なぜなぜ期と言われる3歳~6歳頃の幼児に「なんで?」と質問攻めにされるとママもついイライラ…。ですが、なぜなぜ期は子どもの論理的思考力を伸ばす絶好のチャンス!ママの発想転換でイライラせず楽しく子どもの発達を促せる対応のコツをお伝えします。 |
「なぜなぜ期」とは、子どもの質問攻めでママがイライラしがちな質問期
日々の忙しさの中で幼児期の子どもの「なんで?なんで?」の質問攻めにママがついイライラしてしまう…ということ、ありますよね。
3歳~6歳ごろの子どもが「なんで?なんで?」と聞いてくる、第2質問期は、「なぜなぜ期」とも呼ばれ、子どもの脳が発達し、物事には原因や理由があるとわかってきて、興味が広がっていく時期です。
興味が広がる時期のこのなぜなぜ期は、子どもの成長の大チャンス!
忙しいのに「なんでなんで?」としつこくてイライラしてませんか?
しかも、ママがせっかく答えてもあまり話を聞いていない様子で即座に「なんで?」とだけ子どもが繰り返す、という場合。
コミュニケーションを取りたくて、わざとやっている場合もあります
子どもの話をゆっくり聞いてあげる時間もとれていない…
親が子どもの「なんで?」を積極的に関わる機会にできてこそ、「なぜなぜ期」を子どもの将来につながる大切な力へ育てることができるのです。
続いてはそのポイントを押さえた上で、「じゃあ積極的に関わるって、具体的にはどんな風にコミュニケーションをとれば良いの?」という例をご紹介していきます。
自分で答えを見つけるワクワクを親子で楽しむ!石澤家のとある一日
ある夏の日、我が家では、久々に扇風機を出しました。
子どもたちは大喜び!「ワレワレハ ウチュウジンダ…」と回る扇風機に向かって遊んでいます。
動いている扇風機に向かって声を出すと途切れ途切れになり、まるで宇宙人が喋っているように聞こえますよね。
私が子どものときにもよくやりました(笑)
その姿を見ながら、私と夫のスイッチが入りました。よっしゃ、子どもの力を鍛えるチャンス!と。
すかさず子どもたちに問いかけました。「どうして扇風機に話すと宇宙人みたいな声になるんだろうね。」
すると、長女が一瞬止まって考えます。「…わかった!この線がたくさんあるから途切れちゃうんだ!」
長女が言うには、扇風機カバーが放射線状に並んでいるから、それが邪魔をして声が途切れるのではないかと仮説を立てたわけです。
「なかなか考えたなぁ」と感心しましたが、そこで終わってはいけません。
感心して終わらせたらもったいない、親の質問力が試される時
ママ:「そっか!なるほど。もしそうだとすると、扇風機を止めても声って途切れるよね。やってみようか!」
長女の仮説をその場で検証。「あれー?声、普通だね。」と長女は気づきます。「わかった!風かなぁ?」
子どもってあまり深く考えないで、どんどん自分の思ったことを言えるところがすごいな〜って感じます。
その長女の言葉に間髪を入れずにパパの次の問い。 「なるほど。じゃあさ、他に扇風機みたいに風が出るところで実験してみたら?何かないかな?」
ここまでくると、次女も一緒になってパパママの問いに一生懸命答えようと頭をひねります。家を見渡して、次女が気づきました。「あ!コレは?」
彼女が手に持ったのはうちわでした。(次女ちゃんすごい!とここで私はすでにうるうるしてます。笑)
ママ:「お〜よく見つけたね!!確かに扇風機みたいに風が出るね!じゃあ、ママが風を送るから実験してみよう!」
力一杯、子どもたちの顔を目掛けてうちわを仰ぎます。子どもたちはそこに向かって「ワレワレハ…」とやるわけです。
長女:「あれー?!ならない!」
パパ:「ということは、風じゃないんだね。扇風機にはあってうちわにはないモノってなんだろうね?」
子どもたちは真剣に扇風機を観察していました。
「あー!!!!!」と長女が叫びます。「わかった!回ってる!!!」
子どもは自分で考えて、答えを見つけるのが嬉しい!
