習い事がうまくいかない発達障害児のママへ伝えたい!習い事の選び方のポイント

発達にでこぼこでも、能力は伸ばしてあげたいと思って始めた習い事だけど、先生の言うことは聞けていないし、楽しめていない様子。発達でこぼこの子独特の問題が習い事でも出てきてどうすればいいかわからない、そんなママへ、習い事の選び方のヒントを書きました。

発達でこぼこの子でも習い事はさせてあげたいけれど、なんだかうまくいっていない…

発達でこぼこはあっても、習い事はさせてあげたい。

障害があっても輝く有名人の方々のお話を聞くと、うちの子にも、と意気込むママもいらっしゃるかもしれません。

やってみて、子どもが楽しめていて、日々伸びる実感があれば、良いと思います。

ですが、発達でこぼこがある子となると、順調にいかないことも多いでしょう。

先生がお話をしているときにどこかに行ったり、レッスンで浮かない顔をしていたり、レッスン後元気がない様子だったり、違和感を感じるママも中にはいらっしゃるのではないでしょうか?

そんなとき、その習い事、続けるの?やめるの?続けるとしてもどういう形で続けるの?

そんな悩みを解決する情報は乏しくて、迷ってしまいますよね。

発達でこぼこの子どもたちが習い事で問題が起こるわけ

そもそも発達でこぼこある子どもは、保育園、幼稚園、小学校においても集団行動が苦手、指示が通りにくい、話を聞くのが苦手であることが多いです。

慣れた人、慣れた環境では、しっかり話を聞くことはできても、週1回程度しか会わない人、毎日通うわけではない、慣れない環境では、気持ちが安定しないことがあります。

また、習い事の先生も、必ずしも発達でこぼこや、発達でこぼこある子どもとの接し方に慣れている方ばかりではありません

習い事に関する情報は、定型発達の子を前提としたもの、またはその道の成功者であるプロスポーツ選手や演奏家、または、「東大生が子どものころは○○を習っていた」というのが多いですよね。

習い事に関する、失敗談、ましてや発達でこぼこのある人に関するものとなれば、情報は数少なくなるのではないでしょうか。

そういうママたちのために、習い事に関して発達でこぼこ持ちの私の子どもたちのちょっとした黒歴史とちょっとした成功談に関して紹介しますね。

我が家の子どもたちの習い事に関する黒歴史

私には、小学校低学年の長男と保育園児の次男がいます。

長男はADHDタイプ、次男はADHD+ASDの発達でこぼこがあります。

二人とも習い事を1度ずつやめています。

そして、二人とも熱中できる、楽しい習い事に出会うことができています。二人の例について紹介します。

長男は赤ちゃんのときからボールで遊ぶのが大好き。

そして2〜3歳で滞在中のヨーロッパの国で、かなり楽しい、幼児向けのサッカークラブに出会い、たった半年でしたが、遊びの中でサッカーの動きを覚えるという親の私もワクワクするレッスンを受けていました。

日本でも同じようにサッカーが楽しくできれば、と家から通えるクラブに通いました。最初は問題なさそうでしたが、だんだん行きしぶるように。

そして、半年たって「もういきたくない、やめる」といいました。

ADHDとはいえ、コーチの話を聞いていない、列から外れる、ということはありませんでした。

やめる直前、コーチから(意図的ではなさそうですが)長男が無視されているように私から思えていたので、子どもが言い出したのもしょうがない、と私はすぐに受け入れ、やめることにしました。

やめるときに長男は「コーチが何言っているのか全然理解できない」と言っていました。

発達でこぼこでワーキングメモリは弱いものの、ほか知能は平均以上の子です。

これは完全なコミュニケーション不全状態でした。

次男はおもちゃの楽器で遊ぶのが大好き。

そして音楽が流れると楽しそうにしています。

多くの音楽家たちは年少くらいからピアノなど始めたという情報を参考に、年少から始めました。

優しい方、かつ幼児向けで個人レッスンを選びました。

しかし、毎度レッスンではピアノの下に潜ったり、カーテンの中に隠れたり、大暴れ。レッスンが成立した回数はごくわずか。そして音符を書く練習において、五線譜に関係ない落書きばかり。

