赤ちゃんを抱っこしていると「抱き癖がつく」と言われたことはありませんか?新生児から抱っこをされないと親子間で十分な愛着形成ができず将来心身の成長に大きな影響が出ると言われています。新生児から抱っこをたくさんしてほしい理由をお伝えします。 |
私も「抱き癖がつくから大変だね」と言われたことがあります
泣いているわが子を見ると、抱っこをしてあやしたくなりますよね。
ですが、こんなことを言われた経験はありませんか?
「抱き癖がつくからあまり抱っこしないほうが良いよ」
私自身、当時0歳だった長男を抱っこして外出しているときに、年配の方から「抱き癖がつくから大変だね」と何度か言われた経験があります。
私はそのように言われる度にとてもモヤモヤし、抱っこをすることは良くないこと?と感じることもありました。
果たして赤ちゃんに抱き癖が付くことは良くないのでしょうか?
抱き癖について
この章では、抱き癖についてお伝えしていきます。
抱き癖が付くのはよくないこと?
いわゆる「抱き癖がつく」というのは抱っこをしないと泣き止まない赤ちゃんのことをいいます。
では、赤ちゃんに抱き癖がつくことは良くないのでしょうか?
抱き癖がついている赤ちゃんとは、言い方を変えれば抱っこされる心地よさをよく分かっている赤ちゃんのことです。
つまり、赤ちゃんの抱っこしてほしいという要求にお母さんが応えることで、赤ちゃんは「抱っこしてもらえた」という安心感を持つことができるのです。
安心感を持つことができた赤ちゃんは、親子の愛着がしっかり形成されるのでより早く自立することができます。
だから、抱き癖がつくことに関して新生児のうちから気にする必要はないんですよ。
あまり抱っこされることがなかった赤ちゃんはどうなる?
では抱っこをあまりされてこなかった赤ちゃんは、成長過程においてどのような影響が出るのでしょうか。
赤ちゃんは泣くことでしかコミュニケーションを取ることができません。
赤ちゃんがお母さんと関わってほしくて泣いてアピールをしているのに、その要求にお母さんが応えてあげなければ、赤ちゃんは「泣いてもお母さんは来てくれない」と学習してしまいます。
それにより親子の愛着関係を深めていくことができなくなってしまいます。
赤ちゃんのうちに親子間で十分な愛着形成ができないと、
大きくなってから他者とのスキンシップを否定的に捉えるようになったり、
情緒が安定せず他者に対する思いやりや関心に欠けてしまったりなど、
心身の育ちに大きな影響が出ることが分かっています。
親世代と現在の抱っこに関する認識の違い
続いて、この記事を読まれている皆さんの親世代から祖父母世代と現在の抱っこに関する認識の違いについてお話していきます。
親世代の認識
かつて、赤ちゃんを抱っこしないことで赤ちゃんの自立心を育てるという育児観が主流でした。
この考えは1960年代後半にアメリカから始まりました。
女性の社会進出を助けるために子供の自立心が必要だと考えられたのです。
この考えがほどなく、日本にも伝わりました。
当時は現代のように便利家電などもない時代。
お母さんが赤ちゃんを頻繁に抱っこしていたら、赤ちゃんのお世話以外のことができなくなってしまう。
そのような大人側の都合によるものから「抱き癖がつくからなるべく抱っこしない」という考えが広まったようです。
「抱き癖がつくよ」と仰る方たちは、当時の常識から「抱っこばかりしていては大変だろう」という心配や愛情を持ってお母さんたちを気にかけてくれているのだと思います。
決して悪気があったり、育児を否定しているつもりで「抱き癖がつく」と言っているわけではないのです。
現在の認識
現在では研究が進み、赤ちゃんをたくさん抱っこをしてあげた方が依存的になることを防ぐことがわかっています。
新生児時期で最も大切なことは、親子の愛着形成の土台をつくっていくことです。
新生児は泣くことで、お母さんが抱っこをし、おむつを替え授乳をするなどのお世話をしてくれる。
この体験を繰り返すことで赤ちゃんの不快感が取り除かれ、安心感と安全感を手に入れていくのです。
これが愛着形成の土台となりますから、赤ちゃんが泣いていたら、「抱き癖がつく」なんてことは気にせず、どんどん抱っこしてあげて大丈夫ですよ!
赤ちゃんの要求に応えてたくさん抱っこをしてあげましょう
新生児時期の赤ちゃんは、まだ会話ができませんから、泣くことでコミュニケーションを取っています。
だから、赤ちゃんが泣いたらたくさん抱っこをしてスキンシップを取ってあげてくださいね。
赤ちゃんを抱きしめることで、親子の愛着関係を深め、心を豊かに育て、情緒を安定させる効果が期待できます。
また、その過程で最初は表情が乏しかった赤ちゃんが次第に様々な表情をみせてくれるようになります。
赤ちゃんに表情が出てくると、赤ちゃんとのスキンシップがもっと楽しくなるはずですよ。
子育てをしていると、いろいろな考えの人からいろいろと言われ迷うことがあるかと思います。
ですが、「抱き癖がつく」と言われてもそこは気にしなくて良いので、赤ちゃんの要求に応じていっぱい抱っこしてあげましょう。
もしすぐに抱っこをすることができないときは、赤ちゃんに声をかけて安心させてあげましょう。
「お母さんはここだよ」
「今から行くよ」
などと優しく声をかけてあげると良いですね。
この時期、お母さんは初めての育児で不安も大きいかと思います。
ですが、赤ちゃんも初めてなんです。
初めてだからうまくいかないことがあっても当たり前ですし、お母さんと赤ちゃんの毎日の成長を通してできなかったことが次第にできるようになりますよ。
安心してくださいね。
新生児時期はあっという間です。
赤ちゃんが成長していくと、次第に興味対象が親からお友達へと徐々に広がっていきます。
赤ちゃんをたくさん抱っこできるこの時期、目一杯赤ちゃんとのスキンシップを楽しんでくださいね。
執筆者:まるやまなほ
▼0歳から親子に役立つコミュニケーション方法を学んでみませんか?「お母さんの小学校★ななほし」主宰:石澤かずこのメールマガジン、ご登録はこちらから