個別相談でお子さんのご相談を受けていると、発達検査の結果解釈がずさんである場合がよく見受けられます。元臨床心理士として、信頼できる検査結果かどうかを見極めるためのポイントをこの記事でお伝えします。もしよくわからないときはご相談にいらしてくださいね。 |
発達検査の結果解釈がずさんに行われている現実
この記事では心理検査・発達検査の結果の見方のポイントについてお伝えしたいと思います。
理由は、以前個別相談にいらっしゃった方の知能検査の結果解釈の仕方が、あまりにもずさんだったから…。
その方の検査では、初めての場所で興奮し、片時もじっとしていられず、検査項目も全てできなかった結果、ものすごく低く算出されたIQを持って、なんと障害者手帳を取得してしまっていました。
知的障害じゃないのに、知的障害の手帳を取得してしまっているんです。
もう、びっくりしました。
支援が受けやすいように、という意図を持ってのことのようですが、お母さんもなんの手帳わからず取得してしまったそうで(そこも説明ないんかいっ!)、
私と話す中で初めて、我が子が知的障害の手帳をもらっていたことを知りました。
こんなケースはめずらしいかもしれませんが、個別相談にいらっしゃるお母さんが見せてくださる検査レポートで、「これはちょっと…」というものが結構な頻度で見受けられます。
今どき、そんな解釈の仕方するんかい!と、憤りを通り越してずっこけそうな結果解釈を返してしまう心理士がいる…。
元臨床心理士として懺悔したい気持ちでいっぱいです。
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検査結果の報告するときに最も大事なこととは?
現在世界中で最も使われている、信頼性のある知能検査はWISCと呼ばれる知能検査です。
Wechsler
Intelligence Scale
for Children
の頭文字をとってWISCと呼ばれています。
ウェクスラーさんという人が作った知能検査の子ども版ですよ、という意味ですね。
数字よりも大事な、「検査時の様子」を詳細に書き伝えること
私は、大学・大学院で、このWISCを中心とした子どもの知能を専門に学んできました。
大学院時代の恩師は日本にWISC検査を導入した第一人者の上野一彦先生です。
上野研の一人として、WISC4を作る「標準化」という研究のお手伝いにも携わってきた生粋の検査マニア(笑)です^^
上野先生が口を酸っぱくして教えてくださったことの一つ、検査結果レポートを書くときに最も大事にすべきこと。
それは、「検査時の様子」を詳細に書き伝えることでした。
いくら世界で一番信頼性のある検査とはいえ、実施する検査者も受ける子どもも人間です。コンディションの良し悪しが検査の得点を大きく左右します。
だから、検査結果の数字よりも何よりも、検査中、子どもがどんな様子で検査に取り組んだのかの記載が最も大事なんです。
ものすごく集中して取り組んだ結果算出されたIQ100と、
動き回りながら、全然指示も通らず集中もできない状態で取り組んだ結果のIQ100では、
その意味合いは全然違います。
行動観察の情報が記載されていない検査結果レポートは、その信頼性についてなんの記載もないのと同じなんです。
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それ、信頼できる検査ですか?発達検査の結果を見るときのポイント
お母さんがご自身で見極めることは難しいかもしれませんし、IQが全てではないですが、
検査のレポートをもらったときに「検査時の様子」が記載されていないものは、ちょっと怪しいな…と思ったほうがいいと思います。
どんな様子で検査を受けていたのか、しっかり説明を受けて、「検査結果に書かれていることが本当のその子の力が出し切られた結果のものなのか」を確認してくださいね!
検査のことなどで何か不安なことがあったら、ご相談に乗りますので、お問い合わせくださいね!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
発達検査を受けに行かなくてもお子さんの状態がわかる方法があります▼
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