保育園で「発達障害の疑いがあります」と指摘されたら「うちの子はダメな子なのか」とがっかりしたり、混乱したりしまいますよね。私も同じ経験をしたとき、悩みながらも一歩踏み出したことで良い結果を生みましたので、我が家がやってきたことをご紹介します。 |
保育園から発達障害の疑いを指摘されてモヤモヤ、ショック…
日々子どもにとって良いことを考えながら育児に奮闘しているママたち。
子育てでちょっとやりにくいところはあるけれど、子どものできることは日々増えているし、喜びは感じている。
そんなさなかに、保育園や幼稚園の先生から「集団生活で、指示が全く入りません。」「発達障害の疑いがあるので一度専門家に診てもらいましょう。」という話がある。
「せっかく頑張って育ててきたのに、私の育児が間違っていただなんてショック」「こんな元気でかわいい子供に病名(発達障害の診断名)なんてつけたくない、かわいそう」「発達障害って聞いたことあるけれど、じゃあ何をどうすればいいの?」そんな思いがわいてくるかと思います。
私の子どものうち一人(息子)は保育園に0歳時から通園しており、1歳半検診、3歳児検診でもとくに問題の指摘はなかったのですが、
年少クラスに進級し、やや大きめの集団生活がはじまってから、保育園の園長先生から「問題行動が増えてきた」「発達に関して専門家に一度見てもらったほうがいいと思う」と言われました。
その子の兄と違ってこだわりの強さ、興味のかたよりはあると感じていましたが、個性の範囲と思ってやりすごしていたところでしたし、家では機嫌よく過ごしていたので、あまり問題と思っていませんでした。
保育園から指摘されたときには、「社会からこの子は認められない子なんだ」「この子はこれからどうなっていくのだろう?」など、何とも言えないネガティブな気持ちが次々にわいてきました。
発達障害を指摘されてママが悩んでしまうのはなぜ?
発達障害かもしれないと指摘されたときに気持ちがネガティブになるのはどうしてなのでしょうか?
それは「発達障害」について、なじみがなくて見通しがわからないこと、それによる不安が大きな理由です。
発達障害ってそもそも何?
個性との違いは?
発達障害の診断ってどうやってされるの?
進級したらどうなるの?
療育ってそもそも何?
療育って面白くない手作業をさせられるの?
今後勉強はついていけるの?
将来就職できるの?
ほかの子と同じように生きていけなくなってしまうの?
・・・
こうした思いにかられてしまうのではないでしょうか?
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「困った子」は「困っている子」かもしれません
大人から見れば、発達障害を疑われる子どもたちは、「輪を乱す困った子」となるわけですが、そういう子たちは、なんらかのSOSを抱えています。
SOSがうまく表現できずに「困った子」とみられる行動をとることしかできていないのです。
息子が「困っている子」だったのだと気付いた出来事
息子は、その後、保育園の巡回相談で臨床心理士さんに行動観察していただき、発達検査を受けました。
発達検査の時点で、質問にはまともに答えず、検査に使う器具を次々取り出して好きなように遊んで、飽きたらまた次の器具を取り出してしまい、スコアは算出不可でした。指示に従えない、というのはこういうことか、と思い知りました。
検査の所見から、療育の適応あり、と市の児童福祉センターより判定され、数か月の待機期間ののち、週1回半日の療育への通所が始まりました。
療育通所前に、施設長と息子を連れての初回面談の日。一見屋内屋外問わず子供が走り回って遊んでいるだけに見える療育ですが、その中で子どもたちの体幹を刺激したり、手先を鍛えるなど、様々な工夫がされていました。(ただし、療育も提供内容が各施設で異なるようです。)
息子は、初回面談時のたった一時間の滞在時間を相当楽しんでいました。
普段は家では比較的機嫌よくしていたほうでしたが、ここまで笑顔で楽しそうに過ごしていたのはみたことなかったな、とはっとしました。
初回面談が終了し、療育施設を去るときに、「もっとここで遊びたい」と悲しそうにシクシク涙を流していました。
見たことのない姿でした。
その時思ったことが「普段の生活の中で機嫌よく過ごしていそうに見えたけれど、すごく困っていたんだ。ここでは感じたことのないような解放感があってうれしかったんだ」ということでした。
「大人から困った子、とされる子は、自分自身、うまく思いを伝えられなくて困っている子なんだ」「困っている子の困りごとを減らしていく、そういう考え方をもとう」と考えを新たにしました。
発達障害かも?と指摘されたときの相談先
では、発達障害の疑いを指摘されたときに、ママはどう動き出せば良いのでしょうか?ここでは、3つの相談先をご紹介しますね。
病院で医師の診察を受ける
確実に発達障害を疑っている、早く診断が欲しい、という場合は、児童精神科、発達障害診断外来などのある病院で医師の診察をうけてみるとよいでしょう。
地域によっては、予約してから診察に至るまで数か月から数年ということもあるようです。
その場合は、いったん予約だけは確保しておくことをお勧めします。
不要と思えば直前にキャンセルすることもできます。
地域の専門機関
この記事を読んでいる方は「なんとなくの違和感、その正体はなんだろう?」という方が多いと思います。
その場合は、最初から児童精神科というのはちょっと…というお考えでしょう。
そのような方にお勧めしたいのが、まずは無料で受けられる地域の専門機関に相談されることです。
市町村の保健センター、市町村の児童福祉センター(児童相談所)がその窓口となります。
自治体によって運用は違うと思いますが、保育園や幼稚園に臨床心理士の年2回の巡回相談が行われているケースもあるようですので、その場合は、保育園や幼稚園の担当の臨床心理士さんを相談窓口としておくとよいでしょう。
自治体の運営する療育機関などからの支援を得るためには、自治体の児童福祉センターなどが窓口になるため、一度は自治体の相談機関にも相談、発達検査ができる医療機関などに相談しておくことをお勧めします。
私の息子は、臨床心理士さんの保育園巡回相談で初回相談、K式発達検査を受け、その後、地域の児童福祉センターに紹介いただき、そちらでも再度検査ののち、療育適応と判断され、療育につながりました。
お母さんの小学校で相談
お母さんの小学校の代表である、石澤かずこさんに個別相談してみるのもよいと思います。
当事者の母親として寄り添った対応をしてくださることは間違いありません。
私の場合、息子の問題行動指摘から療育開始にたどりつくのに1年弱かかりました。
その間も、子どもは変化しますし発達します。
その間になにもしないのはもったいない、できることをやろうとして私がやったことは、相談し、講座受講することでした。
多くのママたちは、講座受講のみで子どもの困りごとの正体を解明し、解決されています。
そして療育、特別支援教育などは必要とせずに家庭での支援だけで十分だったという方もいらっしゃいます。
そのあたりは、子どもの困りごとやその程度によるところはあるかと思います。
私の息子にとっては、講座での学びと、療育による介入の組み合わせにより、息子の能力は最大限に伸ばすことはできたと思っています。
保育園に発達がゆっくりかもしれない、と指摘された場合、戸惑ってしまう気持ちもとてもよくわかります。
けれど、「困っている子」を救うためにも、ぜひ、ママが一歩踏み出してみてくださいね。
執筆者:いぬい まき
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