お子さんが激しく行きしぶる中、やっとの思いで学校に連れて行くけれど、母子分離不安で母子登校をしているママへ。私も同じ経験をしました。とても苦しい毎日でしたが、あることをして母子登校を克服しました。少しでも参考になれば幸いです。 |
母子登校に至るまで
最初は順調だった小学校生活
娘は幼稚園の頃、お友達とよく関わり、先生が大好きな、明るく元気いっぱいの子どもでした。
年長の頃に始まった、幼稚園でのひらがなの練習もよく取り組み、ときどき行事に参加できないときはありましたが、練習はできていたので、私はあまり心配せずに、普通級への入学を決めました。
赤いランドセルを背負って毎日元気よく、「いってきまーす!」と手を振り、登校班で学校へ出発。
返ってくると、「今日の宿題これだよ〜♪」と嬉しそうに宿題を見せてくれて、進んで取り組んでいました。
学校も元気よく毎日行っているし、宿題も集中して取り組んでいる…!
1年生1学期の小学校生活は、順調でした。
激しい行きしぶり
ところが夏休みが終わり2学期が始まると、
「長いお休み(夏休み)はいつなの?」
「学校はおもちゃがないからつまんない!!」
「学校いや!」
などと言いながら、私にキックやパンチもしてしまうような、激しい行きしぶりが始まりました。
担任の先生からは、娘はひとしきり泣いたあと、通常通りみんなと同じように授業に参加していますと聞いていたため、それでも『学校に連れていけさえすれば、なんとかなる!』と、毎日連れて行きました。
強い母子分離不安の状態が始まる
そのうち、家ではトイレに行くにも必ずついてくるようになり、自宅のポストを見に行こうとするだけで泣いてしまう状態になってしまい、近所のコンビニに行くこともできなくなりました。
寝るときもピタッとくっつき24時間ずっと一緒の状態です。
そんな娘の状態をネットで検索し、母子分離不安という言葉に初めて出会ったのもこの頃でした。
母子分離不安は、母親と離れることに強い不安を感じ、極端に母親にスキンシップを求めたり、母親が出かけることを拒否したり、母親が一緒にいないと眠れないなど、様々な症状として現れます。
今思うと、幼稚園の頃から保育参観から帰るときは必ず泣いていたので、もともと母子分離不安の気質はあったのかもしれません。
なぜ母子登校になったのか?
ちょうど行きしぶりが激しくなり、母子分離不安の症状も出ていた頃、コロナの影響で分散登校になり、クラスではほとんどお友達と話しができない状況でした。
さらに少しずつ勉強も難しくなっていき、授業が辛い、学校がつまらないと感じ、かなり負担になっていたのでしょう。
当時の私は学校に連れていくことに必死で、娘の気持ちに気づいてあげられませんでした。
そんなある日、泣いている娘からやっと離れて私が学校の門を出ようとしたとき、娘が靴下のまま教室から飛び出し、追いかけてきてしまったのです。
もし私がいなかったら、門の外に出てしまっていたかもしれません。
それを目撃した校長先生や担任の先生から、
「お母さんも、一緒に学校に来ることはできますか?」と母子登校の提案がありました。
母子登校とは?親への影響
母子登校とは、親が一緒にいないと学校に行けない、教室に入れない、授業が受けられない状態のことをいいます。
教室まで連れて行けばいいのではなく、授業中もつきっきりなので、家の家事はできず、親の負担はとても大きいです。
家に帰ると疲れきってしまい、簡単な夕飯を作るので精一杯。
なれない生活リズムに疲れがたまり、他のきょうだいにも当たってしまう…という精神状態でした。
母子登校とは?娘の場合
学校での娘はというと、つまらないと感じると、廊下にふら〜っと出て行ってしまったり、チャイムが鳴っても教科書を出そうとしなかったり、掃除や給食当番を嫌がったり…
とにかく
・なかなかやろうとしない
・注意するとすぐに機嫌が悪くなる
という、みんなと一緒に進んでいくことが当たり前の普通級の中で、娘だけが違うことをしているという状況でした。
