片付けが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもたちのための支援で環境づくりをする際は、「優先順位」が重要なんです!元臨床心理士で整理収納アドバイザーでもある私が、子どもが伸びやすい環境調整のヒントを具体例を交えてお伝えします! |
発達障害・グレーゾーンの子どもたちのための環境づくりで大切な「優先順位」
今回、片付けが苦手な子の支援として環境づくりをテーマにお話をしますが、子どもの「今の状態」のよって何を今やるべきか?の「優先順位」が重要だということをお伝えしたいと思います。
私は、臨床心理士として行政機関などで働いてきました。また、整理収納アドバイザーの資格も持っています。
現在は、日々お子さんのことで悩んでいるママたちに、子どもを伸ばすコミュニケーションのメソッドをお届けしています。
その中で私は「家づくり」「環境調整」という同じテーマで相談にいらっしゃった方でも、そしてお子さんの特性がよく似ていても決して同じアドバイスをしません。
なぜなら、お子さんの状態によって、何から先に手をつけるべきか?が全く違うからです。
そして、この手をつけるべきポイントを間違えると、お子さんのためを思って行った環境整備が全くの裏目にでることが起こります。
同じ特性を持つ子でもアプローチの順番を変える
例えば、同じ社会性と行動の特性を持っているお子さんのお母さんが2人いたとします。子どもの気質としては似ているはずです。
穏やかなコミュニケーションを取れる状態のお子さんなら、コミュニケーションによるサポートと同時に環境調整もスタートすることで、片付けのしやすさが倍増します。
片付けがしやすいということは、「片付け」という行動を引き出しやすい、ということです。
ですから、「片付け」という日常の時間を使って、その子の脳を発達させることができるということです。
ただ、同じ特性を持っていても、お子さんが園や学校で叱られまくっていて自信のない状態や二次障害が出始めている場合もあります。
加えて、家族とのコミュニケーションがうまくいっていない場合などは環境調整もセットでやろうとすると大きくこじれます。
こんな風に、特性がわかったから即、何をしたらいいのかわかる、という単純な構造ではないのです。
状態がわかれば手を入れる順番がわかります。順番がわかればやることは明確にわかります。
何から手をつけたらいいのか分かった!ママの声
以前、個別相談にいらっしゃったMさんもそのお一人で、お子さんの状態をとてもよく理解しておられ、本当によく試行錯誤されているお母さんでした。
けれども、なかなかうまくいっておらず、何から手をつけたらいいのか?迷っていらっしゃいました。
Mさん(年長さん男の子のママ)の個別相談のご感想をご紹介しますね!
自閉症スペクトラム(ASD)の長男に対する接し方や環境調整のやり方が分からなくなっていた矢先、先にセミナーを受けた友人から薦めを受けたのがきっかけです。
短時間で、凄く的確に現状を把握・分析していただき、自分ひとりでモヤモヤと感じていた事を明確に示して下さり、「その通り!」と感じることがたくさんありました。
また講座を受けて改善可能な事と改善が難しい事についてもご説明して頂けて、すごく納得出来ました!
話し方は物腰柔らかく、安心感があります。発達障害に関して非常に知識・経験共に豊富でいらっしゃるようで、とても明確にお話しされる方です。
発達障害の子育てはなかなか相談先もなく、相談しても解決に繋がらないことも多く、悶々と一人悩むことが多いと感じます。同じように感じて悩んでいるお母さんにお薦めです!
また、お話しすることで現状(子ども、自分)を再確認でき、知識や気持ちの整理にも繋がると思います。
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Mさん、ありがとうございました!
Mさんは本当に知的で愛情あふれるお母さんで、お子さんの状態をとても冷静に捉えておられる方でした。
それでも「今取り組むべき優先順位」については、一人で判断することができずずっと悩んでおられました。
もちろん、ご自身で色々と試行錯誤をすることはお子さんのためにとても大切です。
しかし、その努力が子どもの状態にあっていなかったとき、お母さんの今までの頑張りが全て裏目にでる、という親子を本当にたくさん見てきました。
これは本当に悲しいと思います。
子どものために頑張って工夫したことは全てお母さんの愛情です。その愛情をしっかりとお子さんの成長に繋げてあげたいですね!
発達障害・グレーゾーンの子どもたちの最高の発達支援とは?
以前、「発達障害・グレーの子が暮らしやすい環境づくり」のヒントが満載なご飯をいただいてきたのでご紹介します。
これ。ものすご〜く発達の子どもたちの暮らしに役立つヒントが隠れているの、わかりますか?
もっと寄ってみましょう。
この食事、お刺身が3種類あります。一つは、ウニの乗っているお皿。もう一つは、イカとアワビが乗っているお皿。そして、白身のお魚のお刺身のお皿。
それぞれ、違う醤油をつけて食べるよう盛り付けられています。
注目して欲しいのは、それぞれが盛られているお皿とお醤油差しのペアリング。
同じ絵柄のお皿でペアになっているのです!誰がみても、(何なら酔っ払っていても。笑)どのお刺身をどのお醤油につけるのか、一目でわかる工夫がされているのです。
これを発見したときの興奮たるや(笑)
発達でこぼこの子どもたちが暮らしやすい家というのは、ひとえに、「わかりやすい家」。
そして、彼らに合わせた工夫をすることは実はそこに一緒に住む家族全員にとってわかりやすく暮らしやすい工夫である、ということがほとんどです。
こちらの記事では、脳の特性別で分かる片付け法をお伝えしています!参考にしてくださいね▼
「好ましい行動」を肯定して学習させ、片付けが苦手な子どもの発達を伸ばしましょう!
もしも、この醤油差しが全部同じで、でも中身は違っていて、きちんと正しい醤油につけないと美味しくない!としたらどうでしょうか?
それ、違うよ!そこにつけるんじゃないよ!ほら、また間違えて。何度言ったらわかるの?
こんな風に言われながら食べるご飯は美味しくて楽しい記憶をプレゼントしてくれるでしょうか?
お家の中でも、同じようなことが起こっていませんか?
少しだけ、相手の目線に立って工夫をするだけで、笑顔で過ごせたり、本来使うべきところに力を発揮できたりすると思いませんか?
実は、家で起こっているような、知らず知らず子どもたちに必要のない負荷をかけてしまう環境が、学校や、幼稚園の中でもたくさん起こっています。
私がずっと学校や幼稚園の現場で先生たちにアドバイスするとき、大切にしてきたのは、いかに「わかりやすく」「過ごしやすい」工夫を「無理なく」できるか?という視点でのアドバイスです。
お片付けもコミュニケーション^^
そんな優しい工夫をあなたにもぜひやってみて欲しいな、と思います!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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