ここに気づいた彼女が次にやったのは、家中を見回して、自分の仮説を検証する方法を探すことでした。
パパママとのやりとりで、仮説を立てて、実際にやってみる、と言う流れが理解できたのでしょうね。
目をキラッキラさせて、「あった〜!!!」と向かったのは、ベランダでした。
エアコンの室外機に向かって「ワレワレハ…」とやり始めたのです。(室外機が回転してるって知ってるのもすごいな〜と感心してしまいましたが。)
自分で答えを見つけたときの子どもたちの嬉しそうな顔ったら!
なぜなぜ期の子どもの質問、あなたはどんな受け答えをしていますか?
あなたもなぜなぜ期のお子さんから「なんで、へんな声になるの~?」と質問されたことがあるかもしれませんね。
そのとき、お子さんとコミュニケーションを広げていけたでしょうか?
それとも「そうね~なんでだろうね~」と聞き流していたでしょうか?
仕事に家事に忙しすぎて、子どもから質問されてイライラしたり、コミュニケーション自体に余裕がないママは、先に述べた「子どもの知的好奇心にじっくり付き合える時間的・精神的ゆとりが持てること」が大切になってきますね。
親が面倒がらずに「論理的思考力」を伸ばす機会を作ってあげよう!
子どもって本来学ぶことが大好きです。
だけど、机に向かって、「扇風機に声をかけると震えて聞こえるのは回転しているからで…」と暗記させられたのでは、何も面白くない。
だからなぜなぜ期の子どもから「なんで?」と聞かれたときにも、ママがイライラしたり面倒がらずに「あなたはなんでだと思う?」と自分で考えたり気づいたりする機会をたくさん作ってあげることで、子どもの「論理的思考力」を発達させることができます。
暗記では勝てない、AIに勝つ力は「なぜなぜ期」で作れる!
暗記で培った力では絶対にAIに勝つことはできません。
発達障害のあるなしに関わらず、自分で「問い」を見つけて追求していくような力が、子どもたちが大人になったときに必須になる力であることは、ほとんどの大人が知っていますよね。
子どもたちの力は大人になってから一瞬で身に付くものではなくて、子どもの頃からの私たち大人とのやりとりの中で育てていくものだと私は思っています。
その1つが「なぜなぜ期」のコミュニケーションですね。
こういう内容を書くと「そうやって問いかけてあげられる石澤さんはいいですよね~。ご主人も協力的だし。」という類の言葉を言われるのですが、私も主人も、暗記世代で育っているのは読者の皆さんと変わりません。
もっと言うと、扇風機で声が震える理由を私も夫もちゃんと知りませんでした(笑)。
だから、子どもたちの実験を通して「なるほど、やっぱり回転か〜」と私たちも教えられたくらいです。
AIができることだけを一生懸命やらせていませんか?
私たち夫婦がやっていることは、何か特殊な能力を持っているわけではなくて、
子どもたちの「なんで?」が大事!という知識を持っていたことと、
それを引き出すのに、問いかけてあげるのが一番いいということを学んでいたからできたことです。
いろんな本を読み、
「そうか、これからはAI ができることを一生懸命やっていたのではいけないのだな!
そうか、これからは自分で問いや問題を見つける力と、それを研究する力が大事なのか!
じゃあ、私たちにできることってなんだろう?? 」と一生懸命考えているのです。
これは誰だってできることだと思いますし、逆に子どもの質問に親がイライラしながら聞き流してやらなければ、いつまで経ってもできるようにはならないと思います。
まずは、なぜなぜ期の子どもの「?」を言語化してあげることから!
なぜなぜ期の子どもの「なんで?」をよりよく引き出して発達を促すには、ママが子どもの様子をよく観察することから始めるといいと思います。
そして見つけたら、「あなたは、なんでだと思う?」と、ママが子どもの頭に浮かぶ「?」を「言語化」するサポートをしてあげてください。
1つ1つのコミュニケーションが子どもを伸ばすチャンス!とママが発想を変えることができると、あなたも我が子のなぜなぜ期をもっと楽しんで過ごせるようになりますよ^^
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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