こんにちは!ななほし広場編集部です。
発達障害・グレーゾーンの幼児の子育てのお悩みに、『お母さんの小学校★ななほし』で活動しているママが答える『ちょっと聞かせて!ママのお悩み』のコーナーです。
ADHDグレーゾーンの娘。トラブルメーカーで将来が心配です
3歳の女の子の母です。
娘はとても明るく活発な子なのですが、考えなしに行動することが多く、トラブルメーカーです。
今は「子どもだからね」と済まされることも多いですが、将来のことを考えると不安です。
ADHDのグレーゾーンなのかなと思いますが、この衝動的な部分はおさまっていくのでしょうか。
同じようなお子さんを育てている先輩ママに、お話を聞けたら嬉しいです。
編集部:
話してくださってありがとうございます。
今回、「お母さんの小学校★ななほし」で活動しているMさん(小1・女の子のママ)にお話を聞きました。
家でも、外でも、そばにいるママはいつも気が張ってしまう
ーーMさん:うちの娘も、興味のあるものを見つけると一直線に向かっていって、私の制止も聞かずにやりたいことをする、衝動性の高い子でした。
お出かけするときは、急に走り出して車道に飛び出すのではないか、周りの人にぶつかって迷惑をかけるのではないか、といつもヒヤヒヤして、あまり外出したくありませんでした。
家の中でも、危ないことをするのではないかと、ちょっとでも目を離すことができなくて…いつもいつも気が張っていたように思います。
両親に預けたときも、両親がヘトヘトになるくらい暴れてしまって、遠回しに「しばらくは来ないでほしい」と言われたこともあります。
第一子だったので、子どもは活発なものだろう、私自身がヘトヘトになるのも普通のことだろう、と思っていましたが、
初めてプレ幼稚園に行ったとき、同じ学年のお友達を見てとても驚いたのを覚えています。
「3歳児って、先生の言うことを聞けるんだ!45分間、じっとできるんだ!」って(笑)。
家でも、親戚と過ごしていても、プレ幼稚園や習い事に行っても、「普通より大変な子なのかも…」とその頃からなんとなく感じて、
幼稚園でも、学校でも、さらに大人になっても、人に迷惑をかけずに生きていけるのだろうか。と将来のことを不安に思いました。
「やめて!」とどんなに言っても届かない…と絶望
その頃の私は、「危ないこと、やってはいけないことをするときは、毅然と叱らなければならない。」と思っていたので、娘がトラブルを起こすたびに、娘をとっ捕まえて「危ないでしょう!やめなさい!」と強く叱っていました。
けれど、娘は何も行動を変えない。だから、もっと強く「やめて!」と言う。
そんな悪循環に陥ってしまって、娘はますます私の言葉に聞く耳を持たなくなりました。
衝動的なだけでなく、理解も遅いのかな?とか、私の言葉はこの子に一生届かないのかもしれない…とも思って、絶望し一人涙したこともありました。
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トラブルメーカーを卒業させたママがやってきたこと
ーーMさん:そんな娘も小学1年生になりましたが、、、
小学校でもトラブルメーカー!?かと言うと、実はその逆で、面談では先生から「とても頼りになる、クラスのリーダーです」と言っていただけるほどに成長しています。
もちろん、家でも困りごとはありません。
この4年間、私が何をしてきたかをお伝えしますね。
聞く耳を育てるー「ママ、なあに?」と思わず聞いちゃう優しい声
まず、私は「やめて!」と言うのをやめました。
娘が何をしても「やめて!」「危ない!」と強く言うのが口癖になってしまっていたのですが、
その声かけの積み重ねで、娘は「ママが言うことは自分にとって良くないことだ」と完全に聞く耳を閉じてしまっていたからです。
その代わりに、声をかけるときは必ず、「〇〇ちゃん」と、優しい声で名前を呼ぶことから始めました。
「ママのお話を聞きたい!」と娘の脳が認定(笑)するように、聞きたくなる話し方を意識したのです。
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良い行動を増やすー行動を分類することから好循環を起こす
さらに、行動の分類をして、それぞれに合った対応をするように心がけました。
娘が何かしたら、すべてダメなこと・やめさせなければならないことだと捉えてしまい、まず頭ごなしに「やめて!」と口に出していたので、話し始める前に娘の行動を冷静に分析したのです。
①もっと増やしたい良い行動か?