先生は娘の豹変ぶりに、「今まではできていたんですけどね…」と驚きを隠せない様子でした。
また娘は、まだ時計が読めなかったこともあり、
「今やっている授業は一体いつまでがんばればいいのか分からない!」
と、見通しが持てないことに苛立ちと不安も感じていたようでした。
娘は自信を失っている状態だった
私は学校でも、家庭教師のように授業中は隣にいたため、勉強も教えていました。
私がたった一文字優しく「ここ違うよ〜」と教えただけで、すぐに「もうやだ!」と機嫌を悪くすることが多かったのです。
娘の中に自信があれば、少し注意されても、
『そっか、分かった!』と直すことができるのですが、娘は注意されることですぐに機嫌を悪くしていたため、
『どうせ違うよ。』『どうせ分からないよ。』
と自信を失っている状態だと気がつきました。
母子登校は克服できる!子どもに自信を授ける方法
そこで私は、娘に自信を授けるために、たくさん肯定しよう!ほめよう!としました。
具体的には、すでにできていることをたくさん声に出して伝えていくのです。
笑顔で「ごはん食べてるね」「歯磨いてるんだね」
などと、ゆっくり優しく伝えます。
しかし、激しい行きしぶりで荒れていた娘には、いまいち私の声が届きませんでした。
実践例を公開!目から肯定を届ける『できたノート』
そこで、耳から入らないなら目からほめを届けよう!と作ったのが、
『できたノート』でした。
・朝、登校班と一緒に出発する
・ランドセルを教室まで背負う
・帽子を教室までかぶる
・上履きをはく
・宿題を先生に出す
・給食を食べる
・掃除をする
など、項目は、本人があまり負担なく取り組めることを多めにし、
少しだけ頑張ったらできそうなことも少しだけ取り入れました。
そして、登校から下校まで順番に入れていきます。
こちらは、私が実際に取り組んでいたものです
©佐藤なみ2022
あくまで本人が『できた!』と実感できて自信を集めるためのツールなので、かなりがんばらないとできないものは入れません。
目標を達成したら、
・ママと先生、それぞれからシールのプレゼント!
・一週間がんばったら100円ショップで好きなおもちゃが買えるご褒美付き!
このシールと100円ショップのご褒美で、
行動する→肯定→行動する
という、良い循環に入っていき、ママや先生からほめてもらう場面も多くなっていきました。
ノートのおかげでほめるきっかけを、かなり多く作れたのです。
すると、娘に自信がついてきたのか、ある日突然、
「ママ、体育は一人でいってくるから教室で待ってて」と言えたのです!
続いて
・図書室にお友だちと並んでいく
・掃除を嫌がらないでするようになる
・学活の発表をみんなの前でする
などと、色々なことができるようになっていきました。
私が教室にいなくても泣くことなく2時間、3時間、半日…と過ごせる日が増え、母子授業(母子登校)が始まってから4ヶ月後、途中で2時間ほど家に帰り、家事ができるようになりました。
激しい行きしぶり、強い母子分離不安を卒業!
そしてついに、母子授業(母子登校)が始まってから7ヶ月後の一年生最後の3月は、朝教室まで一緒に行き、帰りに迎えにいくだけで大丈夫になりました。
たまに「学校行きたくない…」と言う日もありましたが、
「ほら、行こう♪」と誘えば一緒に登校できるほどの軽いものとなりました。
離れても泣かなくなり、激しい行きしぶり、強い母子分離不安を卒業した…!と嬉しさでいっぱいになりました。
・ほめたいけれど、いまいち声かけが響かない…
・先生と連携したいけれど、どうやればいいのか分からない…
など、そんなお悩みが、少しでも解決するヒントになれば幸いです。
声かけでのほめが届きにくいな…と感じたら、ぜひノートやプリントなどを使って、お子さんが目で見て「ほめられた〜♪」と認識できる『できたノート』を試してみてくださいね。
執筆者:佐藤なみ
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