子どもはスキンシップが大好き!それが分かっていてもスキンシップは苦手なママっていらっしゃいますよね。そういったママが無理なく触れずに、スキンシップの効果を子どもの脳へ届ける方法があります。ぜひ試してみてくださいね。 |
スキンシップの効果は「子どもの心の土台をつくる」こと
ひと昔前まで抱き癖がつくと言われ、赤ちゃんを頻繁に抱っこしない、という育児が主流でした。
今ではたくさん抱っこしてあげましょうと言われてきたママも多いのではないでしょうか?
スキンシップは生き物にとって必要なかかわりです。お子さんが成長した後も、スキンシップはたくさんしていますか?
スキンシップの効果はたくさんありますが、脳科学的には“感情の脳”を育てるということにあります。
特に子どもは、スキンシップをすることによっていち早く情緒が安定します。
なぜかというと、皮膚からの刺激は、感情をつかさどる脳の領域(扁桃体)から、情動や感情を作り出すという作用があるからなのです。
安心する刺激が脳に届くと、感情も安心するということですね。
人が心地よいと感じるスキンシップは、不安や恐怖を感じている状態から安定した心に戻すという効果があります。
そしてさらに、安定したスキンシップが継続することによって、こんないい効果が現れるんですよ!
◆安心を与えてくれる相手を信頼する力や、思いやる心が育つ
◆心が安定するのでトラブルを乗り越える力がつき、自分自身を大切にできるようになる
◆他者と愛情関係を深く築くことができる
スキンシップは人の”心の土台”を育てます。
我が子が将来、強く芯のある人として人生を歩んでほしいと思ったら、ぜひ毎日スキンシップを取り入れたかかわりをしてくださいね。
ママがスキンシップが苦手になる理由
ですが私自身、スキンシップや肌の触れ合いが苦手なタイプのママでした。
子どもが赤ちゃんの頃には自分でそれを実感することはありませんでしたが、娘が成長するに従ってふと、実感するようになったのです。
また、下の妹たちのお世話に多く時間がとられるようになると、一番上の子とだけ距離感がうまれてしまい、気づいたら抱きしめることにも抵抗感を感じるようになってしまいました。
ですが、そう感じてしまうにも理由があったのです。
長女には発達のでこぼこがあり、育児の困りごととストレスを抱えていた、ということもありましたが、なにより、私自身が幼少期にスキンシップの関わりをほとんど経験してこなかった、ということも関係していました。
ヒトの脳は、幼少期の環境によってスキンシップの刺激を受け取る機能“受容体”の密度が低くなります。
また、スキンシップをするにはお互いの信頼感も重要です。
わが子といえど、親子の距離感がある場合にはスキンシップをとることに抵抗感を感じるようになってしまうのですね。
信頼関係が育っていない相手とのスキンシップは、逆にストレスを感じてしまいますので、肌が触れ合うためには先に相手との信頼関係を構築することが大切になります。
愛情ホルモン「オキシトシン」が脳の発達へ影響する
「オキシトシン」という脳内ホルモンをご存じでしょうか?別名、愛情ホルモンなどと呼ばれていて、ヒトのストレスを抑える働きをしています。
オキシトシンは、信頼している相手とのスキンシップやコミュニケーションによって脳内に分泌されます。
オキシトシンが分泌されると、快・不快を感知する脳の“扁桃体”に作用するので、恐怖を抑え、信頼感や安心感・共感性を感じることができるようになります。
人間は周りの人とのコミュニケーションによって生きる”社会的”な存在です。だから、子どもの社会性を伸ばしてくれる、ということにつながるのですね。
逆にいうと、オキシトシンの分泌がない・スキンシップが足りない環境というのは、子どもの脳の発達が阻害されてしまう、ということになります。
・いつも恐怖や不安感を抱えている
・安心のかかわりが与えられないので、大人を信頼できなくなる
・攻撃や衝動性、反抗的になったり落ち着きがなくなる
・感情のコントロールも苦手、やる気を出せない
など…ネガティブな性格になってしまいます。
また、幼少期の環境によってオキシトシンを受け止める機能“受容体”の密度が低いまま成長してしまうので、大人になっても幸福感が得られにくかったり、人生のトラブルなども自分の力で乗り越えていける心の強さ、心の土台が育ちません。
こういった影響もあることから、スキンシップが日常にある子育てというのはとても重要なことがわかりますが、スキンシップは苦手というママもいらっしゃいますよね。
そういったママに、オキシトシンの効果を“触れずに”子どもの脳に与えていくことができる方法をお伝えします!
触れなくてもスキンシップの効果がある”脳に届く○○○○”
愛情ホルモン・オキシトシンは不安や恐怖を安心に変える作用がありますが、スキンシップ以外でも、優しく温かい“言葉かけ“や”まなざし“によって分泌させることができるのです。
「痛いの痛いの、飛んでいけ」という言葉かけ、誰もが聞いたことがありますよね。
まさしくこれが、痛みで不安や恐怖を感じている子どもの脳に安心を届ける”言葉かけ”と”まなざし”です。
先輩お母さんたちから受け継がれてきた先人の知恵は、科学的にも解明できる大切なかかわりだったのですね!
そして私たちたちママ世代も、そういった知恵によって守られ、育てられてきた…そうと思うと、なんだか心が温かくなりますね。
そのほかにも、触れることが苦手なママでもオキシトシンを分泌させるかかわり方がありますよ。
例えば、
◆優しい声で絵本を読んであげる
◆肩や背中に手を置いて触れる
◆髪の毛を丁寧に乾かしてあげたり、整えてあげる
このようなかかわりを続けていくと、子どもは自分が愛されていると感じて「周りを信頼したり、親密な関係を築きたい」と思うようになります。
そして私が一番伝えたいことは、その変化はママにも同じように起こる、ということなのです。
オキシトシンは、相手にも自分にも同時に分泌されるからです。
そういったコミュニケーションが定着すると、スキンシップが苦手なママもいつの間にかスキンシップが好きになってきます!
安心できる”言葉かけ”からはじめて親子関係に変化を起こし、ぜひ子育てを楽しんでくださいね。
執筆者:あらい舞
▼子どもの脳をもっと伸ばす!親子のコミュニケーション法をお伝えしています!