入学を目前に控えて「プライドが高い」「きょうだいにヤキモチを焼く」といった様子が見られて困っていませんか?それ、実は、自信がない子の特徴です!お子さんのSOSと捉えて、今からできることを始めませんか?入学までの1ヶ月でできること、ありますよ。 |
小学校入学に向けて、「自信がない子」にはいますぐ対応!
あっという間に2月も終わりに差し掛かりましたね。
年長さん親子は、4月の小学校入学に向けて準備を始めていらっしゃるところだと思いますが、
小学校入学に当たって、「自信がない」という様子が見られる子には、今すぐ対応が必要です。
「自信がない状態」で入学を迎えるのがよくない理由
自信がない状態では、実は人の脳は成長することができません。
人が成長するのに、自信を育ててあげるのは実は必須条件。
自信がない状態だと、本当はとってもいい力を持っていても、それを発揮することができないのです。
遊びが中心である幼稚園や保育園と違って、小学校は座って勉強する時間が1日の大半を占めます。
詳しくはこちらの記事で解説しています▼
自信のない状態=脳が上手に動かない状態
で、いくら5時間目までじっと座っていたとしても、その子の成長につながる時間は本当に少なくなってしまうのです。
自信がない子の特徴とは?
では、「自信がない子」にはどんな特徴があるのでしょうか。
意外に思われるかもしれないのですが、
「プライドの高い子」
「きょうだいにやきもちを焼く子」
には特に注意してほしいのです。
次の章から、それぞれの困りごとについて詳しく解説していきますね。
外ではいい子、家では癇癪…という状態にお困りの場合は、こちらの記事を読んでくださいね▼
「プライドの高い子」は自信がない子の特徴
プライドが高いのは、実は「自信がない」の裏返し!?
「僕、すごいでしょ!?」
一見自信のありそうに見える「プライドの高い子」のなかに、とても不安定な自信の持ち主が隠れていることがあります。
見極め方はたった一つ。
自分の間違いを指摘されたときに素直に受け入れられるかどうかです。
「すごいでしょ?」と確認するのは自信がないから!
また、「僕すごいでしょ?」「僕頑張ってるでしょ?」と周りの大人に確認するのも、実は自信のなさの裏返しであることが多いのです。
自信のある子は、人に「すごいね」と言ってもらわなくても自分で自分に○をつけることができます。
本当のSOSに気づいてもらえない悪循環に陥ってしまう
一見、自信がありそうに見えるプライドの高い子は、周りからの期待も大きくなりやすい傾向があります。
本人も、期待されたら頑張りたい子がとても多いです。
ですが、発達のでこぼこがあって自分の得意なことと苦手なことの差が大きいと、できると思っていたのに上手くできなかった…という体験が積み重なりやすくなります。
この繰り返しが、
さらに自信をなくす
↓
「僕はできるもん」とプライドの高さで自分を守ろうとする
↓
本当のSOSに気づいてもらえない…
という悪循環に繋がっていきます。
「きょうだいにヤキモチを焼く子」は自信がない子の特徴
次は、「きょうだいにヤキモチを焼く子」がなぜ「自信がない子」なのかを解説していきます。
なぜ、ヤキモチを焼くのか?
そもそも、なぜ、兄弟にヤキモチを焼くのでしょうか?
「お母さんは私のこと可愛くないんだ」
「弟がいればいいんでしょ!?」
「私なんていらない子なんだ」
そんな言葉を言われると、お母さんもとても傷付きますし、何度も何度も言われるとイライラする気持ちが湧いてきますよね。
同じように接しているつもりでも発達でこぼこのある子はヤキモチを焼きやすい脳の特性を持っています。
社会性の特性(自閉症スペクトラム・ASD系の特性)のある子は、物事の捉え方が少しだけネガティブなお子さんが多いです。
だから、お母さんの言動を「きっと僕よりも弟の方が好きなんだ」とネガティブに解釈しやすいです。
反対に、行動の特性(注意欠陥多動性障害・ADHD系の特性)のあるお子さんは、元々は物事に執着しない、ヤキモチは焼かないタイプが多いのですが、
次に挙げるような条件が重なりやすいため、心のSOSとしてヤキモチが強くなる場合があります。
ヤキモチを引き起こす3つの心理
ヤキモチの裏側に隠れた3つの気持ちがあります。
1)「好きな人を独占したい」気持ち
これは子どもはみんな感じる当たり前の気持ちですが、問題なのは、2つ目、3つ目の気持ちが強い場合です。
2)自分が好かれていないと感じる気持ち
3)自分が他の人より劣っていると感じる気持ち
この2つの裏側に隠れているのは自信のなさです。
小さい頃から何かと失敗することや怒られることが多くなりがちな発達でこぼこの子どもたちは、自分に自信のない子が多いです。
すると、きょうだいへの嫉妬やヤキモチも強くなりがちです。
お母さんの愛情がストレートに伝わりづらい脳の特性も持っているので、一生懸命、きょうだいで差をつけないように関わっても「満たされない感じ」がなかなか解消しないのです。
そのヤキモチ対策、ちょっと待って!
