幼児期の子どもや少し育てにくいと感じるお子さんの育児をしていると、甘やかしているかな?と悩んでしまうことはありませんか?それはお子さんにとって必要かどうかの見極めが難しいからかもしれません。そんなときはお子さんの特性を理解し観察すると迷わなくなりますよ! |
甘やかしと甘えさせ
最近よく聞く甘やかしと甘えさせ。
気になっているママも多いのではないでしょうか?
私も子どもの発達を学んでいますが、実際4歳の息子の育児をしながら「これは甘やかしちゃったかな?」とよぎることがあります。
ネットで甘やかしと甘えさせの違いを見ると
甘やかしは
・お菓子、おもちゃなどの物質的要求に応える
・親の都合で子どもができることもやってしまう
甘えさせは
・子どもが愛情を求めてきたときに応えてあげる
・子どもが助けを求めてきたら助けてあげる
などがあり、2つは似て非なるものですが、甘やかしも場合によっては必要なこともあると書かれています。
たしかに幼児や、少し育てにくい子どもを目の前にしていると、色々なことが複雑に絡み合っていますので、甘やかしか、甘えさせかという観点で考えるとなんだか混乱してきますよね。
ですから私は、すぐに「その考え方は必要ないな」と切り替えています。
なぜその考えは必要ないと思えるのか、お話ししたいと思います。
おさえておきたい2つのこと
脳の発達
幼児期の子どもの脳はまだまだ成長段階で、感情をコントロールしたり、自分の気持ちを整理して人に伝えられるようになるのは、小学校低学年以降です。
幼児期は甘えてきて当たり前、我慢できないのも当たり前なのです。
その当たり前をまずママが理解した上で、本当に我慢させることなのか、応じることなのかを考える必要があります。
発達パステルの子どもや、ちょっと育てにくさを感じる子どもだと、発達に関する脳の得意と苦手の差が大きいことがあるので、できないことが目立ったり、気持ちのコントロールができなかったりします。
発達に関する脳エリアは大きくわけて8つあります。
視覚、聴覚、感情、記憶、伝達、理解、運動、思考です。
この8つのエリアの発達に差が大きく出てくると、
・1人で集中するのは得意だけど、人と関わることは苦手
・運動することは得意だけど、じっとしているのは苦手
・感情が豊かだけど、感情をコントロールするのは苦手
などの行動に現れてきます。
この苦手ことが「甘やかしてしまう」ということにつながることが多いですよね。
ですから、苦手なことを注意したりやり過ごしてしまうのではなく発達をサポートしてあげることが大切です。
幼児期の子どもの脳は柔軟で、得意なことに注目してあげると脳全体が活性化され苦手な脳エリアの発達も一緒に引き上げてくれます。
そのコミュニケーションがしっかり取れるようになってくると、脳がグーン!と成長し、褒め言葉はもちろんですが、指示などのお母さんの言葉が届きやすくなります。
すると、お子さんがわがままを言ったとしても、それに対しお母さんが伝えた言葉をスッと受け取って納得してくれるようになったり、困りごとが減ってきます。
子どもの言動の理由を知る
子どもの発達を理解したあとは、「甘やかしてるかな?」という視点ではなく
「なぜ、今、この子はお菓子を欲しがっているのかな?」
「なぜ、おもちゃを買ってと言っているのかな?」
「なぜ、できるはずのことを、ママやってと言っているのかな?」
と、理由を考えてみましょう。
お菓子を欲しがる理由はなんだろう?
・単純にお腹が空いたから
・ご飯をあまり食べられなかったから
・最近食欲があるから
・甘い物が食べたくなったから
・おやつが足りなかったから
おもちゃを買ってと言っている理由はなんだろう?
・おもちゃを見たら欲しくなった
・今持っているおもちゃよりかっこいい、可愛い
・ママとの買い物に飽きてきた
・そのおもちゃで遊ぶイメージが膨らんでいる
できるはずのことをやってと言う理由はなんだろ?
・今日は甘えたい気分
・外でがんばっているから家では甘えたい
・本当はすごくがんばってやっていたから今日は休みたい
こんな風に、お子さんがなぜそう言っているのかをその場ですぐ考えてみるのです。
お母さんも忙しいですし、イライラしてしまうときもあります。
ただ、そんなときほど、一瞬「この子はなんで言ってるんだろう?」とお母さん自身に問いかけて欲しいのです。
その理由によってはお母さんが応じる行動は甘やかしていることにはならないこともありますし、お子さんの発達によってはまだまだサポートしてあげていい時期かもしれません。
一遍通りに、年齢や他のお友達がもうできてるから、我慢もしてるからという視点ではなく、我が子の特性と理由を冷静に受け止め、そこに対処していくという考え方になると、甘やかしか甘えさせかという視点は必要ないな!と思われてくるのではないでしょうか?
