年長さんは小学校入学が見えてきました。入学までに必要な力はどうやってつけたらいいの?と悩んでいるママへ。必要な力はママとのコミュニケーションで育てていけるんです。今すぐおうちでスタートできる入学準備、この記事で詳しくご紹介します。 |
次の春に入学を控えた、年長さんママへ
年長さんの冬となると、いよいよ小学校入学が自分ごととなってきますね。
発達障害・グレーゾーンのお子さんの場合、「うちの子、小学校でやっていけるのかな…?」と不安な気持ちもお持ちかもしれません。
この記事では、小学校入学を次の春に控えている年長さんのために今から始めてほしい入学準備について詳しくご紹介しますね。
◆あなたのお子さんの入学準備力は?チェックしてみましょう
まず、チェックしてほしい『入学準備力』は6つあります。
①生活習慣力
②登下校力
③授業力
④素直さ
⑤穏やかさ
⑥友達・家族関係力
②登下校力
③授業力
④素直さ
⑤穏やかさ
⑥友達・家族関係力
これは基本的なものなので、いつでもチェックすることができます。
お子さんはいくつもっているでしょうか。
お子さんはいくつもっているでしょうか。
一般的に、お母さんたちが気にするのは、①〜③の力のような「朝間に合うように起きられるか。」「忘れ物は大丈夫か。」「授業はついていけるのか。」 といったことではないでしょうか?
次にこちらを見てみましょう。
©2020 石澤かずこ
実は、①〜③であげた力はお子さんのスキル面を測るチェックリストです。
そして、スキルは「できる」「できない」が表面に目立ちやすいため、 お母さんたちの関心もそちらに向きがちになります。
けれども、実は子どもの発達には順番が決まっています。全てのスキルの下支えをしているのが親子のコミュニケーションの力なのです!
コミュニケーション力も成長の順番が決まっていて、④の素直さと⑤の穏やかさが伸びてきて、はじめて⑥の人間関係の力が伸びてくる、というように発達していきます。
そして、特徴として始めは身近な人との間で発達していきます。
つまり、お母さんと良好な関係が取れないうちは、 お友達とうまく付き合うスキルは育たないということです。
お母さんとのやり取りを良好にするためには、④の素直さと⑤の穏やかさ、これだけにフォーカスするよう意識します。
◆小学校で必要な力「素直さ」の発達を妨げる「脳のクセ」
特に、嫌なことを癇癪で表現する癇癪っ子は、素直さの発達なしにはこちらの指示は通りません。
子どもの癇癪はお母さんの脳を変えてしまうほどのパワーがあります。
そして、脳は繰り返し使われることによってそこの部位が発達するようにできています。これは、いい成長も、好ましくない成長も同じです。
癇癪を繰り返す子どもも、そのきっかけは感情のコントロールがうまくいかないことが原因であることがほとんどです。
その上、嫌なことがあると感情を爆発させて反応する、というパターンを繰り返すうちに、その行動は「脳のクセ」として固着化していきます。その結果、癇癪で表現する「クセ」がついてしまうようになるのです。
「脳のクセ」が固着化する前に、素直さと穏やかさを伸ばすには?