きょうだいのヤキモチへの対策としてよく言われるのが、
・その子への注目を増やしてあげましょう
・2人だけのお出かけの時間をとってあげましょう
というものですが、でこぼこキッズの場合はそのやり方はあまりおすすめしません。
誰かと比較して多い・少ないを教えることは、自分と他人を比較することを教えているのと同じだからです。
では、どんな対応をしてあげると良いのでしょうか?
ヤキモチをその子の性格と捉えるのか、自信のなさの裏返し・本人のSOSと捉えるのか。
お母さんの対応次第で、お子さんの4月からの様子が大きく変わります。
入学までの1ヶ月でぜひ取り組んでほしいことがあるのですが、
私が「自信がない子」のためにしっかり準備をしてあげてほしいと強く思う理由は、過去に救えなかった親子がいるからです。
私の後悔。小学校入学までに救ってあげられなかった親子の話
臨床心理士時代に出会ったAくん親子
臨床心理士時代に2年間、毎月お母さんのご相談に乗ってきたADHDのAくん親子。
A君は4歳の春、幼稚園に入園すると同時に、たちまち園のトラブルメーカーになりました。
気に入らないことがあるとすぐにお友達を叩きます。
自分の意見が通らないとひっくり返って泣いて怒ります。
教室から勝手に外に出て園庭で遊んでいることもありました。
みんなで飼っていたモルモットを逃がしてしまい大騒ぎになったこともありました。
Aくんのお母さんはいつも普通にできないAくんをなんとか普通にしたい、と泣いていました。
毎月、相談にきてくれていたのに私は気持ちを聞いて励ますことしかできなかった。
まだその頃は診断をもらっていませんでしたから、お母さんはAくんのことを受け入れることができていませんでした。
発達の課題のある子のための就学相談も、ちゃんと勧めてあげられなかった。
関係が壊れるのが怖かったんです。
気休めの「きっと大丈夫ですよ」って言葉を何度も使ってしまいました。
小学校生活を「問題児」としてスタートさせてしまった
11月、希望する小学校で行われた就学時健診で、Aくんは学校の金魚の水槽にいたずらをしてしまいました。
小学校入学のときにはすっかり「問題児」のレッテルが貼られてしまい、学校に受け入れてもらえないショックで、お母さんはとても攻撃的になっていかれました。
学校は敵。
そんな思いを持って6年もある小学校生活をスタートさせてしまった。
専門家として、Aくんの特性に気づいているのにうまく伝えられなかった。
本当に申し訳ないことをしたと今もこの時期になると毎年Aくん親子を思い出します。
今の私なら、救ってあげられたのに
ADHD傾向のあるお子さんはいつも元気いっぱいで、幼稚園の中でも目立つ存在です。
落ち着きがないので、もしかしたら、就学時健診で校長先生に呼ばれて個別の面談をすることになった方もいるかもしれません。
やばい、うちの子、目をつけられてる!?と、お母さんは焦ります。
そして、大抵はこうなるのです。
入学までに、なんとか一つでもできることを増やさないと!!!
小学校入学は、スタートがとても大事です。
スタートでつまずかせないためにやることは、できないことをできるように焦って取り組ませることではないのです。
あのとき、私に今の技術があれば、
Aくんの脳の特性を上手に説明してあげることもできたし、
入学までに何をして、
入学式の前日には何をして、
1学期の最初には何をして、
ゴールデンウィークまでにどうしたらいいのか
を、全部伝えることができたんです。
もし、あなたがAくんのママと自分の状況が似ている部分があるなら、
「プライドが高い」「きょうだいにヤキモチを焼く」など、自信がない子の特徴が表れているのなら、
私に、力にならせてほしいと心から思っています。
「お母さんの小学校★ななほし」主宰の石澤かずこについて詳しくはこちら▼
「自信がない子」の特徴が表れているなら、今すぐ本物の自信を育ててあげよう
小学校って甘くない世界です。
お子さんを無駄に傷つけてしまう前に、できる対策をしてほしいと心から思います。
だからこそ、子どもたちも期待に胸を膨らませる新生活が始まる前に、上部ではない、
本物の自己肯定感を育てておいてあげてほしいのです^^
「自信」とは?こちらで詳しく解説しています▼
根っこの自信を育てるにはお母さんのコミュニケーションが一番!
自信がつくには、脳の中に成功体験の記憶がある一定以上貯まっていく必要があります。
どのくらい必要なのかは、その子が今までどのくらい傷ついたり、自信をなくしてきたかによるので、詳しくは個別相談でヒアリングさせてほしいのですが、
脳が変わるには、最低でも1ヶ月は質の高いコミュニケーションを繰り返してあげる必要があります。
つまり、今すぐお子さんの自信の現状を知って、今すぐ対策をとってあげれば、どんなに発達にでこぼこのある子でも自信のある状態で新生活をスタートさせてあげることができるのです^^
その子の脳が安定するのに必要な関わりの質と量を見極めて、
どんな風にどのくらいの期間をかけて注目を増やしてあげたらいいか、
個別相談の中でお一人お一人にプランを作っていきますから、
うちの子、自信がない子の特徴に当てはまる…!という方は、ぜひご相談にいらしてくださいね。
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
併せて読んでほしい書籍はこちら▼
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