早産の未熟児で産まれたわが子、発達障害かも?と不安です【ちょっと聞かせて!ママのお悩み】

こんにちは!ななほし広場編集部です。

この記事では、『ちょっと聞かせて!ママのお悩み』として、「早産の未熟児で生まれた子どもの、成長のゆっくりさや苦手さが“発達障害”なのか不安…」と思っているママのお悩みについてお伝えしますね。

ただでさえ心配な出産、早産で未熟児はなおさら不安…!

お子さんを「低出生体重児」、いわゆる「未熟児」で生んだママへ…
出産って、どんな場合でも心配はつきものだし、正産期に標準体重での「普通の出産」だってママには不安が多いもの。
さらに、正産期より早い、早産で未熟児で生むことになってしまった場合…病気や障害があったりしないか、なおさら不安になりますよね。
近年では医療も進み、1500グラム以下の超未熟児(極低出生体重児)でも、ほとんどの赤ちゃんが元気に育つ時代。けれど表にわかるような身体的な障害は残らなくても、発達障害の割合は、やはり一般の子どもに比べて早産・未熟児は多いと言われています。

この記事では、そんな不安を持つママに向けて、ななほし広場メンバーのママからお聞きした経験をまとめました。

◇インタビューにお答えくださったママ
小学生2人のお子さんをお持ちのKさん

未熟児で生まれたわが子の苦手さ、そのうち追いつく?それとも「発達障害」なの?

ななほし広場編集部(以下、編集部):Kさん、今日はありがとうございます。
まずは、お話しの経緯をお聞かせいただけますか?

ななほし広場のメンバーとして活動する中で、「予定より早産の未熟児で生んでしまったせいで、子どもが発達障害になってしまったかも…」と自分を責めてしまったり、子どもの将来を不安に思うママの存在を知り、私の経験をお役に立てることができたらと思いました。

私自身が、1000グラム以下の未熟児で生まれた赤ちゃんでした

編集部:ご自身が未熟児で生まれたとのお話し、詳しくお聞かせ頂けますか?

私の母が妊娠したときに体調が良くなくて、病院に入院しながらの入院生活だったそうです。
私は昭和生まれなのですが、その当時、ようやく新しい検査の医療機器が大学病院へ入り始め、保育器も導入され始めた頃。
母の体調と、お腹の中の赤ちゃんの大きさが育つぎりぎりの状態を見ながら、「1000グラムを超えたあたりだから」というの検査の予測で、出産予定日よりも2か月早い日で帝王切開が決まったところ…
実際に出してみたら1000グラムもなかった状態で生まれました。

早産で小さいながらも、とくに「障害」はなかった幼児期

まずは数か月、「この子は生きられるんだろうか…」という状況を無事に越え、
その後は退院して、病院で定期的に予後観察を受けながらも、とくに表立った病気も障害も見つからず、就学前あたりでそれも終わった気がします。
普通の3年保育の幼稚園に入り、その当時のアルバムを見ると、他の子よりも明らかに小さいけれど、自分としては小さくて困っていたことはとくにありませんでした。
けれど、先生と母の連絡帳のやり取りを見てみると、
食事や支度が皆と同じペースで進まなかったり、
苦手なことがちらほら出てきたり、
という面を先生が理解してサポートしてくれている様子が書いてありました。
母としては、元気に成長しているだけでも良し、と思ってくれていたようなので、「他の子みたいにできるように頑張りなさい」と幼児期にしつけられた記憶もなく、
風邪を引きやすくて休みがちだった…など体質の面を除けば、大人しくて小さくて抱っこもしやすく、「手がかからない子どもだった」と母は言っていました。

【編集部コメント】
苦手なことが出てきても「他の子と比べて追いつかせようとする」しつけではなく、理解してもらえる環境は良かったですね!

就学してからは、自己肯定感の低い子どもだった私

編集部:大きくなるにつれて、何か周りとの違いが気になったり、悩んだことはありますか?

就学前の健診などでもとくに問題もなく、身体の大きさなども「平均より少し小さいくらいかな」まで追いついてきて、未熟児で生まれたこと自体は、その頃はもう周りからもあまり気にもされなくなっていました。
けれど、苦手なことのでこぼこさは就学したあたりから出てきて、
昔の学校の環境では
「みんなと同じ」基準やペースでものごとを進めなければいけなかったり、
苦手なことを頑張らせられることも多く、
そこから段々と、自分の自信のなさが積み重なっていったように思います。

