発達障害のあるお子さんの姿勢の悪さや、椅子に座る姿勢を保てないことで、お悩みではありませんか?実はそれ、やる気の問題ではなくて、脳の問題なんです!姿勢の訓練をするよりも、お家でできる遊びを通して楽しく筋持久力を鍛えましょう。 |
発達障害の子どもの姿勢が悪いのは脳の問題?
発達障害のあるお子さんの、姿勢の悪さでお悩みではありませんか?
特に、保育参観や授業参観、発表会などの場面では、その様子が目立ちやすくなりますよね。
「姿勢を良くして!」「ちゃんと座って!」と注意しても、姿勢を保てるのは一時的で、すぐにだらしない姿勢に戻ってしまう…。
これは、発達障害の特性のある子どもたちに多く見られる、「低緊張」が原因かもしれません。
椅子に座っているとき、私たちは脳からの指令で無意識に筋力を保っています。
「低緊張」は、その脳からの指令が上手くいっていないことから起こります。
やる気の問題ではなく、脳の指令の問題なので、意識して姿勢を改善させようとしても難しいのです。
「低緊張」の子どもたちは、筋肉の張りが弱さから、長時間姿勢を保つことが苦手です。
椅子に座っていても、正しい姿勢を長く保つことができず、頬杖をついたり、片足が椅子に乗っていたり、後ろにもたれかかってずり落ちそうになったりする様子が見られます。
さらには、筋力を保つことにとてもエネルギーを使うため、周りの子どもよりも疲れやすくなります。
この「低緊張」は、実はそれほど珍しいことではなく、定型発達の子どもや、大人にも見られることがあります。
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小学校では机に向かう姿勢が基本!注意を受け続けると…
公立の小学校では、1つの授業の時間は45分間です。
「低緊張」のある子どもたちにとって、45分もの間、姿勢を保ち続けることはとっても大変です。
最初は姿勢よく座っていても、だんだん姿勢が崩れはじめるため、周りから見ると授業への意欲が足りないように見えてしまいます。
脳からの指令が上手くいかず、筋肉の張りが弱いことが原因なので、本人にとっては一生懸命姿勢を保とうとしている状態なのに、やる気がないと誤解されてしまうのです。
特に、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ子どもは、その衝動性や多動性、不注意の特性から、どうしても注意を受ける機会が多くなってしまいます。
このように日常的に注意を受け続けると、子どもたちはどうなってしまうでしょうか。
やる気をなくしたり、自信をなくしたり、保育園や学校へ行くことが嫌になってしまったり…。
子どもの心を壊してしまうことにつながりかねないですよね。
さらに、姿勢を保つことが難しいことによって、食事に集中することができなかったり、勉強に集中することが難しかったりなど、様々な問題も出てきます。
姿勢の悪さは意欲の問題ではなく、「やろうとしてもできない」状態であることを理解してあげるとともに、早めに対策をとってあげたいですよね。
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筋トレはNG?!遊びで体を鍛えよう!
「低緊張」は脳からの指令で起こるため、改善はさせることは難しいです。
ですが、筋肉の持久力を育てることは可能です!筋持久力を育てて、姿勢を維持する力を付けましょう!
「筋力=筋トレ」というイメージを持たれる方が多いと思いますが、実は、幼児~小学校低学年までは、筋トレはNGなんです!
筋トレは体を鍛えるのにはとっても有効なのですが、まだまだ筋肉のでき上がっていない子どもには、筋トレが意味をなさないどころか、自分の体重以上の負荷を与えることで筋肉を痛めてしまう可能性もあります。
小学校低学年までの子どもにとっての唯一の筋トレは「遊び」です!
遊びを通して、体を鍛えていきましょう!今すぐできる、その方法をお伝えしますね。
◆テープ綱渡り
お家の床にビニールテープやメンディングテープなどを貼って、その上を綱渡りのようにして歩きます。
慣れてきたら
・テープをジグザグにする
・テープの上に障害物を置いてまたいで歩く
・お皿の上におもちゃを置いて持ち、落とさないように歩く
・お玉の上にボールを乗せて持ち、落とさないように歩く
など、様々なバリエーションも楽しめます。
集中力やバランス力が鍛えられるとともに、ボディーイメージ(身体の見えていないパーツの位置を把握し、動きをコントロールするために必要なイメージ)をつかむ練習にもなりますよ!
◆段ボールトンネルくぐり
大小さまざまな大きさの段ボールを置き、四つん這いになってくぐります。
地面に手を付けるときには、指が曲がらないようにしましょう。
手首や指を強くする遊びを通して、学習するときに必要な、手先の器用さを育てる基礎作りになりますよ!
雑巾がけレースや、段ボールキャタピラー、手押し車なども、同じような効果を得られます。
◆風船バレーボール
風船を膨らませて、地面に落ちないように交互に打ち返します。
1人で風船を下に落とさないように打ち続ける方法でも良いです。
この遊びは、筋持久力を鍛えるとともに、眼球運動の練習にもなります。
発達障害の特性のある子どもは、見続けること(注視)や、視線をスムーズに動かすこと(追視)が苦手なことが多いです。
遊びを通して楽しく眼を動かす練習をすることで、音読や板書をするときに役立つ力を付けられますよ!
その他にも
・公園遊びやアスレチック
・ハイキングや山登り
・鬼ごっこ
・だるまさんがころんだ
など、昔からある遊びもとっても効果的です。
いかがでしたでしょうか?
発達障害の子どもの姿勢の悪さが気になるようでしたら、椅子に座る訓練をするよりも、楽しく体を動かして、筋持久力を鍛えましょう!
特別な道具は必要ありませんので、ぜひ試してみてくださいね。
執筆者:はらしま ゆみ
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