適切な場面で、きちんと謝ることができない子どもたち…彼らに「ごめんなさいは?」と言っていませんか?素直にごめんなさいが言えないのは、こんな理由が隠れているからかもしれません。子どもの脳にネットワークをつくることでグッと謝り上手になりますよ! |
「ごめんなさいは?」と言っていませんか?
「謝りなさい!」
「ごめんなさいは?」
子どもがいけないことをして、謝る言葉を引き出したい…そう思って、こんな声かけをしているママはいませんか?
人間関係を結んでいく上で、適切な場面で「ごめんなさい」が言える子どもに育ってほしいと願うママは多いと思います。
特に人様の手前だと、つい「ごめんなさいは?」と言ってしまいたくなりますよね。
ごめんなさいが言えないのはなぜか
“ネガティブ”がセットになった情報は届かない
それでは、謝る状況というものを少し想像してみましょう。
「ごめんなさい」と言うべき状況というのは、つまりその前に何かネガティブなことが起こっているということですよね。
このときの子どもの心情は、きっとハッピーではないはずです。どちらかと言うと、落ち込んだり、不機嫌だったりするでしょう。
「ごめんなさいは?」と言うママも、もしかしたらモヤモヤした不穏な表情をしているかもしれません。
このような状態のとき、子どもの脳はとても発達しづらいと考えられます。
なぜかと言うと、“ネガティブ”がセットになった情報はうまく子どもの脳に届かないからです。
「謝った」ではなく「謝らされた」になっているかも
もう少し掘り下げます。子どもの視点から見ると、このネガティブな状況にも何かきっかけがあるはずです。
お友達と遊びたかったけど力加減が分からなかった。
すごく興味があることで触ってみたかった。
弟妹にかかりきりなママの気を引きたかった。
そんな背景がありながら起こったトラブルかもしれません。
低年齢だとうまく状況を把握できなかったり、言葉で説明できなかったり、そのときの感情を表す言葉を知らないこともあります。
私の息子もそんな感じです。
たとえば過去には、ランドセルの中で水筒の蓋が開いてしまい、だくだくとお茶が床にこぼれていく様子を完全にフリーズして見ていたことも…。
当時の息子は状況を分析する力が未熟で、「なんだか目の前でトラブルが起こっている気がするけれど、僕は今どうすればいいか分からない」という状態だったのだろうと思います。
そしてそれを言葉で説明する力もなく、ただ固まっていました。
うまく挨拶できない理由の1つを紹介しています▼▼
どのような背景にせよ、謝るべき状況ということがしっかり腑に落ちていない段階で形だけ「ごめんなさい」をしても、それは子どもにとってただネガティブな経験となるだけです。
何かよく分からないけれど、謝らされた…という記憶が強く残るのではないでしょうか。
謝るスキルは役に立つ
よりよい人間関係を保つことにつながる
とは言え、謝るスキルを持っていると、とても役に立つことは事実です。あなたも、上手な謝罪を受けることでイライラ感が和らいだ…という経験はないでしょうか?
周りの人がどういった態度で自分と接してくるかによって、自分の感情は良くも悪くも変化しますよね。
ちょっと自慢ですが(笑)、小学校3年生になった私の息子はとても謝り上手で、「君の謝罪に免じて何もかも許そう♪」という気分にしてくれます。
謝るスキルを身につけておくことで、家族関係はもちろん、今後生きていく上で人間関係をよりよく保つことにつながるなと実感しています。
脳の中にネットワークをつくればいい!
それでは、どのようにすれば謝るスキルを上げることができるのでしょうか?
脳科学的には、意識しなくても自然とできるようになる=脳の中にネットワークができること、と言われています。
つまり、適切な場面で謝ることができるようにするためには「相手を傷つけてしまったとき」→「僕は謝る」というネットワークを脳の中につくってあげると良い!ということです。
そして、ネットワークを効率よくつくっていく方法は、ズバリ成功体験!謝ることを成功体験にしてやるんです。
次の章で、私がどのようにして息子の成功体験をサポートしているか、紹介していきますね。
こちらで詳しく!できないことができるようになる仕組み▼▼
子どもが謝り上手になるコミュニケーション術
◆わが子に対して謝れるママに
大人が謝っている姿を見せます。特に、わが子に対して謝れるママになれるといいですね。
大人でも失敗してしまうことはありますよね。子どもだから適当でいいか…と考えるのはNGです。わが子だからこそ、傷つけてしまったと感じたら心を込めて謝ることをおすすめします。
子どもは、親の背中を見て育つと言われますよね。私も、この点を肝に銘じて日々生活しています。
◆「ごめんなさいは?」は封印
私は「謝りなさい!」「ごめんなさいは?」と声をかけたことは今まで一度もないのですが、息子から「ごめんね」のひとことを引き出すことができるようになりました。
乳幼児期からどのようにしてきたかと言うと、
「お母さんはとても悲しい気持ちになった…(泣くマネもしくは落ち込むフリ)」
「大変!パパが悲しくて泣いているよ(パパへアイコンタクトをとり協力を仰ぐ)」
「○○ちゃん、悲しすぎてショックを受けてるのかも…(子ども同士の間を取り持つ)」
などと声をかけてきました。私の経験だと、「怒っている」ではなく「悲しい」と表現すると子どもにとって謝りやすいのかな?という印象があります。
◆謝ることを成功体験に!
なぜ謝罪をしているか理解をしていることが前提で、まず「ごめんね」が言えたら必ず許します。
わが家ではうやむやにならないように、「仲直りのハグ」を許しましたの合図としています。
この「仲直りのハグ」の後は意識して気分を切り替え、いつまでも引きずることなくニコニコ母さんに戻ります。
そして最重要な声かけがこちら!
「君が上手に謝ることができたから、悲しい気持ちがどこかにいっちゃった♪」
このように、謝罪がうまくいったことを言語化して聞かせてやることで、謝るようなネガティブな出来事も不思議と一変!ステキな成功体験にすることができるんです。
いかがでしょうか?ごめんなさいが言えないお子さんに、ぜひ試してみてくださいね。
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執筆者:大塚 ひかり
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