片付けやすい家づくり~発達障害の得意と苦手を子ども視点で考えるアセスメント~

子どもが片付けやすい家づくりをしたい!とすぐに整理収納テクニックを真似るのは危険です。発達障害・グレーゾーンの子どもが片付けやすい環境を整えるときに忘れてはいけないのがアセスメント!そのポイントをお伝えします。

発達障害・グレーゾーンの子どもの特性を知らずに家だけ整えるのは危険!

子どもがその子らしく成長するためにお家の環境が整っていることがいかに大事か?ということは、みなさんご存じだと思います。
ここで注意して欲しいのが、「やっぱり家の環境が大事なのね!」と、すぐに整理収納の本を手に取らないで欲しいということです。
世の中には、断捨離、ミニマリスト、シンプルライフ、100円グッズを使った整理収納術、おしゃれに見せる収納術…など、書籍や情報が溢れかえっています。
そして、大半のお母さんが陥るワナは、一生懸命「素敵な収納」を真似しようとすること。真似すること自体はモデリングといって、物事をうまくいかせるためにとても大切なやり方です。
ただし! 整理収納の本を手にとってモデリングしようとした結果、ほとんどの方が陥る2つの過ちがあります。一つずつ解説していきますから、陥らないように注意してくださいね!

整理収納でお母さんが陥りやすい、2つの間違いとは!?

◆片付けやすい家づくりの過ちその1:細かすぎる収納

収納の本でよく目にするのは、1ジャンル1ボックスという法則。1つの箱に、1つのものを仕舞いましょうというセオリーです。
ものすごーくスペースが広くて、家の中のもの自体がそんなに量がない場合はとても素晴らしいセオリーです。
が!あなたのお家は、そもそも物で溢れかえっていませんか?1つのものに1つの箱を、な〜んていう余裕のある収納ができる状況だったら何も苦労はしていないわけで。
で、どうなるかというと、小さなスペースを無理やり細かく仕切って、ここはこれ、と決めてしまう。例えば、一つの引き出しを 小さな箱で仕切って、ハサミはここ、のりはここ、とやるパターン。
これ、発達障害・グレーゾーンのお子さんの特性によっては全く合わない場合が多い片付け方なのです。

◆片付けやすい家づくりの過ちその2:「見えない」収納

見せる収納、隠す収納。収納には大きく分けて2つのパターンがあります。
発達のでこぼこのある子どもたちにとって、実はもう1つ過ちの収納があります。それは「見えない」収納
これはお子さんの特性をよ〜く知っていないと過ち自体に気づかないかもしれません。
例えば、半透明のボックスに色とりどりのレゴブロックを収納したとします。そして、その箱がいくつも並んでいたとします。
お母さんとしては、全部見えるのも ちょっとアレだし… でも、何が入っているのかうっすら見えた方が片付けやすいかな?というお子さんへの配慮なのかもしれません。
が、 発達障害のあるお子さんにとっては、これ自体がとてもわかりづらい!!見えない収納になってしまっているケースが多々あります。
特に「行動」タイプの中でも、不注意傾向の強いお子さんは、ぼんやり見えている色とりどりのおもちゃたちが全部同じに見えてしまいます。
正確にいうと、さ〜っとしか見ていないので、全部同じに認識してしまうんです!
何よりも「我が子」の発達について、しっかり知ることを「片付けやすい家づくり」のスタートにしないと、お母さんの努力が水の泡…ということになりかねないということです。
「あちゃー」 で済ませられればいいですが、せっかく一生懸命、我が子のためにやった工夫がどれも不発だったときのストレスの高さのことを考えて欲しいのです。
一生懸命やればやるほど悲しくなるのは当然です。イライラするのも当然です。
それが、お子さんとのコミュニケーションに反映してしまうことを防いで欲しいから、この記事を書いています。あなたのお子さんへの思いを しっかり結果につなげて欲しいと心から願っているのです。

「アセスメント」が全ての鍵!得意と苦手を子どもの視点で考え、片付けやすい家づくりを!

私がもっとも大切にしているのは、そこにいる人、全てのアセスメントを最初にしっかりやった上で、家の仕組みを整える!と言うこと。
「アセスメント」と言う言葉、ちょっと難しいかもしれません。簡単に言うと、一人一人のことをよ〜く観察して、
どんなことが得意かな?
どんなところに苦手さがあるかな?
どうしてあげたら楽にできるかな?
相手の視点に立って考えることです。
これ、子どもの発達支援には絶対に絶対に欠かせない視点なのです。
どんなに素晴らしい教材でも、その子のニーズに合っていなければ、それはただの紙と同然。
どんなに素晴らしい先生の授業も、その子の実態に合っていなければ、それは単なる時間のムダ。
片付けや家の整理整頓だって、その子が片付けやすい工夫をしてあげなければ、それは単なるお母さんの自己満足…(ちょっとキツイ言い方ですみません!)
家の中の主役は誰ですか?
なんのために 整理収納の工夫をするのですか?
常に中心に考えるべきは「人」が主役の家の環境を整えることの大切さなのです。
発達でこぼこの幼児がいると、つい「雑誌の世界と私は違う」と諦めてしまいがちです。私も以前はそうでした。
けれども、それは間違っています。しっかり子どもが主役の環境を整えてあげることができれば、素敵な暮らしの空間と子どもが自分から片付けやすい空間づくりの両立は、むしろ相性がいいのです!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
▼発達障害・グレーゾーンの幼児がスッと動ける片付けの指示出しテクニックをご紹介!
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