幼稚園に行きたい気持ちはあるのに、ママから離れられない我が子。あるとき、息子がその理由を語ってくれたことから、なぜ自閉傾向のある子が行きしぶりを起こすのか特性と絡めて紐解くことができました。我が家で上手くいった「お守り作戦」をご紹介します。 |
幼稚園に行きたいのに行けない、とママから離れない我が子
コロナ禍の今。
感染対策のため、園での行事が中止や規模を縮小して行われるだけでなく、普段の園生活でも制限が多くなってきていますね。
いつもとは“違う”雰囲気を察知し、不安を抱えながら通っているお子さんも少なくはないのでしょうか。
我が家には、とても不安の強い発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の特性を持つ息子がいます。
年長さんになってからは幼稚園に元気に通えることが多くなりましたが、入園後から度々繰り返す幼稚園への行きしぶりに、ほとほと頭を悩まされていました。
進級時や行事の前などの緊張や不安が高まる時期はもちろんのこと、それ以外のタイミングや時期でも起こる行きしぶり。
その時々で原因は様々ですが、行きしぶりの原因が分かった出来事がひとつありました。
息子は、登園の時間が近づいてくると「ドキドキする、怖い」と泣いてしまうことがありました。
お友達とケンカしちゃうから?
イヤな活動があるのかな?
そう思い「何が怖いの?幼稚園、行きたくないの?」と聞くと「行きたいんだよ、でも行けないの…」の一点張り。
お教室の前までは行けるのに、ママである私と離れられず、泣いてしまう日々を過ごしていました。
「行きたくない」のではなく、「行けない」とは、どういう意味なのか…。
そんなある日、息子が放ったひと言で幼稚園に行きたいけど行けない問題のナゾが解けたのでした。
他にもASDタイプの行きしぶりの理由が分かった出来事を記事にしています。
気になる方はチェックしてみてくださいね▼
行きしぶりのワケは、ASDタイプの特性が関係していました
「あのね、お部屋で遊ぶとき、何をしていいかわからないの」と、息子はそう言って私に教えてくれたのです。
「好きなことして遊べばいいのでは?」と大人は思いますよね。
しかし、息子のようなASDタイプの子は、脳の特性上、先の見通しができないことや予定が決まっていないことが苦手な傾向があります。
先のことを想像するのも得意ではないので、この時間は○○、この時間は△△、と決められている方が安心することができます。
息子は幼稚園での「自由に遊んでいい時間」が何をしていいか分からず不安だったということが理由で「行けない」となっていたのです。
特に今のこの時期は、集団で行っていたものが分散や縮小になり、今までとは違うスタイルになっている園も多いのではないでしょうか。
そうなると、“いつもと同じが安心”のASDタイプの幼児にとっては居心地が良くなく、行きしぶりを起こす場合もあります。
そして無理に登園させたり、登園をあきらめてしまったりすると「嫌なのに行かされた、行きたいのに行けなかった」の失敗体験になってしまい、母子ともに苦しい状況(行きしぶり)を長引かせる可能性もあります。
それでは、どう対応したら良いのか。我が家で上手くいった例を次の章でご紹介しますね。
“お守り”作戦で安心を味方につけましょう
私が息子に行い効果的だった方法は、名付けて“お守り”作戦!
紙に今日の予定を子どもと一緒に考え書いていき、子どもに持たせるだけ!とってもシンプルです。
①まず、今日幼稚園でやりたいことをお子さんと一緒に考えてみましょう。
例えば、「絵本を読む」「パズルをする」などです。時間的にやれそうなことを選べるといいと思います。
②次に、その活動を紙に書きます。
我が家は折り紙に書きました。ママが書いても、子ども自身が書いてもいいです。絵でもいいですね!
③最後に、書いた紙を小さく折り畳み、子どもに渡します。
「これ、○○ちゃんを守ってくれるお守りだよ。もし何をすればいいか分からないとき、この紙を見て思い出してね、全部やらなくても大丈夫だよ」と伝えます。
これだけでOK!「目で見て確認できること」がポイントです!
お守りなので、うちの場合は通園バッグの中に忍ばせていたのですが、移動ポケットの中などに入れてもいいですね。
もし時間を書いておいた方がお子さんが安心するのであれば、○時お昼ご飯、○時お迎えなど書き足してもいいと思います。
ママが一緒に考えてくれた安心感と、見通しがつくことで、スムーズに行動できることにつながりますよ!
息子の「幼稚園に行きたいけど行けない」とママから離れられないウラには、「何をしていいかわからない」の不安が隠れていたことにありました。
息子の場合は、このお守り作戦が功を奏し「ママと一緒に考えたリストがあれば大丈夫!」と、幼稚園に行けるようになりました。
楽しく過ごせた“できた!”が増え、その成功体験が積み重なったことで彼の自信となり、元気に通える日々がさらに増えました。
お子さんが幼稚園に行きたい気持ちがあるのであれば応援したいですよね。
この作戦を選択肢のひとつとして、試してみてください!
お子さんの不安を和らげる点では、スキンシップなど日常のコミュニケーションが一番の土台となり重要です。
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執筆者:ひきのなつき
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