休みあけの新学期に「幼稚園に行きたくない」と言い出すのでは…と、不安を感じているお母さんへ。休み明けの登園しぶりや癇癪を防ぐカギは、長期休みのお母さんとの過ごし方にあります!「幼稚園で頑張れる脳」を作る、お休み中のお母さんの対応をご紹介します。 |
休み明け、「幼稚園に行きたくない!」と泣き叫ぶのでは…と心配しているお母さんへ
夏休みに入り、「行きしぶりとたたかう毎日から解放されてホッとしています」というお母さんはいらっしゃいませんか?
それと同時に、「家で過ごす時間が長い分、夏休み明けにはまた激しい癇癪を起こして登園しぶりをするのでは…」と心配する気持ちも湧き出てきますよね。
長期休みのお母さんの関わりで、「ストレスに負けない脳」に育てる!
長いお休みが明けたあとは、どの子も気持ちが沈んだり、体調を崩したりしてしまいやすい時期です。
おうちではゆったりと過ごしてエネルギーをためて、疲れをとってあげる。
このオーソドックスなやり方も大切ですが、お母さんにはもっと積極的に子どもの脳自体を強くしながら、休み明けの不調が出ない方法を実践していただきたいと思います。
まだ成長過程にある幼児の脳は、関わり方がとても大切ですから、お母さんの長期休み中の関わり方で、しっかりと発達を進ませながら、ストレスに負けない脳を作ってあげることが可能なんです。
登園しぶりや癇癪をなくすだけでなく、感情の発達も助けます!
休みの時間を親子でどんな風に過ごすかが、新学期のスタートで癇癪や登園しぶりを起こさないだけでなく、お子さんの感情の発達にとても大きな影響を与えることをご存知ですか?
「気持ちの穏やかな子になってほしい。」
「自分の感情を素直に表現できる子になってほしい。」
親なら必ず願うことですね。
ただ、幼児の場合、自分の思い通りにならないとぐずぐずと泣いたり、癇癪を起こして感情を爆発させたりすることがよくあります。
これは、感情のコントロールに関連する脳の発達がまだまだ未熟であることが原因の背景にあります。
実はぐずり・癇癪への対応と、気持ちの素直な子に育てる子育ては根っこで繋がっているのです。
どちらも感情のコントロールに関係する脳の部分、つまり感情の脳を育ててあげれば順番に発達が進んでいく、というわけです。
休み明けにちゃんと幼稚園に行けるかどうか、朝ぐずらずに家を出られるかどうか、心の片隅で心配が消えないお母さん。 お子さんの感情の脳自体を発達させるチャレンジをしてみてください。
今準備したことが、きっと新学期のスムーズなスタートに繋がります。 ぜひ、楽しみながら進めていきましょうね!
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感情の脳を育てることで、癇癪が減っていく
癇癪の原因を取り除く対応は、根っこでは、お子さんの感情の脳を育てることにつながっています。
逆を言えば、感情の脳自体を発達させることで、表面に出ている癇癪を減らしていってあげることだってできるというわけです。
では、ここで問題です。脳って、どうやったら育つのか? あなたはご存知ですか?
人の脳は、使った場所が使った分だけ発達する仕組みになっています。それは、大人も子どもも同じです。
つまり、子どもが感情の脳を使うようなアプローチができたら発達させてあげられるというわけです。
人が脳を使う場面は、読んだり、書いたり、聞いたり、しゃべったり、触れたり、嗅いだり、見たり、感じたり…そういった五感を使った活動が主になります。
幼児の場合、自分で本を読んだり、書いたりして学習することはまずありません。
脳への情報のもっとも多くは聞いたり、しゃべったり、といったコミュニケーションによって入ってきます。
もしくは、見たり、触ったり、ですね。
こういった五感を使う活動の中で、感情の脳が動く刺激をたくさん脳の中にインプットしてあげれば、脳が育つ!というシンプルな法則です。
キーワードは、しゃべる、聞く、見る、触る。 これらの情報が大事そうだ、ということは何となく理解できましたか?
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子どもの脳を育てる一番の適任者は誰だと思いますか?
より上質な、しゃべる、聞く、見る、触る、といった情報をお子さんに届けるために最適な人って誰でしょうか?
ピンときた方、素晴らしいですね!
そう、子どもがもっとも気持ちが安らいで、良い感情の刺激を起こせる人…それはお母さんです!
そんなお母さんとのしゃべる、聞く、見る、触る、のやりとりの質がとても重要になります。
幼児〜小学校低学年くらいの子どもの脳は、「幼児脳」という発達期にあり、一生のうちでもっとも大切な脳の成長が爆発的に起こります。
そう、まさに脳の成長期! だから、脳が育つためには質の良いコミュニケーションはもちろんですが、 正直なところ、量が大事になります!
