言葉が遅い子が癇癪やぐずりを起こしているとき、どんな対応をしますか?なんとかしてあげたい…その一心で声かけするお母さんが多いと思いますが、実は、言葉でなだめる前に必要なことが。お子さんへ伝わるコミュニケーションのワンステップをご紹介します。 |
言葉が遅い男の子の癇癪やぐずり。一般的な方法では解決しにくい!?
コロナの猛威、大人も先が見えない世の中です。お子さんたちは、
何だかいつもより怒りっぽい…
ちょっとしたことで泣く!
一度スイッチが入ると、なだめても火に油の状態で、一向におさまる気配がない…
こんな風に、いつもよりぐずりや癇癪が起きやすくなっていませんか?
お母さんも、はじめは穏やかに、なだめたり気持ちに寄り添ったりできても、気づけば子どものイライラに巻き込まれて一緒にイライラ…
最終的に「泣いてたらわからない!」「もう知らない!」…と怒鳴って終わってしまったり。
私たちママは、言って聞かせようと思いますが、実は、男の子のくずり、癇癪の背景には、「自分の気持ちをうまく言葉にできない」という言葉の発達の未熟さが隠れていることが多いのです。
だから、言葉で言ってきかせる方法では行き詰まってしまいますし、親子でイライラの中から抜け出せなくなってしまいます。
気持ちが安定しない状態は、言葉の発達にマイナスなので、余計にぐずりや癇癪を長引かせてしまうことになります。
ですから、言葉が遅い男の子ならではのぐずり、癇癪への対応が必要です!
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なだめても、共感してもぐずりがおさまらない理由
一般的なやり方がお子さんの特性や発達に合っていないから
少し思い出してみてください。最近、お子さんがぐずったり癇癪を起こしたときのこと。
思い出すだけでイライラする!!怒りすぎて自己嫌悪です…という方もいらっしゃるかもしれませんが、
まずは、気づくことが大切なので、少しだけ振り返ってみてください^^
きっとはじめは、
「もっと遊びたかったんだね」と共感したり、
「悲しかったね」と気持ちを代弁したり、
「〇〇だから今はできないんだよ」と理由を丁寧に説明したり…
こんな風に対応されたのではないでしょうか?
この対応は、どれも育児書にもあるような一般的には適切な対応なのですが、
では、この方法でお子さんは気持ちを切り替えることができたでしょうか?
もっとぐずりが強くなったり、
癇癪が長引いたり、
親子でイライラして結局感情的に対応してしまった…
という場合は、あなたのお子さんの発達や特性に合っていないかもしれません。
ぐずりや癇癪を起こしている脳は、感情が活発すぎる状態だから
というのも、ぐずりや癇癪を起こしているとき、子どもの脳は、感情を司る脳が活発に働きすぎている状態です。
そこに、共感、なだめ、説明といった言葉で切り替えようとする方法でアプローチすると、
言葉での入力や理解の回路が十分に発達していない、言葉がゆっくりな男の子の脳は、うまく処理できない言葉の情報が次々入ってくることでさらに大混乱!
私たちママには、子どもの脳の中で何が起きているかは見えないので、
火に油を注ぐようにぐずりがひどくなったり、
癇癪がどうにもこうにもおさまらない!という状態になったり…
こんなふうに表に見えていることしかわからないので、
なんでーーー!!
もう言ってくれないとわからない!
となって、子どもにぐずる理由を言わせようとしたり…しちゃいますよね。
だって理由がわかれば、それを解消してあげられますから。お母さんとしてはなんとかしてあげたい一心なのです。
けれど、そのお母さんの対応が、かえって癇癪やぐずりを「クセ」にしてしまっているかもしれません。
ぐずりは脳のクセになる…その前に切り替えられる力を!
言葉がゆっくりな子は、伝えたいことがあっても、それをうまく表せるだけの言葉が育っていないので、
ネガティブな気持ちを泣いて、わめいて、怒って…癇癪やくずりとして必死で大人に伝えようとします。
言葉のゆっくりさに加えて、
感覚が敏感だったり、
こだわりがあったり、
不安になりやすかったり…
こんな風に発達や感覚にでこぼこがあると、癇癪やぐずりが強く現れやすくなります。
すっごく不快を感じやすいのに、それをうまく伝えられない…
この不快とセットになった癇癪ぐずりを繰り返してしまうと、脳の中には、不快なときにはぐずる・癇癪を起こすという癇癪ぐずりのネットワークができてしまいます。
脳のネットワークは繰り返すほどにより太く、強固になっていくので、些細なことでも癇癪ぐずりで反応するようになってしまうのです。
はじめは落ち着いて対応していたママも、頻発してくるとやっぱりイライラしてきて、「いい加減にしなさい!泣かないの!」となってしまいますよね。
癇癪ぐずりを起こしては怒られるというネガティブな記憶は、少しずつ脳に蓄積されていって、子どもの脳の発達にマイナスに働いてしまいます。
そうすると、もちろん言葉の発達にもマイナスなので、癇癪ぐずりの根本的な解消も遅らせてしまいます。
だからこそ、ぐずりが脳のクセにならないうちに、切り替えていく対応が必要なのです。
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言葉が遅い子の対応はこれ!癇癪ぐずりを防ぐ、コミュニケーションのワンステップとは
言葉のゆっくりな子どもの癇癪ぐずりをおさめるためには、共感したり、代弁したりする前に大切なあるステップを踏んでほしいのです。
もちろん、共感・代弁がいけないのではありません。
その共感や代弁するお母さんの言葉を、言葉がゆっくりな子に届けるためには、感情の脳が過活動状態の、癇癪ぐずりの渦の中から少し「切り替える」ワンステップが必要なのです。
話し始めるときは、「笑顔で」「ゆっくり」「優しい声で」
そのワンステップとは、「笑顔で」「ゆっくり」「優しい声で」話し始めること!
私たちはコミュニケーションの中で何から情報を得ているかというと、表情や声のトーンといった言葉以外の情報が一番多いです。
怒った顔で、早口で、トゲトゲした声で、「もう、大丈夫よ!」と言われたらどうでしょう。
全く安心できませんよね。
とくに、幼児さん、言葉がゆっくりなお子さんは言葉以外の情報を優先的にキャッチしやすいので、
言葉の内容が「伝わる」ようにするためには、言葉以外の情報を整えて、子どもの脳がママの言葉をキャッチできる状態にしてあげることが大切なのです!
一気に3つは難しい!という方は、自分の得意なものから意識して始めてみるのもオススメです。
「今日は一日、話し始める前に笑顔を作ろう!」などと決めて取り組んでみてくださいね。
言葉の未熟さで癇癪・ぐずりを起こしている子どもは、本人も伝えようと必死で頑張っている状態。
そのことに気づいたら、まずはワンステップを踏んでコミュニケーションをとってみてくださいね。
執筆者:はしうえゆか
▼「お母さんの小学校★ななほし」主宰:石澤かずこのメルマガ登録はこちらから