でこぼこキッズの学童と表現されることもある、放課後等デイサービスという施設を知っていますか?小学校入学時に学童でつまずき、放課後等デイサービスを利用し始めた子どもの本音をご紹介。どちらも利用してみて分かったわが家のベストはこんな形でした。 |
働くママの悩みどころ?でこぼこキッズの放課後の居場所
放課後等デイサービスって知っていますか?
発達でこぼこキッズの学童と表現されることもある、「放課後等デイサービス」という施設を知っていますか?
小学校入学を機に、放課後は学童に行かせるか?それとも放課後等デイサービスを利用するか?と悩んでいるお母さんもいるかもしれません。
働くママの味方「学童」でつまずいた息子
今からさかのぼること約2年、私の息子は小学校入学を迎えました。
発達でこぼこキッズである彼は、就学という大きな環境の変化にスムーズについていくことができませんでした。
新しく始まった小学校生活と学童生活のダブルパンチだったのでしょう。
フルタイムで仕事をしている母としては、なんとか仕事ができる環境を整えたい…ですが、不安の強い息子の心は激しくSOSを発信していました。
まる1日学童で過ごさないといけない夏休みがスタートした途端、息子はとうとう学童へ行けなくなってしましました。
不安の原因…なぜ学童に行けなくなったのか?
息子にとって学童がつらい場所になったのは、次のような理由があったと考えられます。
いつもと同じことを好むという自閉症スペクトラム(ASD)の特性の一種とも考えられますし、ワーキングメモリーの弱さも関係しているように思います。
さまざまな理由から、極端に新しい環境が苦手な息子。
入所直後は「あれ?この景色は保育園とデジャブ…?」と感じるほど、学童のエントランスで泣き叫んで嫌がりました。
先月まで保育園には行けていたのになぜ学童はダメなの!?と頭を抱えたものです。
これもASDの特性の一種なのかなと感じています。
小学校と異なり、はっきりとやるべきことが決まっていない時間が多いことが、息子にとってはストレスだったのだろうと思います。
放課後の約2時間、なかなか慣れるほどの時間をとれない場所。
「自由に遊んでいいよ」という言葉でフリーズし、ぬり絵に誘われて落ち着いたかと思えば1人で何枚も使いすぎて怒られる、という状態でした。
名札の安全ピンが止められない、おやつの袋菓子が開けられない、上着をきれいにたたむことができず自分のロッカーからはみ出す。
これは、息子の手先の不器用さが原因でした。
しかし、甘えている、だらしないといった風に受け取られがちで、注意されることが多かったようです。
息子が見る学童と放課後等デイサービス
学童が悪いわけではないのだけど…
コロナ禍のため、特に普段以上にルールが厳しい中の「自由」に、息子の心は沈んでいきました。
学童は、ある程度秩序を守った集団生活をする場所ですから仕方のないことだと思います。
ぬり絵はみんなで遊ぶもの。
ロッカーだってみんなで使うところ。
少数の先生が全員に名札を付けて回るわけにはいきません。
しかし、「聞く力」が弱く手先も不器用でうまく先生たちの指示を聞き入れることのできない息子。
さらに、繊細で臆病なタイプなので「なんだかよく分からない…」という気持ちが不安感を増大させます。
彼は学童という空間へ心を開く気配が見られず、いつまでも“お客さん”のように緊張している様子でした。
放課後等デイサービスはどんなところ?
冒頭でもお話していますように、放課後等デイサービスは発達でこぼこキッズの学童のようなところです。
こちらでは、ソーシャルスキル(社会の中で生きていくために必要なコミュニケーションや人間関係の技術)を学んだり、ビジョントレーニング(見る力のトレーニング)や基礎体力を上げるためのトレーニングなどをしてくれます。
事業所により「運動に力を入れている施設」「学童というよりは習い事のような施設」「病院と提携し障害の程度が重い子どもを中心にしている施設」など、特色も違うようです。
ですので、実際に利用を検討している場合は見学や体験などを通して現場を見てから決める、ということが必須だと思います。
わが家も見学に行ったところ、初めての場所が苦手なはずの息子が、数ヶ月通った学童より1時間体験した放課後等デイサービスを利用したいと望みました。
放課後等デイサービスは、一人ひとりにじっくり向きあってくれる場所。
息子にとっては、学童とは相当な差に感じたのかもしれません。
「放デイ」を実際に利用してみてよかったこと
実際に私が放課後等デイサービスを利用してよかった!と感じていることを3つ紹介します。
子ども2~3人につき1人、くらいで指導員の方が配置されています。
全員が有資格者というわけではないものの、息子のことをよく知ってくれている大人が常に近くで見てくれている安心感が大きいです。
昨今のコロナ休校での息子の心情の変化や戸惑いもいち早く察知してくれ、寄り添った対応をしてくれることはとてもありがたいと感じました。
息子が利用している事業所では、無料通信アプリLINEで連絡のやり取りをしています。
非常に細かく丁寧に見てくださっており、毎回必ず利用中の写真を送ってきてくださっています。
アプリを利用するのは民間だからこそのサービスかもしれませんが、小学校や学童より細かく情報交換できるのは利点だと思います。
日帰りキャンプ、フットサル、水族館へおでかけなど、特に土曜日や長期休暇中は毎回が遠足気分で過ごせます。
学童は働くお母さんのために設けられた、子どもが安全に過ごす場所であるのに対し、放課後等デイサービスは子どもの自立を促すトレーニングをする場所という印象が強いです。
淡々と時間を過ごすだけでなく、心躍るイベントが多いと感じます。
脳科学的にも、楽しみながら行動できる機会が多いということは、脳の発達がグーンと進むチャンスが多いということが分かっています。
事業所ごとに差があると思いますので、もし利用を検討している場合はこのようにイベントの多いところを探すことがおすすめです!
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2年生となった現在、息子は学童と放課後等デイサービスを日替わりで半分ずつ利用しています。
最初は全力で拒否していた学童にもようやく慣れてきたようで、入学当初ほどのSOSを感じることはなくなりました。
同じ小学校のお友達が多いことはもちろん利点ですし、将来正面切って闘っていかなければならない(?)定型発達の仲間たちの中で過ごす練習。
そう考えれば、このような時間も息子の人生のプラスになるかもしれないと思っています。
1日おきに、集団の中でがんばる日、気持ち穏やかに過ごす日。
このようにそれぞれのいいとこどりをして心のバランスをとることができるようになってきました。
放課後等デイサービスの力を借り、息子が安心して過ごせる放課後の居場所ができたことで、自分も安心して好きな仕事を続けることができるようになりました。
でこぼこキッズを育てるお母さん。
放課後等デイサービスと学童の両方をうまく活用する、そんな選択肢をもつのはいかがでしょうか?
執筆者:大塚 ひかり
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