就学相談の時期になると、お母さんたちからの悲痛な相談がたくさん寄せられます。発達障害・グレーゾーンの子どもへの行政による発達支援には限界があるのです。だからこそ、「誰かに頼る子育て」を卒業し、子育ての悩みを自分で解決できるママになりませんか? |
相談できる人がいなくて困り果てている…そんな悩みはありませんか?
就学相談に行ったものの…相談に乗ってもらえなかった
基礎講座で教えているママさんから、こんな悲痛な相談メールが届いたことがあります。
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子どもの就学相談に行ってきました。
色んな情報が聞けることを期待して行ったところ、ただ書類を確認するだけの場であり、学校の細かいことについては直接学校へ聞いてくれとのことで、途方にくれて帰ってきました。
全く相談に乗ってくれませんでした。
行政の発達支援の限界。相談したいお母さんの気持ちはどうなる?
これと同じような相談を、幼稚園の現場で仕事をしていたとき、毎年毎年たくさんのお母さんたちから受けてきました。
発達支援を行政でやっていることの、明らかな限界がここに見えます。
管轄が変わったら、はい、次の担当へ。
療育現場でも、教育センターなどの相談機関でも、医療現場でも、管轄を超えたら手が出せない。
かといって、管轄同士の連携が取れていないことも多いので、「次に行け」と言われたから相談に行ったのに、うまく対応してもらえず途方に暮れる・・・
そんなことが毎年起こっているのです。
働く側の気持ちもわかりますので、決して見放したり、事務的に扱っているわけではないことは十分知っていますが、
頼みの綱と、相談に行ったお母さんの気持ちはどうなるんでしょう?
「専門家」以外で相談できる人がいない…と困っていませんか
メールを送ってくださった生徒さんは、ご夫婦で私の講座で学びながら、家での対応を整えてきました。
就学先を選ぶ、ということについても、実は子どもの脳を理解すればそんなに迷わず決められますが、専門家の意見も聞きたいのは当然だと思うので、この生徒さんに関しては私がフォローしています。
だけど、いわゆる「専門家」以外に、自分をフォローしてくれる人とつながっていないお母さんは、途方に暮れてしまうことでしょう。
同じ状態に陥って困り果てているお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
子育ての悩みを自分で解決できるママになったほうが良い理由
私は、グレーゾーンの発達支援の分野で、専門家って必要なのだろうか?という疑問を持っています。
誤解のないように言うと、
「専門家に相談すれば何かが解決する」とか、
「専門家が困りごとを解消するアドバイスをくれる」という、
我々お母さん側の「他力本願な子育て」を手放したほうがいいと思っています。
子育てに迷う状況はいろんな場面で遭遇する
どうしていいかわからない!という状況は子育てのいろんな場面で遭遇します。
今は就学先について悩んでいるかもしれないけど、
1年生になり、宿題を泣いて嫌がったとき、果たして頑張らせるべきか、どのくらいなら緩めていいのだろうか?
「学校行きたくない」と言ったとき、どんなときは休ませて、どんなときは頑張れるようにサポートした方がいいのだろうか?
お友達に嫌がらせをされて我が子が傷ついているとき、なんと声をかけ、どう対応したらいいのだろうか?
これらの一つ一つの悩みを誰かに頼らないとわからない、そんな子育てをずっと続けるのか、
我が子の脳の成長はこうだから、ここまでは大丈夫!こんな風にしていけばOK!と根拠を持って子育てができるようになるのか?
あなたはどちらが良いですか?
発達障害と診断された我が子の専門家になる!と決意したお母さんの話
私の講座で学んでいるMさんはお子さんは高校生と中学生ですが、ある日のFB投稿で綴られた思いに胸を打たれました。紹介しますね^^
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【診断名だけでなく、本質をみて欲しかった】
かれこれ12年も前のこと。発達障がいがある長男は小学校へ入学し、コミュニケーションを学ぶため、週に1日、通級に通っていました。
長男の学校では通級にはお迎えが必要でしたので、その日も迎えに行くと、通級担任のA先生が
「Kくん、『野口英世』なんて 言うんですよ。何をした人なのかも知らないのにね。このような特性のあるお子さんは、意味もわからない難しい言葉をよく使うんですよね」
と言われました。
「えー??」←私の内なる声
(発達障がいはあるけれど、読み聞かせをたくさんしてきたし、野口英世が福島生まれで幼い時に囲炉裏に落ちて火傷したこと、Kは知ってるよ。手術して指が使える様になったこと、黄熱病を研究してたこと知ってるんだよ)
A先生からは「私は臨床心理士の資格もあるし学校の特別支援のコーディネーターもしているからなんでも聞いてください」と言われました。
私は、悶々としながらもその場でA先生の話を聞いていたけど、すごくやりきれなかった。
だって正直、学校で1番理解してほしい先生だったから。
A先生は臨床心理士であり、発達障がいのこともたくさん勉強されてきたのでしょう。
当時の私は何も言えなかったけど今ならこう言うかな。
「先生、Kは発達障がいがあります。
でもね、先生!同じ障がいでも、その子その子により特性は違いますよ。本の通りじゃない子もたくさんいます。
診断名にとらわれずにKのことをみて欲しかった。Kの本質をみて欲しかった」って。
だからね、お母さんに我が子の発達のことを知ってほしい。
お母さんは、専門職の先生に負けないくらい、我が子のことならわかるはずだから。
私は、先入観をもたずにまっさらな目で、その人、その子に接していきたい。出会った全ての人のもつ素敵なところを、気づける人でありたいと思うんだ。
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感動して涙が出ました。
「専門職」の資格も、お母さんの「専門性」には到底及びません
Mさんは12年も、苦しかったはずです。何度も涙したはずです。
息子くんたちもたくさん傷ついてきました。
だけど、お母さんが「自分が我が子の専門家になる!」と決意したことで、全ての苦しさが価値に変わろうとしています。
無駄にしちゃいけないよね。経験してきたからこそ、寄り添える。それが、あなたの最大の強みだよね。
お母さんは、専門家には絶対に手に入れられない力を持っています。
お母さんのもつ力とは?こちらの記事で解説しています▼
あなたも心のどこかに残しておいてください。臨床心理士でも特別支援の資格があってもかなうことのない、あなたがお子さんの「専門家」になれるのだということを^^
我が子の子育ての悩みを自分で解決できるようになりませんか?
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
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