自覚していたのは「みんなより苦手なことが多い気がする」こと

私自身が大人になってから気づいた発達でこぼこの特性では、
不注意や思考を整理する苦手さのADHD傾向、
繊細・敏感さのHSP傾向を自覚していますが、
「診断を受けるほどではないな~」と、今は環境などを工夫して、自分の特性を理解しながら暮らしています
けれど、「早産・未熟児で生まれた」その先に、「自分の脳の発達はでこぼこさが大きいかもしれない」なんて思いもしなかった子どもの頃は、
不器用すぎて怪我をしやすい、
他の子よりも遅かったり全然できなかったりする科目や遊びの差が激しい、
アレルギーなどの体質もあって、教室に居るだけでも辛い…
しかし、まだその当時「特性の理解」なんてない時代…
周りからみれば「努力不足」「甘え」「我慢するもの」な困りごと…
なんとなく、「みんなより苦手なことが多い気がする」劣等感の強い子どもでした。

大きくなっても、モヤモヤした気持ちをうまく言えなかった

そして「そんな苦手な度合いが強い気がする」ことを、わかってもらえない悩みもありました。
例えば、「算数が苦手すぎる」ことを母に話しても、もともと明るくあっけらかんとした性格だった母は、
「お父さんもお母さんも苦手じゃなかったのに、なんでだろうねぇ~?」と、良くも悪くもあまり気にしない母だったので、私もそれ以上は深く相談はしませんでした。
色々なことで、いつまでたっても「みんなと同じくらい」できるようにならない自分を責めてしまう気持ちはある。
けれど、「1000グラム以下の未熟児だった私が、元気にここまで大きくなった」だけで、両親は事あることに喜んでくれててありがたい気持ちもあり、
元気でいられること以上に、私が望むのは贅沢なことなのかな…と、モヤモヤした気持ちは言えずにいました。

【編集部コメント】
ご自身のでこぼこさをわかってもらえないモヤモヤ感を、子どもの頃から感じておられた反面、Kさんが元気に大きくなったことを喜んでくれているご両親への感謝もあったのですね…!

未熟児で生まれた子のママは「グラデーション」の理解が大事!

編集部:最後に、成長のゆっくりさや苦手さに“発達障害かも?”と不安に思っている、早産の未熟児で生まれたお子さんを持つママへ、メッセージをお願いします。

今は、昔よりも情報があふれ過ぎているからこそ、

「早産で生まれたうちの子…どうも他の子と違う気がするのは、やっぱり未熟児だったからなの…?この苦手さはそのうち、追いつくものなの…?それとも発達障害なの…?」

と私が子どもだった頃よりも一層、他の子と違うところや、できないことを不安に思うことが多いですよね。
だけど私たち一般のママが知れる、未熟児の出生と発達障害の関連は、まだまだわからないことばかり…
それに、ママ自身の心境としても、うちの子は小さく生まれたけれど、「普通」に追いついて育っていると願いたい気持ちもあると思います。
そんなママへ…
未熟児で生まれた私が、実際に経験し感じたこと、そして自分と家族のために発達の学びも経た今、思うことを最後に話したいと思います。

「普通でもない、発達障害でもない」がありえることを受け入れる所から

私も、自分のことで「自分の苦手さや困りごとって、“発達障害”って言うほどなの?」と悩んだ時期が長くあります。
早産の未熟児で生まれたことで、脳の発達に少なからず影響があったかもしれない。
だから、「普通」の赤ちゃんで生まれていたら、こんなに自分の苦手さで悩むこともなかったのかな…?と考えたこともあります。
けれど…「普通」の赤ちゃんで生まれていても、もしかしたら変わらず持っていた特性かもしれない。
それは今、考えてもわからないこと。
だから、
未熟児で生まれたことが原因なのか、そうじゃないのか?
普通の範囲なのか?発達障害という程なのか?
どちらかにジャッジしなければいけない思考じゃなくて、
「確かに一般的な人よりも、ちょっと苦手な度合いが強いこともあるよね~」と
「普通と障害」の間の、グラデーション上にある、自分の特性・個性を受け止められるようになれたことはとても大きかったと思います。

生きていることを、親子で楽しめる子育てライフに

だから未熟児で生まれた子のママにも、目の前にいる子どもの苦手さのグラデーションをまず理解してあげて欲しいと思います。
そしてその「個性」を、「私が小さく生んでしまったせい…」とママ自身を責めないでほしいのです。
「もし今よりも苦手なことがない自分で、元気と自信に満ちた子ども時代だったら、もっと社会で活躍できる大人になっていたかも…」と、私も思ったこともあります。
だけど、「もしかしたら、生きられていなかったかもしれない」
どの命だってそうだけど、より、そんな生い立ちを持っているからこそ
でこぼこさも持ちながら、せっかく生きていることを、楽しんでいきたいな~と今は思えています
でこぼこさが気がかりな、未熟児で生まれたあなたのお子さんも、将来きっと、そう思うに違いありません^^
だからあなたも「未熟児×発達でこぼこ」子育てライフ、不安が勝つより、楽しむしかないですね!

編集部:Kさん、ありがとうございました!またお話し聞かせてくださいね。

編集者:ななほし広場編集部

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