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甘やかしても気にしない!子どもの脳を発達させる声かけ
認める声かけ
幼児期の子どもや発達パステルの子どもたちは、たくさん認めてもらうことで自信をつけ自立していきます。
日頃からお子さんができていることを見つけては「今〇〇やってたの?いいね!」「ここまでできたんだね!すごい!」などたくさん褒めのシャワーをかけてあげましょう。
朝なかなか着替えなくても「早く着替えて!」ではなく準備の中で何かできていることだけに注目して「着替えようとしているんだね」「ズボン脱げてるね」など、できていることを探して伝えましょう。
始めのうちは、褒めることと注意することの割合を9:1くらいを意識するのがおすすめです。
ちょっと褒めすぎかな?くらいがちょうどいいです!
子どもは褒められたことよりも、注意などの否定的な注目の方を大きく感じ取ってしまい、記憶に残してしまいます。
子どもの脳に良い記憶を残していくためにも、まずは9:1を意識してみましょう。
そして、徐々にお子さんの様子に変化が見られたら、その割合を3:1までにしていきます。
この褒める声かけは2週間~1か月くらい徹底してやるとお子さんがぐずりにくくなったり、笑顔が増えたり、と変化が分かりやすいですよ!
共感する声かけ
褒めるコミュニケーションでお子さんの変化が見られてきたら、少しづつお母さんの指示を会話の中に入れていくために、お子さんの言動に共感をしながら提案をしていきます。
先ほど例にだした内容でしたら、
・お腹が空いた → お腹すいたよね
・甘いものが食べたくなった → 甘いもの食べたいよね
・おもちゃを見たら欲しくなった → おもちゃ欲しくなったんだね
・今持っているものよりカッコいい → このおもちゃカッコいいよね
という感じです。
人は共感されると「食べたい!」「欲しい!」と感情的になっている脳を少し落ち着かせることができます。
しばらく「そうだよね~」とゆったり共感を続けてみましょう。
そしてお子さんを観察していると、お子さんの激しい言動が少し緩んでくるタイミングが出てくると思います。
そうしたら、代案を提示してみましょう。
・お菓子は今ないからジュース飲む?
・食べ物、おもちゃでも、お母さんがこれならいいかな?と思う物を渡す
・欲しいと言っているおもちゃでその場で少し一緒に遊んでみる
などです。
普段からお子さんの言動に共感してあげていると、脳の感情系エリアが落ち着きやすくなり、感情的な要求も減ってきます。
もし、要求があったとしても、日頃から褒めるコミュニケーションと共感の声かけをすることで、早い段階で落ち着き、お母さんの代案を受け入れるようになってきますよ。
我が家の息子も夕飯前に「おやつをもっと食べたい!」とよく言います。
「お腹がすいているならおにぎりにする?」と聞くと「おにぎり食べる!」という日もありますし「甘いものがいい!」という日もあります。(甘いものの頻度の方が高いですが…笑)
そんなとき私は「今日は幼稚園でがんばったことがあったんだろうな。甘いもの食べたいときあるよね」と思い、追加で出します。
その分「甘いものたくさん食べたから、夕飯はお野菜もたべようね~」と笑って伝えると「うん!」と言ってくれます。
夕飯も野菜がたくさん取りやすいように息子が好きなお味噌汁にして「お味噌汁だけは今日はピカピカに食べようね!」と言うと、残さず食べてくれたりします。
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このような感じで、息子の言動を理解してみる、私の指示も聞いてもらえる状態をつくることをしています。
そんなコミュニケーションを続けていると、息子の取扱書のようなものができてきて「甘えさせているかいないか?」ということは気にならなくなってくるのです。
世の中には色々な情報が溢れていますが、お母さん自身や子どもに合ったやり方を見つけていくのはやはりお母さん自身になります。
たくさん迷ってしまうこともあると思いますが、それはお母さんが一生懸命お子さんのことを考えているからこそです。
もし1人で悩んでしまうことがあったら相談してくださいね。
この記事もそのお手伝いになっていたら嬉しいです。
今日もお子さんとの楽しい時間がすごせますように。
執筆者:宮代さちこ
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