家でも当然練習などできてなどいません。

先生もなんとか次男に合わせようとしましたが、無理だったようで、先生から1年弱たったころに「この子にピアノは早すぎると思います。」と退会勧告があり、退会しました。

次男もこのとき、「先生の言うことを理解できなかった」といいました。

発達障害の子どもの習い事の選び方

その後、長男・次男とも水泳教室に通い始めました。

その下に妹もいるため車で連れていける、空きがある、の条件だけで選んで通わせたのですが、その教室は発達障害の子どもへの対応に関する講習を全コーチが受けているなど、発達でこぼこがある子にやさしい教室であることがあとからわかりました。

次男が不機嫌で大暴れして「いかない」といっているときでも、コーチが「始めてしまえば楽しそうにしています。着替えまでだけお母さん頑張ってください、私のところに連れてきてくれればあとはこっちで何とかします」と気分が安定しない子どもをおおらかな心で受け入れてくれました。

そのうち、次男はレッスンにはとても楽しく通うようになりました。

3年たった今でも長男、次男ともに続けており、長男はもう少しで四泳法マスターします。

水泳以外には、長男はアートスクール、次男は(習い事ではありませんが)療育開始となりました。

どちらとも、自分の心を目いっぱい開放できる、楽しい居場所で、二人ともとてものびのびしています。

この経験談を通して、習い事の選び方のポイントとなる考え方について書いてみますね。

その習い事、脳は育っていますか?良いコミュニケーションがありますか?

続けるべき習い事は、ずばり、「脳が育つ習い事」です。

脳が育つにはグルコース、酸素、コミュニケーションが必要です。

人はわかる言葉を聞いたとき、脳で酸素を使って発達します。
逆に、わからない言葉だらけだと脳で酸素は使われず発達しません。

脳で酸素が使われているのかを見極める必要があります。

前に書いた通り、長男、次男が習い事をやめるときに二人ともが「先生が何を言っているかわからなかった」と言いました。

次男の場合は知能が追い付いていなかった側面はありますが、その場合でも、コミュニケーション不全で子どもの脳で酸素は使われていない、つまりしんどい時間を過ごしていることになります。

そのとき習い事自体をやめる・かえるも方法ですが、先生とのわが子とのコミュニケーションを改善する余地があるのであれば、先生と交渉してみましょう。

子どもの特性を伝えてどうすればよいコミュニケーションができるのか、話し合えるといいですね。

我が家の場合は、長男のサッカーはコーチとの相性がかなり悪くて交渉しても改善は難しいと思ったのと、次男のピアノについては、レッスンを受けられるレベルのコミュニケーション能力が次男は圧倒的に足りないと思ったので、迷わずやめました。

その子の旬を大事にしましょう

有名音楽家、プロスポーツ選手が何歳で始めた、という話は一度は参考にするものでしょう。

プロピアニストの多くは3歳ころからピアノは始めており、参考にはしました。

しかし、それがこの子に本当に当てはまるのか?それは一度考えてみるとよいと思います。

次男がピアノを習った際の一番の失敗は、この子が年少の時には、まだ先生の話をきちんと聞くことができず、地道に自宅で練習をすることができない状態であったことです。

コミュニケーションレベルが年少レベルには達しておらず、先生が一般の年少の子どもに話すレベルの言葉も全く入っている状態ではありませんでした。

先生の言う通り、この子がピアノを習うには早すぎたと思います。

逆に、やめたと同時に始めた療育が、この子には非常に楽しく、コミュニケーション能力を養うのにかなり役に立っていました。

次男の旬(=脳で酸素が使われる活動)はそのときにはピアノレッスンではなくて、療育での活動だったのです。

ピアノをやめて2年近くたった今でも次男は楽器は大好き。

コンクール優勝者になるのでなければ、何歳で始めてもいいもの。

小学生、中学生になってからでも、「今なら習ったときに脳が育てられる、脳で酸素を使える状態になっている(=レッスンでの言葉が理解できる)」のであれば、そのときがはじめどきと思っています。

絶対にやらなくてはいけない習い事はありません

子どもの脳を壊してまでやらなくてはいけないことなんて一つもありません。

それは習い事についても当てはまること。

そもそも習い事は、学校、保育園の時間外でされているもので、今絶対にやらないといけないものではない、ということは一度思い返してみるとよいでしょう。

習い事を選ぶときも、やっている習い事に違和感を感じて続けるべきかどうか迷っているときも、軸として持っておきたい考えは、「その習い事、この子の脳を育てている(=レッスンの言葉を理解できて脳が酸素を使っている)?」です。

せっかくですから、習い事を通して子どもの脳を育てる、そんな選択が親子でできるとよいですね。

執筆者:いぬいまき

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