私は長らく療育教室で先生をしてきた経験がありますが、担当のお子さんのお母さんによく言われていたことがあります。 それは、「石澤先生の前ではできるんですよね〜」という言葉。
それを聞くたびに、私はなんとももどかしい気持ちになったことを覚えています。
どんなに素晴らしい先生にどんなに素晴らしい療育をしてもらっても、発達期にある子どもの脳を伸ばすには、週に1回数時間、なんていう量では全く足りないのです!
量を稼ぐ!という意味ではお母さんの右に出るものはいません。
ですから、療育で素晴らしい刺激を脳に与えてあげても、お母さんのコミュニケーションが逆効果のものになっていれば、簡単に療育の効果を打ち消すだけのパワーを持っています。
反対に言えば、お母さんがお子さんを伸ばす知識とスキルを身につけたら、毎日が発達支援になっちゃう!というわけ。
特に感情面の発達は、一番安心できる相手であるお母さんとのやりとりが脳にダイレクトに影響します。
「感情の脳」を育てるのに、誰よりもお母さんが適任者であること、おわかりいただけましたか?
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休み中こそ!感情の脳を育てる3つのポイント
では、どんな風に、しゃべって、聞いて、見て、触ってあげると子どもの感情の脳が発達するのでしょうか?
◆①小さなこともどんどん褒める
幼児期の脳を伸ばすのはお母さんのコミュニケーション(声かけ)です。
まずはお子さんの心の安定をはかり、脳自体を安定させるテクニックを行います。 それは「褒める」こと!
子どもができていないことではなく、できていることに注目する。
やめて欲しいことではなく、もっとやって欲しいことに注目する。
遊んでいるときなどその最中に注目してあげる。
具体的な声かけの例は
「ごはんだよって言ったらテーブルに来れたね。」
「自分でスプーン使えたね。」
「一口食べれたんだね!」
「もうご飯は半分も食べられたんだね。」
「コップでお水も飲めたね!」
「もうご飯は全部食べられたんだね~!」 パチパチパチ・・・
遊んでいる最中であれば、
「自動車であそんでいるんだね!」
「絵を書いているんだね!」
そう、子どもの様子を見たまま言葉にするだけ。
普段の出来ている行動はスルーしがちですが、小さなことからどんどん褒めてあげましょう。すると、お母さんに注目されているという心の安定、さらにお子さんのやる気と自信にもつながります。
そうなれば、感情の脳を発達させて癇癪を起こす原因を減らすことができます。
◆②魔法の言葉を届ける
ぜひ、今日からお子さんにやってほしい言葉かけがあります。
その言葉とは…「大好きだよ!」
このたった一言の言葉をたっぷり浴びせてあげてほしいのです。
発達障害があってもなくても、子どものことを無条件に愛せるのは何と言っても親である、お母さんです。
脳は内側に行けば行くほど、生命の維持に関わるような原始的な脳になっています。
こぶし大くらいの大きさの原始的な脳の上に、人間らしい、高度な処理をする脳がヘルメットのように被さっている形状になっています。
お母さんの、「大好きだよ」の言葉とともに伝わる愛情は、子どもの脳の奥深く、原始的な本能の脳まで届きます。
お母さんの「大好きだよ!」のたった一言と眼差しが、お子さんの脳の奥深くまで届いたとき、子どもの情緒が脳からグッと安定していきます。
お母さんの「大好きだよ」の一言は、人間としていきていくために最も欠くことのできない脳の栄養素になるのです。
◆③スキンシップ
魔法の言葉に、スキンシップを加えてあげると効果は倍増します!スキンシップは脳にダイレクトに安心感をインプットします。
お子さんが、「おはよう」と起きてきたら、ぜひ「おはよう、大好きだよ」と抱きしめてあげてください。
他にも、
・一緒にお風呂に入る
・絵本の読み聞かせをする
・ほっぺをスリスリする
・手を繋ぐ
・膝に乗せる
なども有効ですよ。ぜひやってみてくださいね!
▼スキンシップの効果について、詳しくはこちら▼
ちょっとした日常生活でのお子さんとの関わり方を意識するだけで、感情の脳を育てることができ癇癪の原因を減らせます。そして、それは毎日お子さんに関わるお母さんだからこそできるのです。
ぜひ今日から実践して、休み明けのストレスに負けないお子さんの脳を作ってあげてくださいね!
長期休み、ぜひ親子の時間を満喫して、スムーズに新学期をスタートできることを祈っています!
執筆者:石澤かずこ
(お母さんの小学校★ななほし代表)
「感情の脳」を育てる方法はこちらの書籍でも詳しくご紹介しています▼
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