②発達的にまだできない行動か?
③絶対にやってはいけない行動か?
一つ一つの行動が、これらのどれに当てはまるかを、声かけをする前に分類します。
「やめて!」と絶対に静止しなければいけないのは、③なのですが、これは自分や人を傷つけることや倫理に反することなので、3歳児の娘で当てはまることはほぼありませんでした。
だいたいが、まだ上手にできない②に当てはまる行動か、できるように頑張ろうとしている①の行動でしたので、
冷静に分類することで、「やめて!」と静止したり叱ったりする声かけではなく、「〇〇ちゃん、すごいね!」「できたね!」「頑張っているね!」と言った褒める声かけが増えていったのです。
すると、娘も褒められた行動を繰り返すようになり、さらに褒められ、できることが増え、問題行動が減っていき…
私もポジティブな言葉を発することが増え、穏やかな気持ちで過ごせるようになりました。
娘への対応や声かけを変えてから3〜4ヶ月ほどで、「あれ?私、全然怒ってない!」とふと気づいたことがありました。
そして、娘のことも「最近成長したね!」と褒められることがとても増えていました。
編集部:
今までの対応を変えることは、簡単ではなかったと思いますが…娘さんやMさんに嬉しい変化があったのは、きっと根気強く実践されたからだろうなと思いました。
衝動性は才能!優しさや行動力を磨いていこう
編集部:
では、最後に、相談者のママにメッセージがあれば教えてください。
ーーMさん:うちの子、将来どうなるのだろう…と絶望感を持ったあのときから、4年。印象的な出来事があったので、紹介させてください。
少し前に第3子を出産したのですが、妊娠中、お腹が張って苦しくて歩けなくなったとき、少し先を歩いていた娘に「〇〇ちゃん」と声をかけたら、
一瞬で振り返り、
私の様子に気づいて駆け寄って来て、
「ママ大丈夫!?荷物持つよ、ゆっくり歩こうね。私が支えてあげるから」と、
私の歩幅に合わせてくれたんです。
何気ない日常の一コマですが、私は涙が出るくらい嬉しかったんです。
だって、どんなに大きな声で名前を呼んでも振り返らないで、自分の興味があることに飛びついて、「やめて」と制止しても全く聞く耳を持たなかった娘が…こんなに頼もしく成長してくれたから。
衝動的な子は、ものすごく行動力のある子です。
そして、その行動力は、「誰かに何かをしてあげたい!」という優しい気持ちが背景にあることが多いんです。
考えてみてほしいのですが、子どもをやる気にさせるのってすごく大変ですよね。けれど、このタイプの子には、もともと意欲が備わっていて、行動にうつす力もある。
これってすごい才能だと思いませんか?
私は、娘の生まれ持ったこの才能を、「やめて!」を言い続けて潰してしまわなくて本当に良かった、と思っています。
衝動的な子といつも一緒にいるママは、いつもヒヤヒヤして、気が休まらなくて本当に大変ですよね。
けれど、お子さんの、真っ直ぐで優しいところや底抜けの行動力を、まずはポジティブに捉えて、適切なところで発揮できるように、導いてあげてください。
きっと、とても素敵なお子さんに育っていきますよ。私の娘が証明です。
私たち親子の経験がお役に立てたら嬉しいです^^
編集部:
Mさん、ありがとうございました。またお話聞かせてくださいね!
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編集者:ななほし広場編集部
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