◆成長を妨げる癇癪のメカニズム
定型発達に近いお子さんでも、いわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる時期があるように、感情を爆発させながら自己主張する時期は多かれ少なかれあります。
大概は、脳が成熟して感情を少しコントロールできるようになるのと、その感情を言葉で表現できるようになることで徐々に落ち着いていきます。
発達障害の子どもたちは、感情の脳の発達・言葉を伝える力の発達もゆっくりであることが多い。
だから、幼稚園や小学校に上がっても、癇癪でネガティブな気持ちを処理しようとする行動がなかなかおさまりません。
◆癇癪は、お母さんのコミュニケーションでおさめられる
ですが、お母さんのコミュニケーションを変えることで癇癪はおさめられます。
一番まずいのは、お母さんが癇癪を「叱り続ける」というループで対応してしまった場合。
子どもの癇癪はおさまりませんし、一番怖いのは、お母さんの脳に「叱る」回路が強く形成されてしまいます。
この状態になると、これではいけないと思っていても、いざ子どもが目の前で泣き出すと叱らずにはいられなくなります。
この「自分ではコントロールできない感じ」が、まさに「脳のクセ」の仕業なのです。
◆叱る対応はやめて、負のスパイラルを断ち切りましょう
叱る対応では、当然うまくいくいきません。お母さんはどんどん自分を責めて自信をなくします。
けれど、反省したところで目の前の子どもは何も変わりません。
泣く、辛い、叱ってしまう…負のスパイラルが定着していき、抜け出せなくなります。
泣く、辛い、叱ってしまう…負のスパイラルが定着していき、抜け出せなくなります。
これは定着すればするほど、解消には時間も労力もかかります。
しかし、正しいやり方さえ知れば、断ち切って解消することはいつからでも可能です。
癇癪に対し正しい方法で対応することで、早めに負のスパイラルを断ち切っていきましょう。
入学までに必要な力を伸ばす!ママのコミュニケーション
負のスパイラルを断ち切るために、お子さんと接するときには次の3つのポイントを意識していきましょう。
◆①ほほ笑みながら
例えば、学校や幼稚園から帰ったお子さんを、まずはにこやかに出迎えます。
子どもと向かい合ったときに、最初に目に入るのはお母さんの顔です。その時にどんな表情をしているかで、お子さんの持つ印象は変わります。
最初に穏やかな表情をしていることで、お子さんのほうもお母さんの言葉を受け入れる態勢が整いやすくなります。
◆②穏やかな声で
最初に話しかける声のトーンは、とても重要です。明るく、穏やかな声で話をすることで、より耳に届きやすく内容が入りやすくなります。
そのとき、お母さんの立ち位置も大事なポイントです。
お子さんから遠い場所では、声のトーンが上がり、大きい声になりがちです。すると、穏やかな声を出すのが難しくなります。
大きい声は威圧するようにも聞こえてしまうので、お勧めできません。
なるべくお子さんの近くで、落ち着いた声色で話すようにしましょう。
なるべくお子さんの近くで、落ち着いた声色で話すようにしましょう。
◆③肯定的なリアクション
話しかけるときに、肯定的な声掛けを意識します。
この場合のポイントは、「明日も頑張ろうね。」や「いつもそうしてね。」といった皮肉や批判は一切入れない、ということです。
これを入れると、結局お説教につながってしまうからです。
これを入れると、結局お説教につながってしまうからです。
◆これらを繰り返すと入学までに必要な「〇〇力」が育まれる
ひたすら「微笑み」+「穏やかな声」+「肯定的なリアクション」。この3つによって、次のいいことが起こります。
それは「自己効力感」が上がるということです。
自己効力感とは「自分の行動には効果がある」という期待や自信のことです。
この場合、学校帰りにお母さんから「頑張って帰ったね。」と言われることによって、「頑張って帰った私は、次も頑張って帰れる!」と思うようになる、ということです。
この自己効力感が、お子さんの脳を育てる大切な力になります。
にこやかに迎えるのが難しい場合は、ジェスチャーでうなずいたり、手を振ったり、グッジョブサインなど、肯定していることが伝わるものであれば大丈夫です。
このように、ポジティブな3つの表現を、お子さんがした好ましい行動(続けてほしい行動)に対して、常に行っていきます。
それによって、お母さんの言葉が耳に届きやすくなると同時に自己効力感が高まり、好ましい行動を続けようとする姿が出てきます。
つまり、素直さと穏やかさが引き出せるというわけです。
お子さんの癇癪が減ると、だんだんお母さんのイライラ・ピリピリも減る…という良いスパイラルが形成されていきますよ。
年長さんのお子さんの入学準備に必要な力は、ぜひ、お母さんとのコミュニケーションで伸ばしていってくださいね。
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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