片付けられない発達障害の子どもに、本当に大事なお母さんのコミュニケーション。ポイントは3つ!

子どもが片付けられない原因は、お母さんのコミュニケーションが子どもの脳に届いていない可能性があります!家にいる時間が長い今だからこそ、3つのポイントで、発達障害の子どもの自分でやる力を、お片付けを通して身につけてあげましょう。

片付けられない子どもに、頭ごなしのしつけは要注意

今年の夏休みは、家の中で過ごすご家庭が多かったのではないでしょうか。そうなると、問題となるのが子どもの片付けられない問題!
特に、発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、不注意の特性や、行動の切り替えが苦手なためにどうしてもお片付けが苦手になりやすいです。
最初は優しく声をかけていても、全然進まない片付けにイライラ…。
私は個別相談で幼児期のママの相談にたくさん乗っていますが、子どものことを尊重したいけれど、付き合いきれなくて最終的には怒ってしまう、という方はとても多いです。
幼い子は、大人が強く怒鳴ればある程度いうことを聞かせることができます。頭ごなしの昭和の子育てではそれを「しつけ」と呼び子育ての中心を担ってきました。
しかし、それでは子どもの脳は育ちません。
「何度言ったらわかるの!?」
「毎日同じこと言わせないで!」
と一度でも言ったことのある方は、残念ながら、その声かけ自体が子どもの脳に届いていない可能性があります。
子どもの脳に届く声掛けをきちんと理解しないと、怒って片付けさせる…
永遠にその繰り返しになってしまいます。

発達障害・グレーゾーンだからこそ、片付けを通して身につけさせたい力

突然ですが、発達障害・グレーゾーンのお子さんに、どんな子に成長して欲しいと願っていますか?
私は自分の人生を自分で切り開ける子に育って欲しいと、心から願っています。
物事に真剣に向き合ってどうすればいいか考え、わからなければ学び、学んだことを実践し続ける子。
人の評価ではなく自分の内側に自信を持っていて、壁にぶち当たった時にも、周りの人を上手に頼りながら自分の足で歩んでいく子になって欲しいと願っています。
そんな力を一つずつ、大人になるまでに身につけさせてあげたいですよね。
そんな私は「片付け」をとても大事な親子のコミュニケーションとして捉えています。
なぜなら、片付けという、自分の所有するモノと向き合う作業の中には、本当にこれ自分にとって必要?と自分の価値観と向き合い続けることが必要になります。
そして親としても、この子がどんな風にモノと付き合おうとしているのかを近くで見ることで子どもの価値観を知ることができるからです。
自分が好きなもの、大事なものを自分でちゃんと決めて、それを使いやすいように工夫しながら暮らしていくこと。
最初から上手になんてできませんから、お母さんも一緒に勉強しながら、我が子の「自分でやる力」を、片付けを通して伸ばそうと試行錯誤することが大切です。
家を綺麗にすることが目的なのではなく、「自分でやる力」を子どもの中に育んであげることが片付けコミュニケーションの最終ゴールです。
片付けという毎日の暮らしの行動を、子どもの「自分でやる力」を伸ばすコミュニケーションに変える方法をぜひ知って欲しいと思います。

やりたいと思うかはお母さんのコミュニケーション次第。3つのポイントはこれ!

整理収納の技術をきちんと学び、片付けやすい環境を整えることを、発達支援の専門の言葉で「環境の構造化」と言います。
その事もとても大事ですが、ただただ環境を整えれば片付け問題を解決し、さらに子どもの成長まで促せるおうち環境を整えられるか?と言われると、答えはNOです。
子どもを取り巻く、最も大事な「環境」はお母さんという存在そのものだからです。
では、子どもの脳にしっかり届き、子どもの発達を加速させるコミュニケーションをお伝えしますね。

♦① スモールステップ

行動するときは、動き始めが一番エネルギーを使いますから、最初はスモールステップの指示から始めます。
一番近くにあるものをしまう作業や、一番お気に入りのものをしまう作業などから始めるとよいでしょう。
・この色鉛筆をケースに入れようね
・大事な人形たちをお部屋に戻してあげようか

♦② 肯定の言葉で挟む

スモールステップにプラスして肯定の言葉を入れると、もっと子どもの脳にお母さんの言葉がすっと入り、行動を起こしやすくなります。
もうお片づけ始めてるんだね!じゃあ車もビューンと箱に戻そう。バッチリ!
きれいにブロック拾えたね!絵本も棚に戻せるかな?ありがとう、床がスッキリだね!
できていることをしっかり肯定してあげることで、成功体験となり、次の行動につながっていきます。

♦③ お母さんの笑顔

指示を上手に出していても、お母さんが眉間にしわを寄せていれば、子どもはそれだけでも怒られているように感じ、お母さんの声をシャットアウトしてしまいます。
なによりも、お母さんが笑顔をみせて余裕をもって接することを忘れないようにしましょう。
いかがでしたか?
片付けやすくしてあげることは整理収納の技術でどれだけでも工夫することができますが、それを「やろう!やりたい!」と子供が思えるかどうかはお母さんのコミュニケーション次第です。
一生の基礎を作る幼児期だからこそ、おうちの環境とお母さんのコミュニケーションの持つ価値責任は大きいです。
脳に届くコミュニケーションで子どもの自分でやる力をグングン伸ばしていきましょう!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
▼幼児の「自分でやる力」を育てるためのお母さんのコミュニケーションをお伝えしています!
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