小学生になって、毎日忘れ物をする我が子に疲れていませんか?「どうして忘れるの?なんでまた忘れるの?」と言いたくなりますが、実はこの声かけ、逆効果です!「忘れなかったとき」を褒める前向きなコミュニケーションで、子どももママも笑顔になれますよ。 |
小学生になってから忘れ物ばかりな我が子にイライラしてしまうママへ
今日は、小学3年生のYくんとそのママのお話をします。
Yくんは3年生になってから、毎日毎日、忘れ物で叱られっぱなしでした。
プリントや教科書やノートは忘れるし、連絡帳には必要なことを書いていない。
ママは疲れ果ててしまっていました。
本当は叱りたくないのに…と。
1・2年生までの先生はサポートが手厚くて、 連絡帳を毎日全員チェックして週末持ち帰るものも必ず指示を出してくれていたけれど、
3年生になったら担任の先生が代わり、毎日忘れ物。
さらにイライラするのが、忘れ物や間違いを適当なこと言ってごまかそうとして…接するのも疲れて、ママはぐったり。
Yくんの忘れ物について周りに相談しても、
「男の子あるあるだから大丈夫!」
「こればっかりは何万回も言い続けるしかない」
「我慢」
と、解決するアドバイスはなかったそうです。
忘れ物をする原因とは?
小学校でお子様のどのようなことで悩んでいますか?というある調査によると、
第1位:忘れ物
第2位:落ち着きがない
第3位:お友達との関係
という結果だったそうです。
そんなたくさんのママが悩まされている「忘れ物」ですが、あまりにも頻度や回数が多いとママとしては心配になりますよね。
これはもしや病気…?
知的には問題ないと思うんだけれど…
とママは思ってしまいますが、これは脳の構造上、頻繁に起こりうることなのです。
というのも、学校に行くとき、お子さんの脳は案外頑張っているんです。
例えば、学校へ行くときにカバンを忘れた例をお子さんの脳の処理で考えると、
・早くしなさい! とママが言っているのを聞きながら
・朝ご飯を食べ
・着替えをし
・学校へ持っていく必要があるものを考える
と、朝学校へ行くまでだけでも、お子さんの脳は複数の処理を頑張っています。
実は、お子さんの脳はまだまだ発達途中で、複数のことを同時に取り組むのが苦手です。
そのため、脳が一度に処理しようとすると処理がスムーズにいかず、忘れ物につながってしまいます。
ですので、今日知っていただきたいのは、お子さんの脳はママの脳と同じように処理は進まないということ。
決して、ママができることをお子さんが同じようにできると思わないでくださいね!
「どうして」「なんで」は逆効果!?
「どうしてまた忘れたの!?」
「だからちゃんと準備しときなさいって言ったじゃない!!」
「次忘れたらおやつ抜きだからね!」
忘れ物をしたお子さんに向かってこんな言葉をかけたことないでしょうか?
そして、このママの言葉でお子さんの忘れ物はなくなったでしょうか?
そうですよね… この対応で、お子さんの忘れ物がなくなるのであれば、忘れ物をする子はゼロになってますし、「どうして」忘れたのかお子さんが説明できるのであればそんなラクなことはないですよね。
きっとお子さんは「どうして」と言われても理由なんて説明できないと思います。
実は、この「どうして」や「なんで」は、お子さんに逆効果となってしまう言葉です。
国立青少年教育振興機構が行っている「子どもの生活力に関する実態調査」によると、保護者が「もっと頑張りなさい」とか小言をいう「叱咤激励」的な関わりをしても子どもの生活スキルは上がらないという結果も出ています。
「忘れなかったとき」を褒めて、ママのイライラも減らしましょう
ですのでまずは、「どうして?」「なんで?」という言葉は封印することからスタートしてください。
そして、よーくお子さんを観察してみてください。
本当に、忘れ物ばかりですか?忘れ物が10個あったとしても、持っていけたものが1個ありませんでしたか?
その1個を見つけたら、「国語の教科書、忘れずに持っていけたね!」と褒めてあげてください。
そのとき、10個の忘れ物には目を向けないでOKです。
少し時間はかかりますが、このような肯定的なコミュニケーションを続けていくことで、子どもの「良い行動」は強化されていきます。
最初はママがお手伝いしていた10個の忘れ物が、1つ減り、2つ減り…気づけば0個になっていきますよ^^
また、冒頭のYくんママには
・どうして忘れ物をしてしまうのか?
・どうしたらママのイライラが減るのか
・どうしたら自分でできる力を伸ばせるのか
をお伝えしました。
脳科学に基づいたお子さんの力を伸ばす具体的な対応を手に入れたことで、ママは希望を持って子育てできるようになり、ご自分の人生を楽しむことを思い出し、 今は趣味のハンドメイドを再開されたそうです。
男の子ママだって!
忘れ物大魔王のママだって!
ママがただ疲れるだけの逆効果なコミュニケーションは今日で終わり。
前向きなコミュニケーションでお子さんの力を伸ばし、イライラを減らして笑顔でママがやりたいこともできる子育てにしませんか?
執筆者:いけのあやこ
▼ななほし主宰:石澤かずこのメールマガジンの登録はこちら