのほうが多いのではないか?と想像したとき、性格と特性、どちらを信じていいのか分からなくなってしまいました。

答えは、どちらも重要。
書籍「よく分かる情動発達」に書かれていました。

ある種の情動経験の蓄積が、その個人が経験する関係性の展開に影響を及ぼすことを通じて、結果的にパーソナリティの形成に方向づけるという可能性も想定される

つまり、「特性故の気持ちのコントロールができないという状態での経験は、パーソナリティ(性格を含む人格)形成に関連する」ということです。

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性格はどうやって作られていく?

では、その性格は、どのように作られていくのでしょうか?

性格は、4重構造になっています。

①気質
生まれつき備わっている性格で、一生変わりません。

②狭義の性格
育てられた環境により、でき上がる性格です。
自己肯定感ができるのも、この時期です。

③社会的性格
社会に出て、どう振舞うかで作られます。

④役割性格
TPOや、相手によって使い分ける性格です。

幼いうちは、まだ性格が作られている最初の段階なので、気質の部分が強く現れます。
この気質が、特性です。

特性は、育っていく上で、強くすることも弱くすることも可能です。
社会に出て困らない特性は伸ばし、困りごとは減らせることが、親も子どもも、一番安心できますよね。

成長とともに、性格は変化してきますが、特に重要なのは、狭義の性格、6歳までの環境です。

この頃は、周囲の情報の良し悪しを判断できません。

大人は、自分に必要な情報だけを脳へ取り込み、良くない情報は排除するという、フィルタリング機能が働きますが、幼児期は違います。全ての情報を取り込んでしまうので、周囲の言葉や態度が、子どもの自己肯定感や潜在意識に影響していきます。

お母さんの小学校が大切にしていることも、環境やかかわり方です。
「困りごとへの対応方法」「指示出し」など、子育てのテクニックを教えてはいますが
最初にすることは、親子の関係性を整えることなんです。

気持ちのコントロールができるために

では、気持ちのコントロールが苦手という特性を、性格へ定着させないためには、どのように環境でサポートできるかを、お伝えしていきます。

①気持ちより行動にフォーカスする

気持ちのコントロールが苦手ということは、感情部分の発達がゆっくりであり、行動の切り替えが苦手な場合も多いです。

ですので、感情に訴えても、子どもに伝わりにくいことがあります。

例えば、公園から帰りたがらないとき
「ご飯の準備があるから困るの!」と親の気持ちを伝えても動きません。

ですから、次の行動がしやすいように声をかけていきます。

脳は、使えば使う程、同じやり方が強化されていくので、もし気持ちのコントロールができず、怒りがちであれば、怒ることが強化されている状態です

この状態を無くすには、怒らないで済むように、言葉かけなどで行動を切り替えるられるようにすることが、気持ちのコントロールができることにつながっていきます。

「帰るよ!」と言うと、怒り出す
→「〇時に公園を出られたら、好きなお菓子3つ選んで良いよ。」

お風呂が嫌で、暴れ出す
→「抱っこで行く?おんぶで行く?」

②気持ちに寄り添う

気持ちをコントロールするには、子どもが自分の体の中で起きている現象と、感情の名前が一致することが大事になってきます。

「今の気持ち=感情の名前」にならないので、パニックになることが、気持ちをコントロールできない要因の1つです。

子どもがプラスの感情のときには、「楽しかったね」「面白いね」などと、寄り添いやすいと思います。

では、マイナスの感情のときは、どうでしょうか?
子どもの気持ちを受け止められず、子どもに怒ったり、言い返したりしていると、感情の名前を学ぶ機会を失うことになります。

気持ちのコントロールには、このマイナスの感情を子どもが自分で理解できるかがポイントになってきます。

例えば、子どもが泣きわめいているとき。
「〇〇が嫌だったんだね」「〇〇できなくて悔しかったね」などと、子どもが思っていることを言語化します。

何で泣きわめいているか分からないときは、言語化する前に、何で泣きわめいているのかを観察し、考えてみてください。
もし分からないなら、優しく撫でたり、ギュッと抱きしめるだけでも大丈夫です。

最初は分かりづらいかもしれませんが、観察をしていくと、徐々に子どもの気持ちが分かるようになってくるものです。

とはいえ、子どもが気持ちのコントロールができるようにサポートするには、親が感情に飲み込まれないようにすることが必要ですよね。

お母さんが冷静でいられるとき、子どもの困りごとに向き合えるくらい気持ちが元気なときなどから、試してみてくださいね。

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執筆者:渡辺ひろみ

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